「知らなかった」と言えば免責? 岸田改造内閣 旧統一教会関連と接点のある議員だらけ

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2022年08月16日 06:30  AERA dot.

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写真記念写真に納まる岸田文雄首相(手前中央)と閣僚ら
記念写真に納まる岸田文雄首相(手前中央)と閣僚ら
 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と決別する気はない? 8月10日に発足した第2次岸田改造内閣。ふたを開けてみれば旧統一教会と接点のあった人物ばかり。本人たちを問いただせば、「知らなかった」と責任逃れ。政権浮揚を狙った前倒しの改造が、逆に国民の疑念を招く結果となっている。


「何のための内閣改造、党役員人事だったのか。旧統一教会関連に関与したのばかり起用して、余計に疑惑が生じている」


 そうこぼすのは、自民党のある閣僚経験者。


 内閣改造前の各社の世論調査で、旧統一教会と政治との関係や安倍晋三元首相の国葬の賛否について、説明が足らない、納得いかない、といった回答が多数を占め、岸田文雄首相は支持率低下を避ける狙いで、想定より1カ月前倒しで内閣改造、党の役員人事に着手した。


 岸田首相は8月10日の記者会見で旧統一教会を念頭に、


「私個人は、知り得る限り、当該団体とは関係がないということを申し上げます」


 と述べた上で、


「社会的に問題が指摘されている団体との関係については、国民に疑念を持たれるようなことがないよう十分に注意しなければなりません。国民の皆さんの疑念を払拭(ふっしょく)するため、今回の内閣改造にあたり、私から閣僚に対しては、政治家としての責任において、それぞれ当該団体との関係を点検し、その結果を踏まえて厳正に見直すことを言明し、それを了解した者のみを任命いたしました」


 と断言。「脱旧統一教会シフト」で19閣僚のうち14人を交代させた。


 しかし、留任した山際大志郎経済再生担当相は、初閣議の記者会見で旧統一教会との関係を認めた。山際氏はこれまでも、旧統一教会関連団体のイベントへの出席や、祝電などが指摘されていたが、「差し控える」と明確な回答を避けてきた。それが閣僚入りが決まった途端に態度が一変した。


 山際氏の資金管理団体は2013年、旧統一教会関連団体「平和大使協議会」に会費1万円を支出、18年に関連団体主催のセミナーに出席したことも公表した。選挙支援については、明言しなかった。



 留任組では、林芳正外相も「世界日報」の取材を12年に受けたと明らかにした。


 一方、政調会長から閣僚入りとなった高市早苗経済安全保障担当相も就任の記者会見で、旧統一教会系の月刊誌「ビューポイント」で対談に応じ、掲載されていたと話した。


 高市氏は「旧統一教会関連の雑誌とは知らなかった」と述べたが、これまで「ビューポイント」については、下村博文元文科相らが表紙に登場していたことで問題になっていた。


 そして、党役員人事の最大の目玉となったのが、萩生田光一政調会長だ。


 最大派閥、安倍派の実力者でもある萩生田氏。旧統一教会の関連団体のイベントであいさつに立ったことを認めた。旧統一教会の幹部が理事に名前を連ねる「一般社団法人 教育問題国民会議」の理事に就任していた時期があることも報じられた。


 ほかにも、3度目の厚生労働相となる加藤勝信氏。前回の在任中に旧統一教会の関連団体の会合に秘書が代理出席していることがわかっている。


 就任会見でも、


「旧統一教会関連団体の会合で会費を出した」


 と語っている。


 初入閣の寺田稔総務相は、旧統一教会の政治団体とされる「国際勝共連合」へ、会合の会費として支出したことを認め、


「その時点で『国際勝共連合』とは知らなかった」


 と話した。国際勝共連合が旧統一教会関連の政治団体であることは、それまでもさまざまな報道がされており、周知の事実のはずだ。


 副大臣、政務官でも10人超が、旧統一教会やその関連団体と接点を持ったことがあることが明らかになった。


 佐賀県の元知事から国政に転身した古川康・国土交通政務官は、AERAdot.が入手した、旧統一教会の関連団体が15年に開いた「日韓トンネル推進唐津フォーラム」の資料に、世話人として名前がある。


 元三重県知事の鈴木英敬・内閣府政務官も知事時代の19年10月に、旧統一教会の韓鶴子総裁が講演したイベントで、関連団体に祝辞を贈り、元高知県知事の尾崎正直・デジタル兼内閣府政務官も、知事時代に旧統一教会の関連団体であいさつしていたことを認めた。




 安倍元首相が銃撃された奈良県の演説会で司会をしていた、小林茂樹・環境兼内閣府副大臣については、旧統一教会の関連団体のイベントであいさつもしていた。



 イベントに参加していた奈良県橿原市の亀田忠彦市長はAERAdot.の取材に、


「私も旧統一教会の関連団体とは知らずに参加して反省しています。その時点では、小林先生が司会されているような団体なのでまったく問題ないと思っていました」


 と話している。


 昨年の自民党総裁選で、岸田首相と総裁の椅子を争った河野太郎消費者相は、霊感商法に関する検討会の設置を消費者庁に指示。


「さまざまな問題があるので、きちんと対応する必要がある。今は霊感商法でなく、寄付が多いともされるが、最初に持ち込まれるのは消費者庁でしょうから対応すべきだ」


 との方針を示した。


 前出の自民党の閣僚経験者が話す。


「(岸田首相は)旧統一教会の関連を排除しようとしたが、旧統一教会の食い込みが深すぎて、排除できないまでになっていたというのが正直なところではないか。今、世論は正直、与党か野党かじゃなくて、旧統一教会かそうではないか、それに二分されている感がある」


 自民党本部の政調担当を長く務めた、政治評論家の田村重信さんは、


「岸田首相も旧統一教会の問題を引きずらないように、内閣改造に踏み切った。だが、選ぼうにも旧統一教会がガッチリと食い込んでいたことと、あまりに世論に影響を及ぼすことで面食らったように思う。今、岸田首相は『黄金の3年』を手に入れたともいわれるが、旧統一教会の問題で失敗すれば、政権の進退にかかわる。それくらいやばいと党内でも声が出ている」


 と話した。


(AERAdot.編集部・今西憲之)


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