8月末のTCR実戦デビューに向け、アルゼンチン発『トヨタ・カローラGRS TCR』が本格テストを実施

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2022年08月17日 06:50  AUTOSPORT web

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写真8月上旬にアルゼンチンのコルドバ州北部、アルタグラシアに位置するアウトドローモ・オスカー・カバレンで広域テストを実施した新型『トヨタ・カローラGRS TCR』
8月上旬にアルゼンチンのコルドバ州北部、アルタグラシアに位置するアウトドローモ・オスカー・カバレンで広域テストを実施した新型『トヨタ・カローラGRS TCR』
 南米大陸でトヨタのモータースポーツ活動を牽引するTOYOTA GAZOO Racingアルゼンティーナ(TGRA)と、その母体であるトヨタ・アルゼンティーナは、7月に正式なTCR認証を取得したばかりの新型『トヨタ・カローラGRS TCR』の本格テストを実施し、契約配下のマティアス・ロッシとホルヘ・バリオがドライブを担当。8月27〜28日にテルマス・デ・リオ・オンドで開催されるTCRサウスアメリカ・シリーズ第6戦での実戦デビューに向け最後の仕上げを行った。

 アルゼンチンの人気ツーリングカー選手権、スーパーTC2000(STC2000)での活動や、同国を中心としたシルエットストック、さらにピックアップ・トラック選手権のみならず、国内ラリー選手権での活躍など広範囲なプログラムを遂行するTGRAは、今から約2年前に開発計画が公となった新型TCRモデルの実戦前“最終仕上げ”を敢行した。

 8月初旬に実施された広域テストでは、地元のSTC2000/TC2000で通算4度のタイトルを獲得し、現在は隣国ブラジルに越境してSCBストックカー・ブラジル“プロシリーズ”を戦うエース、ロッシの手でプログラムを進行。その傍らには、今季STC2000でトヨタ陣営に加入した18歳のホルヘ・バリオも帯同し、大ベテランの仕事ぶりを隣で学ぶ機会も設けられた。

「このタイプのクルマをテストできるのは、いつでも素晴らしいことだね。なぜなら、このマシンはアルゼンチンで製造され、いつかはWTCRを走らせるべく世界に向け羽ばたく1台なんだからね」と、12月のシェイクダウンでもステアリングを握っていたロッシ。

 エアロダイナミクスや電子制御デバイス類を含め、世界最速の「FFツーリングカー」を標榜するSTC2000で活躍したのち、今季は参戦2年目のSCBでリヤ駆動のストックカーを走らせて2勝を挙げ、同国で『もっとも成功した外国人ドライバー』の称号を得たロッシは、このオスカー・カバレンのテストでもカローラに好印象を抱いたという。

「このクルマは現段階でも優れたバランスを保っている。すでに車速の高いハイスピード領域で非常にうまく機能しており、テストを通じて低速域でも良いパフォーマンスに向かっている。STC2000ほどではないにせよ、非常にパワフルな前輪駆動車であることを踏まえ、サーキットでの感覚をステアリングに伝えることが最大の難関だ」と続けたロッシ。

■オーストラリアへの投入も期待されるカローラTCR

 一方、今季STC2000の新星として活躍するバリオは、直近に迫った実戦デビューを前に「クルマを構成するもの、見るものすべてが初体験に近いテストだった」と振り返った。

「クルマには修正が必要な部分がいくつか見つかったけれど、これはレースではないし、クルマを改善するためのテスト日に現れるごく通常の要素だ」と、落ち着いた様子で語ったバリオ。

「セッション終盤には良いバランスを見つけたから、このカローラがとても良く走り、速いマシンであることを知ってホッと落ち着いた気分だよ。今後は信頼性と耐久性に注目しつつ、テルマスに到着するころには非常に速いクルマに仕上がっているよう、集中して取り組んでいくつもりだ」

 一方、同じ南半球でTCRシリーズを主催するオーストラリアン・レーシング・グループ(ARG)の代表マット・ブレイドCEOは、地元専門メディアの『speedcafe.com』に対し、この新型『トヨタ・カローラGRS TCR』が「近い将来、我々のTCRオーストラリア・シリーズに参加する可能性があることに自信を深めている」と語った。

 2022年で創設3年目を迎えた同シリーズには、現在アルファロメオ、アウディ、ホンダ、ヒョンデ、プジョー、フォルクスワーゲン、ルノー、そしてGMオペル・ブランドのバッヂエンジニアリングとなるホールデンの都合8マニュファクチャラーが参戦している。

 もちろん、各車両ともカスタマーレーシング部門を通じてシリーズに参戦しているが、ブレイドCEOは「トヨタがオーストラリア国内でもNo.1の販売ブランドであり、そこにTCR規定を採用したツーリングカー・シリーズがあることを知ったら、トヨタを代表してもらいたいと思うのが当然だろう」と、その胸の内を明かした。

「我々はそれを非常に注意深く見守っているし、エントラント側の関心も高いと思う。地元ではそうした人々が、しかるべき部門に適切な質問を投げ掛けていることも知っている。我々としては事の推移に対し、指をクロスさせて祈るばかりだ。もちろん、グリッドにトヨタが並んでいる光景を見ることになるだろうね」

 一方、地元のTGRオーストラリアとの提携で、国内選手権に『トヨタGRヤリスAP4』を投入するハリー・ベイツは、この車両がTCRオーストラリアに参戦する場合、トヨタとチームを組むことに関心を示している。

「明らかにトヨタ(のTCR規定モデル)が登場するのは本当にエキサイティングだし、いつの日かオーストラリアで見られることを願っている」と続けたベイツ。「と言いながら、すでに僕らは確かにここオーストラリアにその1台を入れることについて話し合っている。少し様子を見てみたいと思うし、楽しみに待っていて欲しい。僕はこのカテゴリーが大好きで、いつかはTCRに参戦したいと思っていたんだからね!」
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