BE:FIRST、夏フェスや『BMSG FES』を経て“新章突入”へ グループ初のツアーで期待したいポイントは?

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2022年09月22日 10:11  リアルサウンド

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BE:FIRST『BE:1』(CD+2BD)

 BE:FIRSTが、9月23日より『1st One Man Tour “BE:1” 2022-2023』をスタートさせる。所属マネジメント/レーベル・BMSGが9月18日に設立2周年を迎え、「新章突入」のテーマのもと一枚岩となって進化を続ける中、BE:FIRSTはグループ初となるこのツアーでどんな姿を見せるのか。今回は「楽曲」「演出」「アーティスト性」の3つの観点から考察していく。


(関連:BE:FIRST、1stアルバムが堂々のチャート首位 SKY-HIとメンバー7人が提示する新たなボーイズグループのあり方


 プレデビュー以降のBE:FIRSTは、「Shining One」や「Gifted.」など、“自分たちは何者であるか”を証明する意味を込めた楽曲が多かったように思う。第一にBE:FIRSTのグループ像や理念を提示し、印象づけていくためであったと考えられるが、実際にこれらの楽曲はグループの知名度を上げるとともに、彼らが何のために音楽をしているのか、これからどこへ向かうのかといった確かな道筋を示すきっかけを作ってきたはずだ。しかし、1stアルバム『BE:1』では一転、「Moment」や「Message」といった普遍的かつ大衆に響くメッセージ性の強い楽曲が加わり、“リスナーに寄り添う”音楽へと広がりを見せている。LEOも「聴けば絶対に好きな曲が1曲はあるアルバム」とラジオで話していたが、多種多様な楽曲が、来たるツアーでどのようにパフォーマンスされるのか。代表的な楽曲でステージを盛り上げつつ、これまでにない新鮮なラインナップでファンを楽しませてくれることだろう。セットリストの曲順にも目を向け、このツアーを通して彼らが伝えたいことは何か、そこにはどんな物語があるのかを考察してみるのも一つの楽しみ方かもしれない。


 続いての見どころは、演出面だ。昨年11月の1stワンマンライブ『“FIRST” One Man Show -We All Gifted.-』では、鳴り響くSEの中、左右に開いた重厚な扉から7人が横一列に並んで登場。一方で、今年4月開催の2ndワンマンライブ『“Bye-Good-Bye”One-day One Man Show』では、「Betrayal Game」のイントロに合わせてステージ上部から階段が出現し、同時に幕が上がると、ステージ上にはMVにも登場したベンチを囲んで佇む7人の姿が。1stワンマンとは異なるアプローチでの登場の仕方に驚くファンも多かっただろう。


 今回のツアーでもさらに演出がパワーアップすると考えられるが、その理由として、9月17日、18日にBMSGの設立2周年を記念して富士急ハイランド コニファーフォレストで開催された『BMSG FES ’22』を振り返りたい。各日ともに3時間半以上にわたり、所属メンバーで計51曲を披露した同イベントは、2日間で3万人を動員。雨も味方につけるような水を使った演出や、どの席にいてもアーティストが近くに感じられるようトロッコで外周を移動しながらの歌唱、ラストを飾るように打ち上がった花火など、BMSGのライブ史上最もエンターテインメント性に溢れた華やかな構成が目を引いた。事務所として演出に磨きが掛かったことを踏まえると、「新章突入」となる2年目はBMSGの先陣を切って進んでいくBE:FIRSTにとっても、ステージングを強化していくタイミングなのではないかと期待が膨らむ。


 最後に着目したいのは、彼らのアーティスト性だ。この夏は、デビュー1年足らずで“日本三大フェス”とも呼ばれる『FUJI ROCK FESTIVAL』『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』『SUMMER SONIC』への出演を果たし(『FUJI ROCK』はゲスト出演)、ロックフェスにボーイズグループが名を連ねるという音楽シーンにおける新たな道を切り拓いた。前述の『BMSG FES』においてもヘッドライナーを務め上げた頼もしい姿は、昨年8月のデビューメンバー決定時にSKY-HIから投げかけられた「君たちがトップをひた走ってくれることが最低条件です」という一言を体現しているようであった。また、同イベントでRYOKIが「もう新人アーティストとは言わせません!」(※1)と宣誓したように、今の7人は新人アーティストの段階を抜け出し、新たな章へと足を踏み入れている。この1年間で積み重ねてきた、どんなステージに立っても揺らがない存在感、そしてホームならではのメンバーの素顔を存分に体感できるのは、ワンマンライブの醍醐味であろう。


 SKY-HIが「何千人もに肉眼で常に見られていると意識することで、パフォーマンスやMCなどすべてにおいて大きく変わると思います」「そうやってアーティストとしての規模感を大きくしていくべきだと自分は思います」(※2)と語るように、BE:FIRSTとしてこのツアーを終えた後に見えてくるのは、アリーナツアー、そしてドーム公演に向けた着実なステップアップだ。今回のホールツアーで、全国各地を回って一人ひとりのファンに音楽を届けるという経験は、きっとこの先、彼らがさらに大きなステージに立った時の助けになることだろう。ツアー終了後に7人の表情がどう変わっているか、今から楽しみにしていたい。(風間珠妃)


※1:https://rollingstonejapan.com/articles/detail/38401/3/1/1
※2:https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00592/00056/


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