松屋銀座の化粧品売場が2割増床 SUQQUなど新ブランド導入、メイクサービス拡充で「館のファンを育てる」

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2022年08月17日 14:02  Fashionsnap.com

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順次リニューアルを進めている松屋銀座 1階化粧品売り場

Image by: FASHIONSNAP
松屋銀座の1階化粧品売場が、8月から順次リニューアルしている。新規7ブランド、リニューアル6ブランドを導入し、売場面積120%の約762平方メートルとなった。8月17日に「アールエムケー(RMK)」「シュウ ウエムラ(shu uemura)」「スック(SUQQU)」が新たにオープンし、「アンプリチュード(Amplitude)」「M・A・C(メイクアップ アート コスメティックス)」「オブ・コスメティックス(Of cosmetics)」はリニューアルオープンした。アフターコロナを見据え、カラーメイクを拡充し、コロナ禍で需要が伸びたフレグランスを強化。ジェンダーレスに人気を集めるブランドの誘致や、インバウンドの回復を見越した展開へと生まれ変わった。店頭の魅力を高め、館のリピーターを育てるためのイベントやサービスも導入する。売上目標はリニューアル後半年で前年同期比115%(インバウンドを除く)を目指す。

 松屋銀座では、化粧品購入の20〜30代の割合が2019年は1桁程度だったところ、直近で26%に拡大。また、コロナ禍で特にラグジュアリー部門が伸長した。こうした背景を踏まえ、さらなる若年層顧客の獲得およびリピーターに育てるための入り口として化粧品フロアを強化。松屋銀座の三原薫子 化粧品担当バイヤーは、「百貨店の化粧品売り場は、従来50代以上のお客さまを中心とした高価格帯スキンケアが強みだったが、コロナ禍でラグジュアリーブランドのコスメで若年層を獲得した。多様化する販売チャネルと差別化し、お客さまの購買ニーズに応える売り場づくりによって、館のファンを増やすことが化粧品フロアの新たな使命だと考えている」と話す。
 増床リニューアルでは、Z世代から人気が高いアールエムケー、シュウ ウエムラ、「ディプティック(diptyque)」(8月5日オープン)、「オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー(OFFICINE UNIVERSELLE BULY)」(8月31日オープン)を導入。ディプティックやオフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリーは、コロナ禍でも堅調だったフレグランス強化も担い、そのほか「ノーズショップ(NOSE SHOP)」(8月29日オープン)が百貨店初の店舗を出店する。なお、スックやシュウ ウエムラ、アールエムケー、ディプティックなどはインバウンド回復後の人気を見据えての導入だという。
 また、オンライン会議の普及などで映りを良くするためにコンシーラーなどベースメイク品を購入する男性が増えたことも踏まえ、ジェンダーレスな商品ラインナップを意識。「シュウ ウエムラやM・A・Cではベースメイクアイテムが男性にも人気。フレグランスやライフスタイルアイテムはジェンダーレスで手に取りやすく、ギフト需要も高い。まずは、商品ベースで『ここに来れば欲しいもの、良いものが購入できる』という売り場を作り、タッチアップやメイクアップイベントなどのサービス面でも男性が来店しやすい方法を模索していく」(三原 化粧品担当バイヤー)。なお、松屋カードの男性顧客における化粧品の売上額は、2017年比で134%に拡大。30〜40代が110%、50代が204%とミドル・シニア層の化粧品購入も活発化していることから、ビジネスマン向けのセミナーなどのサービスも視野に入れる。
 オンラインとの差別化として、店頭サービスを拡充。毎月、館共通のテーマを設定した無料のメイクアップレッスンを実施する。8月は「ベースメイクのお直し」をテーマとし、各ショップの美容部員がテクニックをレクチャー。毎月の共通テーマは、季節のニーズや新製品プロモーションなどを掛け合わせ、需要を喚起していく。また、パーソナルカラー診断サービスやプロのカメラマンによるメイク後の撮影サービスといった百貨店ならではの体験価値を提供する。
 新規ブランドやサービスで獲得したファンを育てるための新たな施策も始める。トライアル始動した「コスメサークル」は、公募者に実施前のメイクアップ・スキンケアレッスンや、新商品プロモーションのモニター活動をしてもらい、サービス向上のためのフィードバックを得るほか、参加者個人のSNSで発信してもらうことでファンコミュニティ形成を目指す。現在は10名程度でクローズドに活動し、運用方法を精査していく。「化粧品のファンの方々は非常に熱量が高い。お客さま視点でサービスやプロモーションに対してフィードバックしていただくことで、より質の高い体験を提供していく」とコメントした。
 「コロナ禍で化粧品業界は打撃を受けたものの、その中でメンズコスメのニーズ拡大やフレグランスの伸長など新たな動向も生まれ、若年層のお客さまとの接点も増えるなどチャンスも見出せた。これを契機として、松屋銀座でのお買い物を長期的に楽しんでいただくファンを育てていきたい」と期待を寄せた。
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