トロロッソF1に「新しい血とアイデア」を持ち込んだベッテル。トスト代表はその仕事ぶりに将来の飛躍を確信

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2022年08月17日 05:20  AUTOSPORT web

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セバスチャン・ベッテル(トロロッソ/2008年)
アルファタウリのチーム代表であるフランツ・トストは、セバスチャン・ベッテルがF1で大きな成功を収めるだろうと、ごく初期の段階で確信していたと述べている。

 ベッテルは、2007年のシーズン中にBMWザウバーで負傷したロバート・クビサの代役を1戦だけ務め、その後トロロッソ(現アルファタウリ)に加入。この時、トストはチーム代表を務めていた。ベッテルは2008年までチームに留まり、雨のイタリアGPでは初優勝を飾った。翌シーズンには、レッドブルに昇格した。

 そこからのことはよく知られているとおりだが、あの時点でベッテルに何かを見出していたトストにとっては驚くことはなかっただろう。

「我々のところに来た彼は、新しい血とアイデアを持ち込んだ。彼は非常に要求が厳しく、多くの質問をした」と今週トストはF1公式サイト『Formula1.com』に語った。

「彼のした質問は、若手ドライバーにしては本当に優れていた」

「彼はF1に100%専念していた。細部まで掘り下げたものだが、それは非常に重要なことだ。それに最初の頃、我々はマシンにいくつか問題を抱えていたが、彼は常に機嫌がよかった」

「彼はチームを前へとプッシュした。その結果、当時のスクーデリア・トロロッソとともに彼はモンツァのレースで優勝した。初の優勝で、トロロッソにとっても初めての優勝だった。彼の仕事のやり方を見れば、真の大物ドライバーになるだろうことは私にとっては明確だった。そして彼は4度の世界チャンピオンになったのだ!」

「彼が正しいタイミングで正しいチームにいれば、F1で世界チャンピオンになれると私は確信していた。そしてこの場合はレッドブル・レーシングだった」

「その後フェラーリでも彼は大きな成功を収めた。フェラーリに多くの優勝をもたらした」

 現在はブランド変更によってアルファタウリとなったチームの代表を務めるトストは、35歳のベッテルが今シーズン末でF1を引退するという発表の後で、彼がいないことを寂しく思うだろうと語った。

「彼がいなくて寂しく思うだろう。もちろん個人的に何度か会ったが、彼は素晴らしい性格の持ち主だ。常にオープンで、そして実際に大成功した」

「彼と彼の家族のこれからの幸せを祈りたい」

 ベッテルの引退は、F1のドライバー市場に驚くべきドミノ効果をもたらした。フェルナンド・アロンソがアルピーヌを離れアストンマーティンの空いたシートを獲得することになったのだ。アルピーヌのスポーティングディレクターを務めるアラン・パーメインも、引退する4度の世界チャンピオンへの敬意を表した。

「コース上で彼とやりあったものだが、もちろん彼はどう猛だった」とパーメインは昨年のハンガリーGPを振り返って語った。ベッテルは、レースリーダーで最終的に優勝したエステバン・オコンをフィニッシュにいたるまでずっと猛追していた。

「エステバンの後ろに彼がいる状態で70周の間、私は自分の座席の端に座って過ごしていた。エステバンがラインを外したり足さばきを間違えたら、セブ(セバスチャン・ベッテルの愛称)はそこにいて飛びかかってくると分かっていた」

「だから我々は彼に究極の敬意を抱いている。マシンを降りると彼は純粋な紳士なんだ」

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