子宮内膜症は不妊治療の有無に関わらずハイリスク妊娠である

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2022年09月01日 23:00  妊活・卵活ニュース

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子宮内膜症とハイリスク妊娠
8月26日、シドニー大学ノーザンクリニカルスクール(オーストラリア)の研究チームは、「Human Reproduction」にて、子宮内膜症の女性の場合、自然妊娠あるいは不妊治療による妊娠を問わず、ハイリスク妊娠となるため、妊娠中は適切な医療介入が必要であると発表した。

子宮内膜症と妊娠結果における関係性
子宮内膜症は、妊娠結果に悪影響を及ぼすといわれる。また、複数の研究文献では、子宮内膜症に対する生殖補助医療の効果はないと報告している。

今回、研究チームは、2006年から2015年の期間、ニューサウスウェールズ州在住の妊婦578221人(15〜45歳、妊娠20週以上あるいは胎児の体重400g以上)を対象に、子宮内膜症と妊娠結果における関係性を検証した。

被験者を4グループ(子宮内膜症なし/不妊治療なし、子宮内膜症なし/不妊治療あり、子宮内膜症あり/不妊治療なし、子宮内膜症あり/不妊治療あり)に分けて妊娠率、出生率、母体罹病(罹患)率・死亡率を比較した。

子宮内膜症なし/不妊治療なしの女性群と比較したところ、他3グループは早産リスク(妊娠37週未満の出産)、分娩前出血リスクが増した。これより、子宮内膜症と不妊治療が、早産や分娩前出血のリスクを高める要因になることが認められた。

子宮内膜症あり/不妊治療なし、子宮内膜症なし/不妊治療ありの場合では、子宮内膜症なし/不妊治療なしと比べて前置胎盤リスクや計画分娩の可能性が高まったという。また、子宮内膜症なし/不妊治療ありの女性では、胎盤剥離リスク、母体罹病(罹患)率や低出産体重児率が増加したと報告された。

研究チームは、子宮内膜症の女性の場合、不妊治療の有無に関わらず、妊娠・出産、母体または胎児における健康上の問題や合併症を引き起こす危険性が高く、妊娠中は適切な医療サポートが求められると結論付ける。

(画像はHuman Reproductionより)

Human Reproduction

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