福祉・介護に関わる仕事10選!仕事内容、資格、やりがいを職種別に紹介

4

2022年09月07日 00:11  スタディサプリ進路

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

スタディサプリ進路

写真
「超高齢化社会」に突入した日本では、今後ますます高齢者が増加。

介護を必要とする人たちも増えていくなかで、福祉・介護職が果たす役割と人材の確保は、今まで以上に重要になると考えられている。

「人の役に立ちたい」という気持ちと同時に、高い専門性や資格が求められる仕事が多いこの分野。

どんな仕事・職場があるのかをまとめて見ていこう!

福祉・介護に関わる仕事とは?

福祉・介護に関わる仕事10選!仕事内容、資格、やりがいを職種別に紹介
出典:スタディサプリ進路

高齢化が進む日本で、よりいっそうニーズが高まる注目の仕事

高齢者や障がい者の食事・入浴・排泄などを手助けする「現場で身体介護などを行う仕事」、介護や援助が必要な人の相談に乗ったり介護プランを立てたりする「相談、アドバイス、ケアプランの作成をする仕事」、介護ロボットやケアプラン作成支援システムを開発したり、福祉用具を扱ったりする「福祉機器やサービスの開発・販売の仕事」など、身体介護を行うスタッフから相談員・技術者まで、介護・福祉に関わる仕事は幅広い。

専門性が高いことから、介護福祉士・社会福祉士・精神保健福祉士をはじめ、国家資格が必要な職種も数多くある。

現場で身体介護などを行う仕事

1.介護福祉士

高齢者や障がい者の食事・入浴・排泄・歩行などをサポートする専門家。

介護職で唯一の国家資格で、介護スタッフのリーダーとしての役割も担う。

受験資格を得るには、大学・短大・専門学校の介護福祉士養成課程を卒業することなどが必要。
●介護福祉士について詳しく知る

2.介護スタッフ

福祉施設や訪問介護などで高齢者・障がい者の日常生活のサポートを行う。

身体介護を行うには資格が必要で、入門編となるのが最短1カ月程度で取得できる「介護職員初任者研修」だ。

福祉・介護に関わる仕事10選!仕事内容、資格、やりがいを職種別に紹介
出典:スタディサプリ進路

※他人を思いやる心、人と人のコミュニケーションの大切さを日々感じられる仕事だ

3.児童指導員

児童養護施設や障がい児施設で、保護者の代わりに0〜18歳までの子どもを養育し、日常生活や発達・自立を支援する。

大学で、社会福祉学・心理学・教育学・社会学のいずれかの学科を卒業することなどが、児童指導員になるための条件。

4.保育士

児童養護施設・乳児院・障がい児施設など、保育所以外の児童福祉施設で働く保育士のことを「施設保育士」と呼ぶ。

0〜6歳の乳幼児の保育のスペシャリストだが、施設保育士として働く場合は、18歳までの子どもたちの面倒を見る。

保育士として働くには国家資格が必要。
●保育士について詳しく知る

介護・養護を行う施設


●高齢者福祉施設
老人ホームやデイサービスなど、高齢者が入所または通いで介護や自立支援を受ける施設。

●訪問介護サービス会社
自立した生活が難しい高齢者の身の回りの世話を行うため、自宅に介護スタッフを派遣する会社。

●医療機関
病院や保健所など。介護スタッフは、入院患者の身の回りのお世話や看護師の補助業務などを担当する。

●児童福祉施設
何らかの事情で保護者からの養育が受けられない子ども、虐待を受けた子ども、障がい児、自立が難しい母子などを受け入れる施設。

●障がい者福祉施設
身体障がい、知的障がい、精神障がいを抱えた人たちの日常生活の介護や自立支援を行う施設。

相談、アドバイス、ケアプランの作成をする仕事

5.ケアマネージャー

介護サービスの内容や施設・業者などを決め、介護計画を立てる介護支援専門員。

高齢者の要支援・要介護認定を行い、介護の方針を決め、介護サービスの計画(ケアプラン)を立てる。

公的資格であり、受験するためには、介護福祉士や社会福祉士の実務経験が5年以上必要。

福祉・介護に関わる仕事10選!仕事内容、資格、やりがいを職種別に紹介
出典:スタディサプリ進路

※利用者さんや家族の立場・気持ちに寄り添い、一人ひとりに合ったケアプランを計画する

6.社会福祉士

福祉に関する相談援助の専門職であり、別名:ソーシャルワーカー。

高齢者や障がい者など生活に困っている人の相談に乗り、アドバイスや支援、施設・制度の紹介などを行う。

国家資格を取得すれば、社会福祉士を名乗ることができるようになる。
●社会福祉士について詳しく知る

7.精神保健福祉士

精神疾患により生活のしづらさを抱えている人を支える、別名:精神科ソーシャルワーカー。

精神に障がいを抱えた人や家族の相談に乗り、公的支援制度の紹介や就労支援など、社会参加を手助けする。

精神保健福祉士を名乗るには、国家資格の取得が必要。
●精神保健福祉士について詳しく知る

8.ケースワーカー

地方自治体の福祉事務所に勤務し、生活上の問題を抱えている人たちの相談・支援業務に携わる地方公務員。

生活保護に関する相談業務もケースワーカーの仕事。

福祉事務所でケースワーカーとして働くには、「社会福祉主事任用資格」を取得するほか、地方公務員試験に合格することが必要。
●ケースワーカーについて詳しく知る

9.児童福祉司

非行や虐待などの問題を抱える子どもやその保護者の相談に乗り、援助を行う児童相談所の職員。

学歴・実務経験・保有資格などの条件を満たしたうえで「児童福祉司任用資格」を取得し、地方公務員試験に合格すれば、児童福祉司になることができる。

相談窓口となる施設


●地域包括支援センター
各市町村に設置されている、高齢者の介護・医療・保健・福祉に関する総合相談窓口。

高齢者が住み慣れた地域で生活できるよう、日常生活支援などの相談に応じており、介護保険の申請窓口も担う。

●地方自治体の福祉事務所
高齢者、身体障がい者、知的障がい者、児童、貧困者・低所得者およびその家族などの相談に乗り、問題解決を図る、地域に密着した社会福祉の行政機関。

相談に応じて必要な生活指導をしたり、施設への入所措置を行ったりもする。

●児童相談所
18歳未満の子どもに関する問題について、本人や家族からの相談に乗り、心理学や社会福祉などの専門的な立場から必要な助言や援助を行う機関。

相談内容は、心身の障がいの問題から、子育ての悩みやしつけ、不登校やいじめの問題、保護者の病気・離婚による養育の問題、虐待、非行の問題までさまざまだ。

●各種社会福祉施設
先に紹介した高齢者福祉施設などの各種施設でも、ケアマネージャーや社会福祉士が相談窓口になっている。

●医療機関
医療ソーシャルワーカーが、医療・福祉制度や退院後の生活に関する相談に乗り、患者が安心して適切な治療を受け、社会復帰ができるようサポートする。

医療ソーシャルワーカーとして働くには、「社会福祉士」か「精神保健福祉士」の資格を取得することが一般的。

福祉機器やサービスの開発・販売の仕事

10.AI(人工知能)技術者

AI(人工知能)のテクノロジーは多様な分野で導入が進んでいるが、介護もその一つ。

多くの技術者が、AIを活用した介護ロボット、見守りシステム、ケアプラン作成支援システムなどの開発に取り組んでいる。

開発を行う企業


●テクノロジー系企業
介護へのITやロボットといった先端技術の導入は、今、ホットなテーマ。

大手メーカーからスタートアップまで幅広い企業が得意の技術を活かして参入を進め、開発競争を繰り広げている。

●福祉用具レンタル会社
介護用ベッド・車いす・歩行器などのレンタルを行う会社。

介護保険で安価に利用できるため、福祉用具は購入するのではなくレンタルが一般的。

店舗には、公的資格を取得した「福祉用具専門相談員」の配置が義務付けられている。

福祉・介護に関わる仕事の最新の業界事情

福祉・介護に関わる仕事10選!仕事内容、資格、やりがいを職種別に紹介
出典:スタディサプリ進路

※自身が描く人生設計に合わせてキャリアアップを目指すことができる

介護職の需要は年々増加。国による「働き方改革」や「人材確保」の動きも加速

日本の総人口が減少する一方、2021年の統計を見ると、高齢者人口は3640 万人と過去最多。

総人口に占める割合も29.1%と過去最高を更新し、「超高齢化社会」はますます加速している。

高齢者が増えていることから介護職のニーズはますます高まり、2019年度と比較すると2025年度には+約32万人、2040年度には+約69万人の介護職員の増員が必要だと推計されている。

介護職員の人材確保が大きな社会問題として取り上げられるなか、国は「より少ない人手でも回る医療・福祉の現場を実現」することを目指し、具体的な取り組みを発表。

介護職員の身体的負担を軽減する介護ロボット、事務作業を代行してくれるAI(人工知能)やタブレットを利用した情報共有・見守りシステムといった介護現場のICT化など、最新テクノロジーを導入することによる業務効率化を推進している。

また、介護職員の給与や待遇改善、働きやすくキャリアアップしやすい職場環境作りも進められており、「重労働・低賃金」というイメージも払拭されつつあるよう。

国は、介護職員の離職防止・定着促進に加えて、介護の仕事の魅力発信も積極的に行い、若者からアクティブシニア、子育てを終えた層、外国人など、広い世代からの人材確保に期待を寄せている。

参考文献/ 総務省統計局 高齢者の人口
厚生労働省 介護人材確保に向けた取り組み
厚生労働省 2040年を展望した社会保障・働き方改革本部のとりまとめについて

コンテンツ提供/ リクルート進学総研『キャリアガイダンス』
★ほかの職業の記事を読む


取材・文/伊藤敬太郎(原文)、ミューズ・コミュニティー(2022年5月、一部更新) イラスト/桔川 伸

★関連記事もCHECK!

医薬品に関わる仕事とは? 医療機関、薬局、製薬メーカー、研究機関、場所別に仕事内容を解説!

子どもに関わる仕事8選!保育士、幼稚園教諭、心理士etc.必要な資格と仕事内容を解説

教育に関わる仕事とは?社会の未来を担う人を育てる職業14選

VR(バーチャル・リアリティ)に関わる仕事とは?ゲーム、エンタメ、医療etc.分野別に紹介

動画・画像が表示されない場合はこちら

このニュースに関するつぶやき

  • 教育もそうだが、福祉や介護=人と関わる仕事は【適正】が何よりも大事なんで、適正ない人は資格取っても使えないよ。しかも賃金低いこともあって、すぐに辞めることになるしね。
    • イイネ!8
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(3件)

前日のランキングへ

ニュース設定