片づけたら、子どもたちへのイライラがウソのように消えた

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2022年09月26日 10:55  AERA dot.

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物がごちゃごちゃと置きっぱなしのキッチンとダイニング/ビフォー
5000件に及ぶ片づけ相談の経験と心理学をもとに作り上げたオリジナルメソッドで、汚部屋に悩む女性たちの「片づけの習慣化」をサポートする西崎彩智(にしざき・さち)さん。募集のたびに満員御礼の講座「家庭力アッププロジェクト®」を主宰する彼女が、片づけられない女性たちのヨモヤマ話や奮闘記を交えながら、リバウンドしない片づけの考え方をお伝えします。


【写真】見違えるほどキレイになったAfterはこちら
case.31  低かった自己肯定感が上がり、生活がガラリと変わった


子ども3人/事務職


 片づけられなかった人が片づけられるようになると、家がきれいになるだけではなく、他にもよい効果が生まれます。生活が整うことで時間に余裕ができたり、仕事の効率化ができて業績が上がったり、本人が想像もしていなかった未来が開けることがあります。


 私が主宰する「家庭力アッププロジェクト®」の説明会では、片づけ以外の効果についてもお話しします。それを聞いて、「とにかく自分の人生を変えたい」という思いで参加してくれた女性がいました。


「毎日イライラして、子どもたちに対してきつい口調でキレていましたね。子どもたちへの影響を考えるとよくないと頭ではわかっていたんですが……」


 第3子を妊娠中に夫が他界し、それ以来シングルマザーで仕事と育児に奮闘してきた彼女は、大好きな子どもたちときちんと向き合えないほど精神的に追い込まれていました。周囲からは「がんばっているね」と声をかけてもらうこともありましたが、言われるほどのことができていないと自分を責める日々。


 子どもたちとの関わり方に悩み、心理学の講座を受けてみたこともありました。しかし、自分には合わずにうまく改善できなかったことも、さらに彼女の自己肯定感を下げてしまいます。どんどん理想の生活とはかけ離れていくのを感じていました。


 「目指していたのは“みんな笑顔で幸せな家族”なのに、現実ではまったく違う。家の中の片づけも必要だと思いましたが、何よりも家族と自分の人生を変えなければと思ったんです」





 プロジェクトでは、片づけるときに家族とのコミュニケーションを大切にすることを伝えています。彼女も3人の子どもたちと話し合い、一緒に悩みながら、たくさんの物を手放しました。


「もう使わないおもちゃは、歳の近い親戚にあげました。捨てるよりもあげる方が、『一緒に遊ぶときにまた使えるね』と、子どもたちも手放しやすかったみたいです。繰り返すうちに、子どもたちの方から『これもあげる!』と言い出すようになって、子ども部屋がみるみるきれいになっていきました」


 子ども部屋以外の場所は、物はそれほど多くはなかったものの、定位置が決まっていなかったのであちこちに散在している状態。収納する場所を決めたら子どもたちにも共有すると、みんなで使った物を片づけられるようになっていきました。


 今では小学校の準備を自分でできるようになったり、遊びたいおもちゃを探すことなくすぐに取り出せたりと、子どもたちの生活が変わりました。でも、片づけを通して1番変化を感じているのは、ママである彼女です。


「ビックリするくらい、子どもに対するイライラがなくなりました。今までは何かあったときに感情のままに怒ることが多かったのが、客観的に状況を見られるようになったと思います。なぜこうなったのか、どうすればこの状況が改善できるのか、ということがわかるので、怒る必要がないんです」


 家族間のコミュニケーションが増えたことで、きょうだいだけで遊ぶ時間も増えました。今までは3人それぞれの意識がママに向かっていましたが、それがなくなることでママの時間に余裕でき、好循環を生んでいます。


 以前の余裕のない生活から一変。最近では平日に子どもたちと動画を見ながらダンスをするくらい、みんなで楽しい時間を共有できていると言います。子どもの友だちが遊びに来たときには、「泊まっていけば?」と自分から提案しました。今まで見られては困る物を寝室に押し込んだりしていた過去からは、考えられないことです。




「家がすっきりしてくると、心も体も軽くなったような気分になりました。何かやろうと思ったこともすぐに行動に移せるんです。『こうなったらどうしよう』と、ネガティブになってやりたいこともできなかった自分が信じられないくらい!」


 片づけが進むと彼女の自己肯定感も上がります。義母や両親が家に遊びに来てくれて、きれいになった家やがんばった自分をほめてくれる言葉も、素直に受け入れられるようになりました。


 心の変化は、生活にもいい影響を与えます。プロジェクトでは「家事は自分へのラブレター」ということで、後回しにせずに先にやっておくことをおすすめしています。これを受けて、彼女はごはんのおかずの作り置きをするようになりました。


「これまで忙しい日はお弁当やお惣菜を買うことが多かったのですが、今ではそんなことがありません。ちょっと感じていた罪悪感もなくなりました。そんなに時間がないときでもササッと作れるようになって、最近は料理が楽しい! 栄養面も安心だし、いいことばかりです」


 自分が変われたという実感を持った彼女は、仕事面でも大きな決断をしました。これまで8年間、時短勤務だったのをフルタイム勤務に戻すことにしたのです。


「プロジェクト参加前は考えられないことでした。生活がうまく回らないので、本当は昨年までだった時短勤務を1年間延長してもらっていたんです。でも、今では『できる』という自信があります」


 最近は子どもたちと旅行に行く話で盛り上がっていると教えてくれる彼女は、はちきれんばかりの笑顔を見せてくれました。目標だった“笑顔で幸せな家族”は、もう達成できたようですね。



「ずっと今まで『いつか変わる』と思っていたけれど、『いつか』って待っていても来ないんですね(笑)。実際に行動することが大切だとわかりました」


 このような話をすると、片づけるだけで不思議なことがあるものだと思われるかもしれません。しかし、片づけに不思議な力があるのではなく、片づけを通して彼女自身が様々な行動を起こすことによって生活が変わり、人生が変わっていったのです。


私はこれからも片づけによって多くの女性がよい変化を感じ、彼女のように理想の生活を手にできるようになることを願ってやみません。


●西崎彩智(にしざき・さち)/1967年生まれ。お片づけ習慣化コンサルタント、Homeport 代表取締役。片づけ・自分の人生・家族間コミュニケーションを軸に、ママたちが自分らしくご機嫌な毎日を送るための「家庭力アッププロジェクト?」や、子どもたちが片づけを通して”生きる力”を養える「親子deお片づけ」を主宰。NHKカルチャー講師。「片づけを教育に」と学校、塾等で講演・授業を展開中。テレビ、ラジオ出演ほか、メディア掲載多数。


このニュースに関するつぶやき

  • そんなに単純な話なら、この世から児童虐待は消える。
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