夜遅ラン、サウナ―、撮り鉄…まさかの熱中症体験に習う予防策は?【専門医が教える】

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2022年08月19日 10:01  ウートピ

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熱中症は高齢者注意と言われますが、糖尿病専門医・臨床内科専門医の福田正博医師によると、「重症にいたらなくても、数日の入院や点滴が必要なケースは、スポーツ選手や元アスリート、ビジネスパーソンにも多いのです。『自分は大丈夫だ』と思い込まれ、予防をしていなかったケースがあります」ということです。

そこで、熱中症を体験した20〜50代の人たちに、発症時の状況や思い当たる原因などを聞きとり、福田医師に原因と予防策を連載にて尋ねます。今回・第1回は、「日ごろの習慣や趣味で慣れている活動中に発症編」です。

暑さを避けた「夜遅ラン」で熱中症に

<29歳・女性・会社員>

学生時代はランニングの選手でした。近ごろはテレワークの運動不足解消に、また都心住まいなので人混みを避けるために、夏は気温が下がる24時過ぎに夫やラン友と近所で週に4回ほど、ランニングをしています。すると、寝つきが良くなるのです。

その日は少し睡眠不足でしたが、休日前なので距離を延ばしました。いつもより10分ほど多く走ったところで急に頭がぼおっとして、「あれ、眠い?」と思うとともに足がひどくもつれ、めまいと吐き気がしました。汗をかいてないのとろれつの異変に驚いた夫が脳の病気だと思って救急車を呼びましたが、熱中症でした。とくにのどは渇かず、スポーツドリンクをひと口飲んだ程度でしたが、ラン習慣中に「まさか…」でした。

福田医師:熱中症といえばカンカン照りの日差しのもとで発症するイメージかもしれませんが、夕刻、夜間、早朝でも高温、高湿度であれば起こりえます。この方の場合、夜といえども都心なら30度前後はあっただろう中、ランニングで体力を消耗し、睡眠と水分・塩分の不足が重なったのだと思われます。

熱中症の症状には、「めまい・立ちくらみ」「顔がほてる」「こむらがえり・筋肉痛・筋肉のけいれん」「ぐったりして力が入らない」「けん怠感」「頭痛」「吐き気・おう吐」「体温が異常に高い」「頭がぼんやりする」「尿の量が少ない」「発汗異常」などがあります。汗は「大量に出る」ケースのほか、「体温が高いのに汗をかかない」場合もあります。

また、「呼びかけに応じない」「何を話しているのかわからない」「歩けない」「けいれん」「水分補給が自分でできない」など、目安として、日ごろと様子が違う、自分で動けない場合は危険です。すぐに受診をする、救急車を呼ぶなどしてください。

サウナーが、サウナ中に熱中症に

<54歳・女性・公務員>
週に2・3回はジムでサウナに入り、夏休みには日差しと猛暑を避ける旅として「サウナ旅」を選びました。初期の糖尿病で、「軽めのダイエット」も目的のひとつです。

ところが、旅の2日目、昼食はジュースだけにして夕方にサウナと水風呂を3往復したところで、なんと浴場でおう吐し、頭痛ガンガン…。ホテルの人の手を借りてスポーツドリンクを飲み、体を冷やして休憩の後、夜間診療の病院へ。前日からカロリー制限とサウナを数回、また当日のサウナ中は水分も塩分もとっていませんでした。ホテルの人が「ときどきサウナ中に熱中症や湯あたりのようになられる人がいます」と…。

福田医師:朝食や昼食抜き、ダイエット中、サウナに何度も入って発汗という状況は、エネルギー不足、水分や塩分を含むミネラル不足で熱中症の誘因がそろっています。

また年齢に関わらず、糖尿病、高血圧、心臓や血管の病気がある場合は、熱中症になりやすいので十分に注意をしてください。

なお、水分摂取には塩分などミネラルも含まれるスポーツドリンクが勧められますが、糖分も多量に含まれています。熱中症予防とうたう飴やタブレットも同様です。糖尿病や高血圧の場合はもちろん、それらを予防するためにも、いずれも低カロリータイプを選んで、水と併用しましょう。塩分補給には、梅干しや塩昆布などもいいでしょう。スイカに少々の塩を振って食べるのも昔の人の知恵ですね。

撮り鉄が電車待ち中に熱中症に

<41歳・男性・公務員>
鉄道マニアです。気温33度ぐらいの残暑がきつい日、遠出を避けて近くのローカル線に撮影に出かけました。ただ、撮影予定の電車が電気トラブルで到着が遅れ、強い日差しで陽炎が立ち昇る線路を眺めながら、いまかいまかと40分ほど待っていました。すると突然に視界にモヤがかかって頭がふらふらし、体はかっかと火照っています。誰かの「大丈夫!?」という声は聞こえましたが応答できず、目覚めときには病院で点滴中でした。熱中症で、まさか自分が…と回復してからも驚いています。

電車を待ち構える間は集中し過ぎて、風も日陰もなくて汗はだらだら流れていましたが、水分をとることに気がまわりませんでした。同好の皆さん、気をつけましょう。

福田医師:趣味でもスポーツでも仕事でも、作業に集中していると、日差しを避けることや、水分・ミネラルの摂取を忘れることはよくあると思います。水分とミネラルはあらかじめ準備をして、趣味仲間、職場、身近な人と声をかけ合って、高温、高湿度の下での長時間の作業を避け、水分、ミネラルは休憩中はもちろん、「30分に一度はコップ1杯の水や低カロリータイプのスポーツドリンクを計画的に飲む」ようにしてください。

聞き手によるまとめ

撮り鉄さんは、「趣味に熱中して熱中症になった。不意をつかれた」とも話します。趣味や日ごろの習慣だから大丈夫と思い込んでいたケースはほかにもいくつも寄せられました。昼夜を問わずに高温時、睡眠不足、食事抜き、ダイエットは熱中症の誘因になることを改めて認識しておきたいものです。次回・第2回は仕事中の体験談に続きます。

(構成・文 藤井 空 / ユンブル)

このニュースに関するつぶやき

  • 走るなら心拍計をつけて、上限監視をするといい。高温下や酒飲んだ翌日は、驚くほど心拍が上がる。肝臓がエネルギーを作りづらくなるんだろう。
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