優勝チームに欠かせない? 夏の甲子園、2000年以降の「最強1番バッター」は誰だ

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2022年08月15日 18:00  AERA dot.

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写真駒大苫小牧の夏二連覇に貢献した林裕也
駒大苫小牧の夏二連覇に貢献した林裕也
 連日熱戦が繰り広げられている夏の甲子園だが、今年活躍が目立っているのが1番バッターだ。優勝候補の筆頭と言われている大阪桐蔭では伊藤櫂人が豪快なホームランを放ち、ドラフト上位候補の浅野翔吾(高松商)も2打席連続ホームランを放って見せた。他にも加藤蓮(愛工大名電)、赤堀颯(聖光学院)、親富祖凪人(二松学舎大付)が見事な活躍を見せている。そこで今回は2000年以降の夏の甲子園で輝いたトップバッターたちにスポットを当ててみたいと思う。


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 2001年に強力打線で優勝を果たしたのが日大三だが、その中でもトップバッターとしてチームを牽引したのが都築克幸だ。その年の春のセンバツでは自らのエラーもあって3回戦で東福岡に敗れたものの、それをきっかけに大きく成長。西東京大会で7割を超える打率をマークすると、その勢いは甲子園でもとどまることはなく、史上2位となる大会通算16安打を放つ大活躍を見せたのだ。この年は3番の内田和也、4番の原島正光に注目が集まっていたが、都築の活躍がなければここまで得点を挙げることはできなかっただろう。


 2004年、2005年と夏の大会で二連覇を達成した駒大苫小牧で強いインパクトを残したのが林裕也だ。2年生だった2004年は調子を落としていたこともあって大会の前半は7番を打っていたが、準々決勝で横浜高校の涌井秀章を相手にサイクルヒットを達成。準決勝、決勝では3番に座りチームの初優勝に大きく貢献した。3年生となった2005年はキャプテンとなり1番に定着。いずれも1点差の接戦となった準々決勝の鳴門工戦、準決勝の大阪桐蔭戦では2試合連続で3安打の猛打賞も記録するなどチームを牽引。決勝の京都外大西戦でも5打席で2安打、2四球と4度出塁するなど1番バッターとしての役割を見事に果たし、チーム連覇の大きな原動力となった。「みんな、最高だ!」と叫んだ優勝インタビューを記憶しているファンも多いだろう。



 長打力も備えたトップバッターとして印象深いのが2008年の浅村栄斗(大阪桐蔭)。前年は中田翔を中心に能力の高い選手が揃っていながらも、夏の大阪大会では決勝戦で金光大阪に敗れて甲子園出場を逃しており、この年の代は力がないと言われながらも見事に優勝を果たしたが、その象徴的な存在だったのが浅村だった。入学当初から期待されていたものの、2年夏まで背番号は二桁で、そこまで目立った活躍はしていない。新チームとなった秋の大阪府大会でも準々決勝でPL学園に0対9と大敗を喫し、センバツ出場も逃している。


 しかしその悔しさをバネに夏は北大阪大会(90回の記念大会のため大阪は2校が出場)を勝ち上がると、チームと浅村は甲子園でも大きく成長。浅村は6試合で打率.552(29打数16安打)と大活躍した。特に印象深いのが2回戦の金沢戦である。7回終了時点で1点リードを許す苦しい展開だったが、8回裏に浅村がこの日2本目となるホームランを放って追いつき、延長の末にサヨナラ勝ちをおさめたのだ。まさに起死回生という言葉がピッタリ当てはまる一打であり、チームの危機を救ったホームランだった。


 同じ大阪桐蔭では2012年に春夏連覇を達成した時の森友哉を挙げないわけにはいかないだろう。2年生ながら不動の1番・捕手として出場すると、1回戦の木更津総合戦ではいきなり3安打をマーク。続く済々黌との試合でも2試合連続となる猛打賞を記録し、第3打席ではライトスタンドに飛び込むホームランも放っている。さらに準々決勝では先頭打者ホームランも記録。準決勝と決勝では2試合で1安打に終わったものの、大会を通じて打率4割の成績を残し、8安打中5安打が長打という見事な活躍だった。ちなみに大阪桐蔭を指揮する西谷浩一監督も、これまで見てきた打者の中でボールをとらえる技術は森がナンバーワンだったと話しているほど、高校時代からその卓越したバッティングは圧倒的なものがあった。



 4番やクリーンアップにどうしても注目が集まることが多いが、チームに勢いをもたらすという意味ではトップバッターの役割は非常に重要であり、短期決戦のトーナメントである甲子園ではその重要性は一層高いとも言えるはずだ。今大会でも冒頭で触れたように1番バッターの好打者が目立つが、今後も甲子園の歴史に残るような活躍を見せる選手が出てくることを期待したい。(文・西尾典文)


●プロフィール
西尾典文1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。


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  • 記憶に残る1番バッターは、一番サード岩鬼君、明訓高校。でしょ
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