これってまだ食べられるの? 非常食の賞味期限チャレンジ、やってみた

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2022年08月18日 16:32  ITmedia NEWS

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写真缶詰の底が膨らんでしまっているともう食べられない。中で腐敗してガスが発生しているのだ
缶詰の底が膨らんでしまっているともう食べられない。中で腐敗してガスが発生しているのだ

 防災用の非常食は最低でも3年、通常5年ほどの賞味期限があり、最近では7年の賞味期限のものも増えてきている。賞味期限が伸びること自体は歓迎できるものの、あまりにも長すぎる賞味期限でしまっていたことさえ忘れてしまい、引越しなどでようやくその存在を再確認するということすらありえる。



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 一方で、誤解されやすいのが、賞味期限と消費期限だ。



●賞味期限は切れてからが本番! そんなふうに考えていた時期が俺にもありました



 今回例に挙げたのは、およそ8年前に賞味期限がきたものだったが、実食テストをしたもの最も古いものだと12、3年前には期限切れになっていたものもあった。開封前にはパッケージを確認して、包装やパウチに穴が開いていたり痛んだりしていないか、内容物が染み出してきていないかなどを入念にチェックし、開封時に異臭(腐敗臭やカビ臭)がないかなどを確認している。食べる際も最初に少し食べて異常がなければ問題なしとした。



●缶詰は?



 この手順は、「SASサバイバルハンドブック(ジョン・ワイズマン著)」のジャングルで未知の植物を採取して食べる際の手順を参考にしているが、日常でも役に立つTipsの一例と言えるだろう。



 缶詰は、比較的長期間の保存にも対応するが、保管場所の問題(高温多湿などで容器が破損する)などいくつかの要因で中身が痛んでしまうことがある。一見して、缶が膨らんでいる、内容物が染み出しているなどの場合には食べられないと分かるが、缶が膨らまない腐敗もある。いずれの場合にもかなり不快な腐敗臭がするので食べたいとは思わないはずだ。



 「缶詰、びん詰、レトルト食品Q&A(保存性)」(日本缶詰びん詰レトルト食品協会)では、缶詰、びん詰、レトルト食品は、製造工程の中で加熱殺菌して腐敗の原因となる微生物を殺減しているので、新たに外部から微生物が侵入しなければ問題ないとしている。



 とある缶詰メーカーの人の話によると、倉庫の整理などで賞味期限を大幅に過ぎた缶詰が発見されることがあるそうだが、その際は立ち会った関係者で分け合うこともあるという。適切な環境で保管され、缶の状態が問題なければ、調理スープに長時間浸されたものはかなりおいしく「熟成」されているということだ。



 一方で、ジャガイモや里芋などの煮物やフルーツ缶は、賞味期限を過ぎるとボソボソになるなど舌ざわりや食味が落ちていると感じることもある。もちろん健康には問題ないのだがせっかくならおいしいうちに食べたいものだ。



 そういった味が落ちてしまった缶詰やレトルトでもおいしく食べられるように再生する方法もある。例えば、ジャガイモとコーンのベーコン炒めの缶詰と、レトルト食品のミートソースを野菜ジュースで煮て、カレールーを投入してカレーにしてしまうなどだ。加熱するは殺菌にもなるのと、どうせボソボソした食感ならルーに溶かしてしまえばいいというアイデアだ。



 ちなみに、非常食には缶詰、びん詰め、レトルトパウチ、フリーズドライ、アルファ化米など、いくつかの種類があるが、最も微生物が少ないのが加熱処理された缶詰、びん詰、レトルト食品などだ。フリーズドライは、乾燥しているので一見最も保存性があるように感じるが、残留する微生物の量としては加熱殺菌されたものに及ばない。



●フリーズドライ食品



 しかし、フリーズドライ食品は軽量でお湯だけで戻せるのと、最悪そのまま食べられるので避難バッグに入れておくタイプの非常食としては適している。



 フリーズドライ食品の中には25年以上の賞味期限のものもある。



 最近のアルファ化米は、従来の半分の時間(15分→7分)ででき上がるものも出てきた



 アルファ化米は、日本の伝統的な兵糧(ミリメシ)である「干し飯(ほしいい)」を起源とする非常食で、登山の携行食や防災用の非常食として親しまれてきた。国際宇宙ステーション(ISS)でも、宇宙飛行士が食べる「宇宙食」にも採用されるなど、その保存性、携行性には定評がある。



 五目ご飯やドライカレーなど豊富なメニューもあり、味も優れているが、熱湯を注いで15分待たなくてはならないという調理時間の長さがデメリットでもあった(水の場合は30分以上)。



 最近では7分でできあがるものも開発されるなど、アルファ化米も進化し続けている。日本人としてはどうしてもコメを食べたいだろうし、米はアレルゲンフリー食品でもあるので、非常食として何食分かは備えておきたい。



●管理が面倒な人は、ローリングストックの活用がベスト!



 非常食は、長い期間、賞味期限があるので先述のように保管中に賞味期限が切れたまま忘れてしまうこともある。非常用に備蓄しておき、賞味期限が過ぎたら入れ替えて食べていくのが本来の運用だが、数年おきに非常食が押し出されてきても持て余してしまうこともあるだろう。



 スーパーやコンビニで売られているレトルト食品は、温めればすぐ食べられるものが多く、保存も1年上の賞味期限があるので買い置き(ローリングストック)に適している。普段から食べ慣れているので非常時でも「いつもと変わらない普段の食事」がとれるのが良い点だ。



 同じメーカーの同じメニューでも、非常食(長期保存可能)と、日常の商品(一般的な保存期間)では、製法や味付けに違いがあるという。味付けに関しては好みもあるが、保存食のほうが味付けは濃い目になる傾向で、使用する素材も経年変化しにくいものに変更されている場合があるという。



 防災に対する意識や姿勢、それぞれの環境にもよるが、災害の状況が毎年変わる(想定される被害状況などが変化する)ような場合には、マイタイムラインの更新も頻繁にする必要があり、その度に備える内容も変わる可能性があるとすると、定期的に(毎年、夏、冬に適した内容にするなど)備えを更新する場合には、ローリングストックの方が適しているかもしれない。



 子育てや介護が忙しく、正直防災とかやってられないという人もいるかもしれない。それでも最低限備えるには、日々の食料備蓄を兼ねてのローリングストックにするのか、長期保存可能な非常食を備えて当面はそれでよしとするのか、マイタイムライン、各家庭での判断によるところもあるだろう。



●調理用の熱源も忘れずに



 非常食にしても、ローリングストックにしても、レトルト食品、フリーズドライ食品などを食べる際には、お湯で戻したり加熱して温める必要がある。一部常温でも食べられるように作られたものもあるが、それでも温めた方がおいしい。



 冬場など寒い時期には温かい食事が嬉しい。しかし、災害時はガスが止まって火が使えないこともある。カセットこんろがあったとしても、避難所(室内)では火気厳禁だったり、災害直後はガス漏れしていることも考えられるので災害当日から数日は火を使わなくても温められる対策があると安心だ。



 防災用のペットボトルならばヒートパックの加熱にも耐えてお湯が作れるので、アルファ化米やカップ麺、赤ちゃんのミルクなどにも活用できる。



 ガス漏れがないことを確認するなどして火が使える状況になれば、カセットこんろなども活用できるので、たくさんは必要ないが数日分は備えておきたい。



●非常用トイレも忘れずに



 食べるものがあれば、出てくるものもあるので、トイレの問題は常に考えていたい。



 過去の記事でも触れているが、トイレに行く回数は1日平均5回とされている。トイレの復旧は2週間以上先になると想定されており、仮に1カ月分とするなら1人150回となる。



 トイレに関しては別の機会に詳しく紹介したいが、ニュースなどで自分が住んでいる地域と似たような場所での災害報道を見聞きした際は、自分の住んでいるエリアで発生したらどのように避難するか、どう避難生活するかというのをシミュレーションする、残りわずかとなった「夏休みの自由研究」にするのも悪くないだろう。



(戸津弘貴)


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  • 最近中古ショップで加工食品あつかうようになったのな (´・Д・)」 ええんか食いもんやで?
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