「役立たず!」「仕事せぇ」保健所への苦情に「心が削られていく」と現場の声 しわ寄せは最前線に…電話が鳴り止まない苦境を大阪府職労に聞いた

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2022年08月18日 07:20  まいどなニュース

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写真仕事とはいえ、鳴り止まない電話に、投げかけられる酷い言葉に…。イラストはイメージです
仕事とはいえ、鳴り止まない電話に、投げかけられる酷い言葉に…。イラストはイメージです

新型コロナ感染の第7波など、医療体制の逼迫した状況が続くなか、「大阪府職労」公式アカウント(@fusyokuro)が投稿した悲痛な訴えに、現場状況を案ずる多くの声が寄せられています。担当者に話を聞きました。

【写真】保健師から届いた実際の訴え

「保健師の声『鳴り止まない電話』 一日中、電話が鳴り止まず、ハラスメントに近い電話も増えています。「7波目なのに何してるんだ」「ちゃんと仕事せぇ」とか。話を聞いて対応すると説明しても「役立たず!」と言い捨て電話を切られることも。頑張ってる意味がわからなくなり、心が削られていきます」。

リプ欄には「困難な状況のしわ寄せはいつも最前線の現場戦争 医療 教育…問題はシステムや戦略にある場合がほとんど」「クレームという名の威力業務妨害です」「電話の一時受はコールセンターで引き受けたらいいのになぁ。保健師さんたちには別にちゃんと仕事があるので、余計なことに気持ちを削られるのは良くないとおもう」「かなり心が悲鳴あげてるから勇気出して休んでくださいね」など、現場を心配する声が続々。

実際に電話をした人からは「自分が受けた保健所の方に ちゃんとお礼を言えなかったからここに書きます。パニックでお礼が言えなくてごめんさい。ありがとうございました!」「実際自分がなってどこに電話しても繋がらない。教えてもらった番号も既に知ってる。それでも話を無理に遮ることなく聞いてくださいました。電話の向こうはベルが鳴りっぱなし。切るときもこちらこそすみません。お大事になさってくださいと。その言葉がすごく嬉しかったです」など、感謝の言葉も。

それと似たような経験を共有する人もおり、「お察しします。私も同様の経験があり、電話音を聴けなくなるところまで追い込まれました。現場の皆様の声が報道を通じて伝わるといいですね」と、心への負担が体に不調をきたす可能性も示唆しました。

保健師1人が40〜50件対応するケースも

府庁や病院・研究所等の独立行政法人など、大阪府に関係する職場で働く人のための「大阪府関係職員労働組合」(大阪市中央区)の担当者に、この投稿をした背景を教えてもらいました。

――どちらに所属する方から、どのような状況で今回の声があがってきましたか?

大阪府の保健所(現在府内に9カ所)の保健師です。この間、私たち府職労では、現場の保健師や職員の声を聞き、その声を発信しつつ、職員の過労死ライン超えの残業解消のため、キャンペーンなどに取り組んでいます。そうした取り組みの中で寄せられた声です。

――最近の保健所では、1日に約何件の電話がかかってきますか?

保健所の規模(管轄人口)によって違いますが、以下はある保健所の保健師に聞いた話ということで、ご理解ください。代表電話にかかってくる電話の相談だけで保健師1人が40〜50件くらい対応しているとのことです。その合間に、周りの方が受けた相談のサポートも合わせるともっと増えるという状況です。

――電話の件数の比較について、7月中旬以降に感じている変化は?

第7波に突入した途端、電話量が3倍、5倍…と増えていった記憶があり、朝9時になったら一斉に電話が鳴りだし、午前中(特に11時くらいまでは)は基本鳴り止まない。昼になると、加えて検査結果の判明した人たちからの相談の電話が入り始めるという状況です。

また「府が外部委託で設置しているSOSコールセンターや配食サービスに電話が繋がらない」「(保険金請求のため)療養証明書を発行したいが、ハーシス(コロナ感染者等 情報把握・管理支援システム)の操作方法教えてほしい」などの相談が多数寄せられています。

――大変な勤務状態が続いているのですね。

勤務時間内は電話対応でほぼ手一杯なので、やらなくてはいけない業務ができるのは、勤務時間が終わって電話が止まってから。そこから2〜3時間の残業は当たり前という状況になります。もちろん、もっと長く深夜まで残業している保健師、職員もいます。

――公式サイトで、保健所の休日などの「持ち帰り電話対応」というのが気になりましたが。

大阪府では保健師が当番で公用携帯を自宅に持ち帰り、急変したり不安のある患者さんの対応や救急隊からの電話対応をしています。

――常に対応が求められるのですね…。どんな内容の相談が多いですか?

相談の内容は多岐にわたりますが「医療機関に電話が繋がらない。受診を断られた。確実に行けるところはどこか?」「往診やオンライン対応をしているところを教えてほしい」という電話も増えています。

保健所としても、発熱外来をやっている所をお伝えすることしかできず、保健所管外の医療機関等については「府のホームページ等を見て当たってほしい」としかお伝えできず、「役に立たない」「何もしてくれない」と言われることも多いそうです。

――改めまして、投稿以外でも府民へ知ってほしい事はありますか?

いま、私たちは『いのち守る33キャンペーン』を実施しておりまして、保健師をはじめ自治体職員が過労死ラインを超えて働かざるを得ない現状をちゃんと規制してほしいという思いで、厚生労働大臣、総務大臣あてのオンライン署名なども進めています。このキャンペーンへの賛同を多くの方に呼びかけたいと思っています。

◇ ◇

新規陽性者数が増えるなか電話がつながらず、不安からイライラが募ってしまうこともあるとは思います。しかし、助けてくれようとしている電話の相手に怒ったり、イライラしたところで、状況はなにひとつ改善しません。一拍置いて話すように心がけるだけで、スムーズに会話を進め、互いの対応時間も減ることでしょう。

そして現状を憂えた人は、今年の5月に始動した『いのち守る33キャンペーン』についてご確認を。こちらは大阪府・京都府で働く仲間と労働組合が力を合わせ、厚生労働省に「労働基準法第33条にもとづく時間外勤務に上限規制を設定させること」や、総務省に「自治体職員増員のための財政措置をさせること」をゴールにしている取り組みです。今回の投稿からも「公務の必要性がある」という理由で、際限なく働かなければならない実態での切実な訴えが伝わってきます。

(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・塩屋 薫)

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  • ますます仕事が滞るではないか。忙しいのに邪魔するなよ‥‥何考えてるんだろう。
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