「BA.5」対応ワクチンの登場は「待たずに打った方がいい」 専門家が助言する理由

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2022年09月29日 11:00  AERA dot.

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港区新型コロナウイルスワクチン接種センター
第7波は落ち着いてきたが、呼吸器感染症の流行しやすい冬が到来すれば、流行がぶり返す可能性がある。従来株とオミクロン株のBA.1系統に対応した2価ワクチンの接種が始まったが、冬に備えてどうすればいいのか。AERA 2022年10月3日号から。


【オミクロン株対応ワクチン接種の流れはこちら】
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 厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会では、2価ワクチン接種後の中和抗体が、従来のワクチンより1.5〜1.7倍しか高くないのでは効果が不十分ではとの指摘も出た。しかも、ファイザー、モデルナ両社が米疾病対策センター(CDC)に提出した資料によれば、BA.1系統に対応する2価ワクチンは、今、流行しているBA.5系統に対してはより低い効果しかない。


 2価ワクチンの接種を日本に先駆けて始めた米国で使われているのは、ファイザー社製とモデルナ社製の2価ワクチンのうち、BA.5系統と、米国内で一時期、同時に流行していたBA.4系統に対応するワクチンだ。後から開発されたのでまだ米国内にしか供給されていないとみられるが、ファイザー社は13日、こちらの2価ワクチンを日本でも承認申請した。



■待たずに打っていい


 BA.5に対応するワクチンが輸入されるまで、追加接種を行うことは待った方がいいのだろうか。


 ワクチン分科会の分科会長代理を務める中野貴司・川崎医科大学教授(小児科)はこう話す。


「接種の機会がある人は待たずに、今、打った方がいいと思います。ワクチンの効果は中和抗体だけで決まるわけではありません。また、国内でBA.5対応のワクチンの接種が始まるころに、どんな変異株が流行しているのかもわからないからです」


 新型コロナウイルスに限らず、ワクチンを作る段階で将来的にどのような系統が流行するのかを予想するのは難しい。


「どんなワクチンでも、可能な限り流行しそうな系統に近いウイルスに対応できるものを作る、という方向が大原則です。その意味で、BA.1対応の2価ワクチンは従来株に加えてオミクロン株にも対応しており、原則に則った方向で開発されたワクチンと言えます」



 内閣府によると、年齢が下がるほどワクチンの接種率は下がり、5〜11歳で2回の接種を終えた子どもは2割にとどまる。


 日本小児科学会は8月10日、5〜17歳のワクチン接種についての考え方を発表した。以前からワクチン接種を推奨していた持病などのために重症化リスクの高い子どもに加えて、接種を積極的には推奨していなかった健康な子どもも含め、「5〜17歳のすべての子どもに接種を推奨する」と変更した。


 背景には、オミクロン株流行による10代以下の感染の増加がある。感染者の実数が増えるに伴い、重症化したり、死亡したりする患者の実数も増えた。国立感染症研究所の調査では、今年1〜8月に10代以下の41人が感染後に死亡した。17人(41%)は基礎疾患がなかった。


 日本小児科学会によると、オミクロン株以前は無症状の子どもも多かったが、オミクロン株になって、発熱する子どもが増えているという。


「子どもの場合、基礎疾患がなくても、発熱すると、時に熱性けいれんや脳症が起きることがあります」(中野教授)


 一方、海外のデータなどから、10代以下に対するワクチンの効果も明らかになった。日本小児科学会によると、オミクロン株も含め、重症化を防ぐ効果が40〜80%程度あるという。中野教授はこう訴える。


「今ある予防手段のうちワクチンは重要なものの一つです。ワクチンを打てば100%脳症や熱性けいれんなどを防げるとは限りませんが、相対的にリスクは低くなります。入手できる予防手段を可能な限り使い、自分の子どもさんも周りの子どもたちも守ってあげてください」


(科学ジャーナリスト・大岩ゆり)

※AERA 2022年10月3日号より抜粋


このニュースに関するつぶやき

  • 免疫細胞に情報を伝え続けたほうがいいからなぁ・・・細胞性免疫も誘導できるのがmRNAワクチンなんだし。
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