大人だって傷つく。子どもに「お母さんなんか嫌い!」「ウザッ」と言われたら…【公認心理師が解説】

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2022年09月27日 20:51  All About

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「お母さんなんか嫌い」「ママ、ウザい」などと言われたら、傷ついてしまいますよね。よりよい親子関係を育むためにも、子どもの感情的な言葉を理解するコツを覚えておきましょう。

子どもに「お母さんなんか嫌い!」と言われてしまったら……

あどけない小学生、大人びた表情を見せる中学生。どの年齢であれ、子どもから「お母さんなんか嫌い!」「ママ、ウザい!」などと言われてしまったら、ショックを受けてしまいますよね。でも、その言葉通りに受け取ってはいけません。

子どもは本当は、親のことが大好き。だからこそ、親に自分の気持ちを分かってほしいと期待しているのです。ところが、ちっともわかってくれない……。そのため、つい「嫌い!」という言葉が口をついてしまうのです。

見た目や性格……思ったことをそのまま口にしていませんか?

子どもが親に対して不満を感じる理由は、さまざまです。そのひとつが、感じていることを歯に衣着せずに言われる、ということです。「もうちょっと、鼻が高かったらよかったのにね」「もっと頭が良ければねぇ」「どうしてそんなにいじけてるの?」「〇〇ちゃんをもっと見習ったら?」……たとえば、このような発言です。

親子は心の距離がとても近く、遠慮のいらない関係です。だからこそ、互いに感じたままのことを伝えています。そうしたなかで無自覚のうちに、子どもを傷つける一言を伝えていることがあるのかもしれません。

親子とはいえ、思ったことを遠慮もなく言われると、傷つくから「大嫌い!」と感じてしまうことがあるのです。子どもの心はとてもデリケート。だからこそ、何かを伝えるときには、「自分も親からそう言われたら、どう思うだろう?」と一度考えてみましょう。そして、傷つかない言葉を選んで伝えるようにしましょう。

大切に育てているのに、子どもから距離を置かれるのはなぜ?

いくら「嫌い!」と言っても、子どもは親のことを本心から嫌っているわけではありません。子どもが親に怒りをぶつけてきたときには、次の2つのポイントで子どもの怒りに対応することをお勧めします。

1. 怒りは「2番目の感情」。「最初の感情」を受け止めましょう
怒りの感情は「2番目の感情」と呼ばれています。怒りの前には、必ず「最初の感情」が湧いています。「最初の感情」は、悲しみや恥ずかしさ、つらさ、切なさなどの素朴で素直な感情です。こうした感情を汲み取ってもらえないから、「2番目の感情」、つまり怒りが湧いてしまうのです。

「2番目の感情」である怒りは、とても激しい感情ですが、それに振り回されず、「最初の感情」を想像してみましょう。「あのとき、そう言われてつらかったのかな?」「切ない気持ちになってしまったのかな?」、たとえばこのように聞いてみて、子どもの気持ちにフィットする言葉を確認してみましょう。

ただし、押し付けるのではなく、そっとやさしく聞くのがコツです。

子どもにとって、その言葉が自分の気持ちとぴったり合っていれば、子どもは「わかってくれたんだ!」と感じてうれしくなるでしょう。反対に、自分の気持ちと違うようなら、「う〜ん……」と、考え込むようなしぐさをすると思います。そうしたときには、また別の言葉を提示しながら、子どもの「最初の感情」を子どもと一緒に探索していきましょう。

2. 思春期に親を避けるのは自然なこと。大人になるための通過点です
小学生までの子にとって、親子関係は「自分の心の中心にある」といっても過言ではありません。でも、思春期を迎えるころには、親と一緒に行動することを嫌がりますし、干渉されたくないと感じるようになります。だからといって、親のことを嫌っているわけではありません。

親に甘える子ども時代の自分から脱皮し、「親と対等に話せる大人の自分」に成長しようとしているのです。

思春期の子の態度は、親を避けているように見えるため、「もう私のことなど、必要ないのかな?」などと思ってしまうかもしれません。ですが、思春期の子にとっても、親はかけがえのない大切な存在です。

ただし、小学生のころのようにべったりとそばにいるのではなく、外で疲れた心身を受け止めてくれる「港」のような存在であってほしいと、願っているのです。

だからこそ、疲れて帰宅したら一緒にご飯を食べてほしい、困ったときには相談に乗ってほしい、そんなふうに思っています。こうした子の気持ちに気づき、子どもをやさしく見守る「港」のような親心で接していきましょう。

子どもが発するどんな言葉も「受容」と「共感」で対応する

親子関係がギクシャクし始めたら、余計な一言は禁物です。「受容」と「共感」を意識して、子どもの話をじっくり聞くようにしましょう。

「受容」とは、どんな気持ちも否定せず、まずはしっかりと受け止めることです。「そうか」「そうだったんだ」「うん、うん」といった相づちの言葉を多くして、話を聞くといいでしょう。

たとえ「お母さん、ウザい!」などと言われても、ムキにならないこと。「そうか、そう思ったんだね」などと言って、いったん気持ちを受容しましょう。そして、「ウザい」という「2番目の感情」(怒り)の奥にある、「最初の感情」を受け止めていきましょう。

その次に大切なのが、「共感」です。子どもの立場を理解して、じっくり感情を共有することです。「そういう状況だから、そう思ってしまったんだね」「そんな気持ちをずっと抱えていたんだね」、たとえばこのような言葉を交えながら、親身になって話を聞いていくといいでしょう。

感情的にならないために……「小休止」で気持ちをリセットする

多くの親御さんは、ネガティブな感情を子どもに伝えないように気を使っていると思います。とはいえ、子育てをしていれば、イライラの連続ではないでしょうか?

怒りは、とっさに湧いてしまう感情であり、発生自体を予防することはできません。でも、怒りの感情に任せて、衝動的に行動しないように気をつけることはできると思います。そのためにも、イライラを感じたときには、そのときの感情のままに行動せず、いったん小休止を入れることです。

たとえば、その場から離れてトイレに入る、冷たい水を飲んでクールダウンする、このような行動が小休止になるかもしれません。気持ちをリセットして冷静になってから、伝えるべきことを伝えるとよいでしょう。

「お母さんなんか嫌い!」「ママ、ウザい!」と言われてイラっとしたときには、以上のことを心がけるだけでも、親子間のトラブルは避けられます。ぜひ、よりよい関係を育んでいくためにも、参考にしてみていただければ幸いです。

大美賀 直子プロフィール

公認心理師、精神保健福祉士、産業カウンセラー、キャリアコンサルタントの資格を持つメンタルケア・コンサルタント。ストレスマネジメントやメンタルケアに関する著書・監修多数。カウンセラー、コラムニスト、セミナー講師として活動しながら、現代人を悩ませるストレスに関する基礎知識と対処法について幅広く情報発信を行っている。
(文:大美賀 直子(公認心理師))

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  • 心が傷付く、ってどんな状態を指すのかしら? 大脳新皮質で心を説明する立場や、唯物論の立場なら、どう説明するのかしら? 心ってあるのか、ないのか…ないものが傷付くとは?
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