6月の大事故から復活優勝のドラマを演じたロイド「今季BTCC最終2戦を欠場する」可能性を示唆

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2022年08月19日 07:40  AUTOSPORT web

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第5戦で復活の連勝劇を達成する"筋書きのないドラマ"を演じたダン・ロイド(Bristol Street Motors with Excelr8 TradePriceCars.com/ヒョンデi30 Fastback N Performance)
この6月に開催された2022年BTCCイギリス・ツーリングカー選手権第4戦で、高速域での大クラッシュにより肺へのダメージを負いながら、続く第5戦で復活の連勝劇を達成する“筋書きのないドラマ”を演じたダン・ロイド(ブリストル・ストリート・モータース・ウィズ・エクセラー8・トレードプライスカーズ.com/ヒョンデi30ファストバック Nパフォーマンス)が、その大事故による影響に対処するための経済的支援が見つからない限り「僕のBTCCシーズンは、次(8月末)のスラクストンで終了する予定である」ことを明かした。

 第4戦オールトンパークのレース3において、高速直線区間で発生した多重クラッシュにより救急搬送されたロイドは、迅速な処置により現場からメディカルセンターへ、そしてすぐさま地元の病院へと搬送されたのち、精密なX線検査とCTスキャンを経て、肺にわずかな損傷が発見される事態となった。

 その後、医療班とロイドが所属するエクセラー8・モータースポーツが慎重な経過観察を実施し、晴れて2週間後のクロフト戦に出場する許可が得られ、前述のとおり「誰もが予想外だった」連勝劇を飾って肉体的、精神的な復活をアピールすることができた。

 しかしチームはBMWとの接触により「43Gもの衝撃を受けた」ヒョンデを修復するべく、24時間体制での過酷なリペア作業を強いられ、その事故による損傷とNGTC規定車両修復の代償は10万ポンド(約1625万円)にも及んだという。

 この結果、2勝という華々しい戦果を挙げながらも、ロイドはこれまでのところ修理に必要な資金だけでなく「シーズンを確実に完走するため必要な金額の、約半分しか調達出来ていない」と明かし、9月以降のシルバーストンとブランズハッチGPに向けたバジェットが確保出来ない限り、8月末に開催される今季2度目のスラクストン戦が「2022年最後の出場になる」との見通しを語った。

「あのオールトンパークで遭遇した悪夢から、クロフトの2勝で立ち直れたのは素晴らしい出来事だった。ただし、シーズンを完走できるという点でも『大丈夫だ』という誤った印象を与えたかもしれない」と続けたロイド。

■まだ約5万ポンド足りない状況

「残念ながら、それは真実からかけ離れた予測であり、現状ではスラクストン戦が今季キャンペーンの本当に最後のレースになる可能性が高い。あの事故以来、僕らはいくつかの素晴らしいパートナーを新たに同乗させることができた。彼らが僕を支援すると決定したこと、そして既存のパートナーが状況をよく理解してくれたことに非常に感謝している」と語ったロイド。

「ただ難しい事実として、最後の2ラウンドに向け僕らが修理費を決済し、晴れてエントリーできるようになるには、まだ約5万ポンド(約812万円)足りないという状況にある」

 そのロイドは新スポンサー獲得の努力に加え、ファンが支援に参加できるようにする多くのパッケージも立ち上げた。

「今シーズンに始めたことを最後まで終えることができないという見通しは、胸が張り裂けそうだ。なぜなら僕は、チームと素晴らしい関係を築き上げてきたと感じているからね。僕らはこのヒョンデで大きな進歩を遂げ、フィールドの先頭でつねに戦いの輪に加われている。この競争の激しいBTCCのグリッド上でね」と、今季の連勝劇が4年前の初勝利以来だったロイド。

「絶対に諦めるつもりはないが、状況は非常に困難で危機的かつ決定的に時間がなくなって来ている。人々はクラウドファンディングが選択肢にあるかどうかを尋ねてくれたが、個人的にも他の誰かがそれを行ったことは知っていた。ただファンにお金を求めたり、その見返りに何かを提供したり……というのは、あまり快適だとは言えないよね」

「しかし、僕の努力をサポートしたいファンが支援することを可能にする場は、いくつかの新しいパッケージとして立ち上げた。それができる立場にいることを光栄に思う。他の方法ではアクセスできない特別な報酬も提供したいと考えているよ」

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