ロリータの原点に「アリス」がいた! トトロやロボットアニメにも見た意外な影響

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2022年09月25日 11:30  AERA dot.

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東京・六本木の森アーツセンターギャラリーで開催中の「特別展アリス」を訪れた、青木美沙子さん(photo 写真映像部・高橋奈緒)
「特別展アリス ─へんてこりん、へんてこりんな世界─」展が開催中だ。アリスというキャラクターは、日本のファッションにも影響を及ぼしている。AERA 2022年9月26日号から。


【画像】「トランプに襲われるアリス」など『不思議の国のアリス』の絵はこちら
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「エプロンを着けてふわっとしたドレスにロングの髪の毛。アリスはロリータにとって憧れの存在。この服装でお茶会を楽しむのがセットなんです」


 六本木で開催中の「特別展アリス」の会場に、まるで「不思議の国のアリス」の格好で現れた青木美沙子さん(39)は言った。


 青木さんはいくつものロリータブランドでモデルを務めるカリスマ的存在だ。アリス風コーデだけで10着以上、ロリータの服は千着ほど持っている。正看護師として忙しい毎日を送るが、ナース服以外は365日ロリータの服装に身を包むという。



■変身願望をかなえる


「ロリータの服は自分の弱い部分を隠せる鎧(よろい)のようなもの。イメージはフランス・ロココ調のマリー・アントワネット。『お姫様になりたい』変身願望をかなえてくれるんです」


 フランスのロココ調──。ロリータ文化をそう最初に発信したのは、作家の嶽本野ばらさん(54)の小説『下妻物語』か。後に映画化され、ロリータの服に身を包む主人公・桃子を深田恭子さんが演じ、ロリータブームに火を付けた。


 だが、嶽本さんは、「あれは桃子が言っただけで、本当にロリータがロココからきているわけではないんです。イギリスからインスパイアされている部分が大きいと思います」。


 英国がファッショントレンドの中心だった時代背景もあり、ロリータの服装は英国ファッションの影響を強く受けたようだ。


 英国ビクトリア朝時代生まれの「アリス」は、その時代の中産階級の子どもの服装をしている。「ロリータ女子が好きなアイテムにトランプ、チェス、ウサギ、時計、バラなどがある。こういうものが『アリス』に出てくるのも、アリスがロリータファッションで重要視される理由の一つかと」と嶽本さん。




■漫画やアニメからも


 日本の「アリス」人気は独特で、漫画などの「2次創作」から好きになる人もいる。原作者のルイス・キャロルを長年研究する木下信一さん(56)のきっかけは、1980年代に放送されていたロボットアニメ「超時空世紀オーガス」だった。登場するキャラクター名の元ネタが『鏡の国のアリス』であると本で知り、読んだこともなかったキャロルの本を開き、世界観や言葉遊びにはまっていった。


 日本で『不思議の国のアリス』の翻訳本が紹介されたのは明治時代だが、映画の紹介は34年が最初。「日本で『アリス』が認知される上で、ディズニー映画の影響力は絶大だった」と木下さんは言う。アニメ版「ふしぎの国のアリス」は53年に字幕版が、73年と87年に吹き替え版が公開された。丸文字などが流行(はや)った70年代末からのカワイイ文化に乗り、その後のロリータブームも相まって、日本人の脳裏に定着したようだ。



 アリスコレクターのゆめのゆきさん(64)はこう言う。


「初刊行本の挿絵を担ったジョン・テニエルの絵は、かわいいだけでない不気味さも魅力。そこに大人も惹かれたのでは」


 ゆめのさんは、宮崎駿監督の「となりのトトロ」で、メイが小トトロを追いかけて穴に落ちる場面や猫バスを見ては「アリス」を感じるという。アリスの影響力や、恐るべし。(朝日新聞文化事業部・高橋友佳理)

※AERA 2022年9月26日号


このニュースに関するつぶやき

  • ロリータクラブの会長さんだっけ?副会長は、確かクッキーだったな。アリスで思い浮かぶ漫画は、『ALICE12』『不思議の少年アリス』が好きだったな。
    • イイネ!7
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