「ダンメモ」5周年イベント「ナイツ・オブ・フィアナ」を“ネタバレあり”で語り尽くす― 原作者・大森藤ノと声優・田村睦心は「思い出しただけで泣ける」【対談インタビュー・後編】

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2022年08月16日 12:52  アニメ!アニメ!

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写真『ダンまち〜メモリア・フレーゼ〜』偉大冒険譚ナイツ・オブ・フィアナ(C)大森藤ノ・SBクリエイティブ/ダンまち4製作委員会(C)WFS Developed by WRIGHT FLYER STUDIOS
『ダンまち〜メモリア・フレーゼ〜』偉大冒険譚ナイツ・オブ・フィアナ(C)大森藤ノ・SBクリエイティブ/ダンまち4製作委員会(C)WFS Developed by WRIGHT FLYER STUDIOS
TVアニメ『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか(ダンまち)』のスマートフォン向けRPG『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか〜メモリア・フレーゼ〜(ダンメモ)』内において、リリース5周年を記念したイベント「偉大冒険譚ナイツ・オブ・フィアナ」が配信中だ。

本イベントは、原作者・大森藤ノ先生書き下ろしによる古代の英雄「フィアナ騎士団」の活躍を描く、3部からなる物語だ。

監修とシナリオを担当した大森先生と、今回のイベントの主人公、「ディム/フィン」を演じた田村睦心さんの対談後半は、本編のネタバレありの内容でお届けする。
お2人のお気に入りのシーン、あの名場面の裏側など、赤裸々に語ってくれた。

対談インタビュー前編はコチラ

■復讐に燃えるフィンの二面性

――1部ではディムだった少年が2部ではフィンと名乗り異なる側面を見せていくことになりますが、このあたりの変化や成長などどのように演じて表現されたのですか。

田村:声のトーンなどはわかりやすく変えていますが、あとは本当にシナリオのまま、台詞の感情に沿って演じているので、こちらであえてこうしてみようというのはなかったです。復讐に固執して手段は選ばない冷酷な面を出せたらいいなと思ったんですが、私は声質がわりと正義っぽい感じで、いつも演じる役柄もそういうタイプが多いですから苦労しました。

大森:今回のテーマの1つで、フィンは復讐のために、みんなの前では勇者であろうとしている二面性を出そうと思っていました。人間であろうとしている怪物というか、現世のフィンとは違う“裏表”があって。

村を助ける場面とか、「ディムはもう死んだ」と語るシーンは、彼が私の手を離れて自発的に葛藤してくれた感じで新鮮に書けました。今回、ディム/フィンという1人のキャラクターの人生を通じて、初めて大河ドラマを書けたなという気持ちになったんです。これ以上のシナリオは今の私には書けないと思っていますし、すごく良い経験を積ませてもらいました。

田村:ディム/フィンの心情が手に取るようにわかる感じで、私は本当に(シナリオに)導かれるままにしゃべるだけでした。

大森:私も今回は特に、声優さんに導かれている感じがあります。フィンとラザルのやり取りを書いている時、石谷(春貴)さんと田村さんの声が頭に響いてくれて。ゲームにはト書きがなく台詞だけで表現するので難しい面もありますけど、今回は台詞がスムーズに書けたのは、5年間一緒にやらせていただいたのも大きいと思っています。

田村:ありがとうございます。ただ、2部でフィンとなってからもギャグシーンがあるので、その整理のつけ方は難しかったです。

大森:フィンのままギャグシーンを演じるのは、確かに酷かもしれない(笑)。今回の物語は全体的に明るくないので、バランスのために隙あらばギャグを入れようと思っていました。でも、演じる方にしてみれば大変ですよね。

田村:いえいえ、楽しかったですよ! フィンはラザルに対してにこやかに接したと思えば、実際には心は腐りきってたり、突然の出来事に悲鳴を上げた次の瞬間には復讐鬼に戻っていたりと、ギャップをどう処理しようかなと考えました。

それこそ、復讐を果たしたあとは、虚無でいつ死んでもいいという感じで、ただ寝て朽ちていくみたいな気持ちで演じました。自ら死に向かうエネルギーもない状態というか、しゃべるのも億劫みたいな感じで。

大森:そこに、高橋ミナミさん演じるエルミナがやって来るというオチ。

田村:強引に目覚めさせるという(笑)。

――現世のフィンとティオネの関係を知ってると面白いシーンですよね。

田村:そうなんです。気が付いたら隣にいるのって怖いですよね(笑)。そして、登場はすごくカッコいいのに、結局ギャグキャラになるのも、そうだよなあという感じで(笑)。

大森:ラブコメは本当に死ぬほど苦手ですけど、エルミナは純粋無垢にかわいく書けたかなと思います。

田村:暗い展開の中、あそこで一気に明るくなるのが良くて、あの純粋さに触れたからフィンもほぐれていくんですよね。あの展開はキュンとしました。

■今までのエピソードに仕込んでおいたネタ

――エルミナの話が出ましたが、今回のイベントに登場するキャラクターはどのように決めましたか?

大森:小人族のキャラクターは元々少ないので、全員出すと決めていました。後は「アルゴノゥト」の10年後の物語ということで、2周年イベントから続いて登場するキャラクタ―も出そうと。そして、「フィン」を語るならラウルによく似てる誰かも外せなくて、彼を出すとなれば、アナキティによく似てる女の子も必要だなという感じで、今回はあまり悩まなかったです。

あとは、3周年イベント「アストレア・レコード」を書いたおかげでヘルガやゴォールたちというキャラが生まれました。2周年だけでなく3周年、さらには4周年「アエデス・ウエスタ」からエピメテウスも登場していますし、本当に今までのシナリオあっての「ナイツ・オブ・フィアナ」になりました。

田村:あそこでエピメテウスが出てくるの、すごく感動しました。

大森:エピメテウス登場の仕込みは4周年の時にもう済ませておいたつもりなんです。エクストラエピソードで盲目の詩人がエピメテウスを訪れるシーンがあるのですが、あの場にフィーナとオルナもいて説得しているから、今回のあの場面で来てくれました。ですので実は、エピメテウス役の江口(拓也)さんには去年の段階で今回の収録をさせていただきました。

田村:そんな前から仕込んでいたんですね! エピメテウスは出番が短いけどすごくインパクトのある登場でしたね。

大森:ずっとやりたかったシナリオということもあり、かなり前から構想は決まっていたんですよね。それこそ2周年の頃くらいには。

――フィンの復讐相手には、現世の関係的に、やはりグラニアがいいと思ったんでしょうか。

大森:話をコンパクトにしようと思っていた関係で、そこは最後まで悩んだ部分です。削ろうかな〜って。敵キャラクターを出すとそちらの事情も書く必要があって、ボリュームが膨れ上がってしまいますから。でも、やっぱり敵キャラがいたほうがいいとスタッフさんから助言をいただき、コ―マック王以外にも復讐対象を出すことにしました。

田村:フィンとグラニアが誓約(ゲッシュ)のやりとりするシーン好きですね。これが現世につながるのかと。

大森:「俺に届くことなく、お前は俺の『猟犬』に殺される」ですね。ここは田村さんの芝居が素晴らしくて、本当にゾクゾクしました。

田村:「猟犬に殺される。そういうことかー!」って家で叫んでました。(注:原作『ダンまち外伝 ソード・オラトリア』7巻につながる)

大森:フィンの元ネタは、フィン・マックールというケルト神話の登場人物ですが、猟犬のエピソードがあって、それをキーワードとして使いたいとずっと考えていました。
そういえば、田村さんにアルキティーネについてお聞きしたかったんです。フィンが後半になるにつれて本性を現し、結果、アルキティーネが女王となりますけど、田村さんはフィンと彼女の関係をどう思われますか。

田村:フィンが彼女を復讐に利用するところですよね。確かに利用する形にはなりましたけど、最終的には彼女がいるべきポジションに戻してあげたとも言えるし良かったんじゃないかと思いますよ。

大森:フィンとアルキティーネはお互いにドライで利用しあっているんですけど、ラザルが実はあの2人をつないでいるんです。その結果、2人でラザルを取り合っている感じになりました(笑)。

田村:確かにそんな感じですね、正妻と……。

大森:フィンは元カノかな(笑)。今の彼女のために自分はもう行くね、でもラザルは「行くなー!」みたいな。

田村:アルキティーネがラザルに死んでほしくないと言っているのを聞いてしまった、元カノのフィンが最後に……。

大森:そう考えるとめちゃくちゃ脳汁がドバドバ出ますね。

■田村「家で台本読んだだけで泣ける」



――お2人のお気に入りのシーンはありますか?

田村:私はフィンが勇気を問うところですね。アルゴノゥトを引き合いに出して。あそこはやっぱり鳥肌立ちました。

大森:PVでは「勇気を問おう」ってずっと言っているのに、最後のほうまでなかなか問わなかったところでようやく、というシーンですね。

田村:あれは、勇気を奮わせられます。あの台詞を言えたのもすごく嬉しかったですし、アルゴノゥトってやっぱりすごいんだと改めて感じました。

大森:アルゴノゥトありきのフィアナ騎士団の物語になってるのが嬉しいような申し訳ないような感じですね、個人的には。今回、フィンはあまり演説させないよう、意図的に抑えて、最後の最後のそのシーンだけにしようと思ってたんです。途中、復讐鬼になっているのもありますが、最後の一発を印象的にさせようと思って。

――そんな意図が含まれた演出だったのですね。ちなみに大森先生はどのシーンが浮かびましたか?

大森:私のお気に入りのシーンはたくさんあって、1部ならシナリオを書く前は、ディムとフィネガスが会うところがハイライトかなと思っていたんですけど、ディムが初めて「前に」突っ込むところは、田村さんの芝居のおかげでそこを超えるものになりました。2部はフィンの復讐が成就するところ。3部はやっぱり「前へ」かな。ここは一番書きたかったシーンですし、何年も貯めていました。

2周年の「アルゴノゥト」の時、木村(珠莉)さんに「エルフ、獣人、ドワーフ、アマゾネスが出てくるのに、どうしてパルゥムはいないんですか」と聞かれました。どうしても書きたい物語があって、と答えさせてもらったんです。それぐらい、ずっと書きたかったお話で、読み返した時は自分でも泣いてしまいましたし、今も泣いちゃいますね。

田村:私も思い出しただけで泣けてきます。収録の時だけじゃなく、家で台本読んだだけで泣けましたよ。読んだら感情がぐちゃぐちゃになって眠れなくなりましたもん。

大森:作家として、フィンという人物の物語を書けて本当に良かったと思います。

田村:私も書いていただいてめっちゃ嬉しいです。

大森:2人で号泣しているという、本当に謎の対談になっちゃいましたね(笑)。

田村:感情を爆発させる対談ってあまりないですからね。

――最後に、6周年に向けて一言お願いします。

大森:6周年の内容もすでに決まっていますから、あとは突き進むだけです。スタッフさんと一丸となってやっていきたいと思っています。シナリオだけではどうにもならない部分があるので、演出で助けてもらいながら、今まで以上のものができるように頑張ります。

田村:すごく楽しみです。私も今回のストーリーで気付かされたものを今後の芝居に活かしていきたいと思います。

※高橋ミナミさんの高は、はしごだかが正式



◆アニメ「ダンまちIV 新章 迷宮篇」放送中



ABEMA:7/21より毎週木曜23:00〜<地上波先行・独占先行配信>
TOKYO MX:7/22より毎週金曜25:05〜 BS11:7/22より毎週金曜25:30〜 
AT-X:7/25より毎週月曜22:30〜※リピート放送あり ほか、各種配信サービスにて配信開始

(C)大森藤ノ・SBクリエイティブ/ダンまち4製作委員会(C)WFS Developed by WRIGHT FLYER STUDIOS

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