M!LK、メジャー第2弾シングルが自身初のチャート首位 多彩な楽曲群でグループの可能性広げる一枚に

0

2022年08月20日 10:01  リアルサウンド

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

リアルサウンド

M!LK『奇跡が空に恋を響かせた』

参照:https://www.oricon.co.jp/rank/js/w/2022-08-22/


 8月22日付のオリコン週間シングルランキングによると、M!LKの『奇跡が空に恋を響かせた』が29,029枚を売り上げて1位を記録。Liella!『追いかける夢の先で』が13,475枚で2位、秘密結社ニルヴァージュ∀『SUPER DRIVE』が11,311枚で3位と続き、M!LKが自身初の同ランキング1位を獲得した週となった。


(関連:M!LK、自信と結束を高めた5人が届ける新しい色合い 次なる目標を見据えたツアーへの意気込みも明かす


 『奇跡が空に恋を響かせた』はM!LKの通算13枚目(メジャーデビュー後としては2作目)となるシングルで、3形態あるCDジャケットはいずれも快晴の空の下で白い衣装に身を包んだメンバー5人の爽やかな姿が印象的。表題曲はドラマ『僕の大好きな妻!』(フジテレビ系)のオープニングテーマで、作詞を園田健太郎、作編曲を江上浩太郎が手掛けている。


 イントロの切ないピアノの旋律から、鋭利なシンセサウンドを軸としたEDM的アプローチを経て、サビでは力強いビートを刻むダンサブルなサウンドへと大きく展開。終始情緒あふれる爽やかな世界観の中で、ラストサビ直前の決め台詞〈やっと出会えたね〉で聴き手の心をがっちりと掴む王道のアイドルソングである。


 歌詞に目を向けると、要所で英語を使いつつも、日本語主体の言葉遣いが美しい。歌い出しのフレーズ〈真っ青な世界に眩しく描かれたストーリー/22°の先 君が微笑んでいる〉でしっかりと状況説明をしておき、そこから〈空〉〈打ち寄せる波〉〈雨〉といった青色にまつわるワードチョイスによって色彩豊かな表現を徹底している。


 Aメロでは〈22°の先〉にいた〈君〉は、Bメロでは〈指でたぐり寄せたい君の頬〉と触れられるほどの距離にまで縮まり、最終的に〈最初のキスを〉に至るまで、ワンコーラスの中で〈君と僕〉の関係性が変化。青色をベースとした季節感のある情景描写と、その中で変化する登場人物たちの距離感が緻密に描かれた一曲だ。


 MVではメンバー5人が見せる爽やかかつしなやかなダンスが印象的。昨年メジャーデビューも果たした彼らの勢いを感じさせるような映像に仕上がっている。


 一方で、通常盤に収録されているカップリング曲「シアワシェイク」は、アップテンポなパーティーチューン。歌い出しの〈フェリチータ〉〈クシー ハピネス〉〈オリ ルッカ ハミンギャ〉といった、意味よりは語感を意識した節回しがされており、音から言葉に至るまで、難しいことは考えずとにかく楽しもうといった解放感あふれる作りが面白い。またオーディエンス参加型の作りにもなっているため、ライブでの盛り上がりも期待できそうだ。作詞はイワツボコーダイ、作曲は松坂康司、編曲はeimiが担当している。


 また、初回限定盤の収録曲「最愛」は作詞・作曲・編曲すべてを園田健太郎が手掛けたバラード曲。ゆったりとしたリズムの上で、繊細なピアノと流麗なストリングスの響きに、メンバーたちの優しく語りかけるようなボーカルや力強いユニゾン歌唱がマッチしている。表題曲同様にこの曲も日本語主体の歌詞が美しく、とりわけ〈僕の両手が傘になる 君の涙を引き受けよう〉の一節は秀逸だと感じる。


 総じて、どの曲も見事に歌いこなすM!LKというグループの懐の深さを感じる。緻密な歌詞によるダンスナンバーを表題に据えつつも、解放感抜群のポップソングから、聴く者の涙を誘うようなバラードまで、異なるタイプの曲を集めた今作は、彼らの秘めたる可能性を押し広げたリリースだ。(荻原梓)


    ニュース設定