クレイジーケンバンド横山剣の意外な一面には「ずるい!」 褒め上手になるための技“褒めツッコミ・補足ぼめ・時差ぼめ”

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2022年09月29日 11:30  AERA dot.

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秀島史香さん(写真:著者提供)
なぜラジオは3時間の生放送でも聞き続けられるのか? ラジオDJとして25年、第一線で活躍し続ける秀島史香さんですが、実は「もともと緊張しがちで人見知りで心配性」といいます。そんな秀島さんだからこそ見つけられた、誰でも再現できる「人が聞き入ってしまう会話のレシピ」を一冊に詰め込んだ『なぜか聴きたくなる人の話し方』からの連載。今回は、ほめるのが苦手な人でも、照れずに伝えられる「ほめ言葉のテクニック」をご紹介します。


*  *  *
■最近、誰かをほめましたか?


 誰かのいいところを見つけたら、すかさず言葉にして伝える。


 欧米の人は、とにかく人をよくほめます。初対面でも「あなたの靴、素敵ね」「その髪型、似合ってる」などと、ほとんどあいさつ代わりにサラッとほめ言葉をかけてくれます。同僚やパートナー、子どもに対しても、“Hi, gorgeous!(やあ、かわいい人)”“Great job!”“You look fantastic!”と、毎日大げさなくらい「いいね!」を伝え合っています。


 一方、私たちはというと、なんだか照れくさかったり、タイミングをつかめなかったり。「言わなくても、わかるでしょ」な、以心伝心に甘えてしまっているのも事実。


 誰かをほめることについて、「媚びている」「お世辞を言っている」「わざとらしい」と思われないかな、なんて考えすぎてしまい、つい言葉を飲み込んでしまっていませんか?


 自分がほめられたときを考えてみると、「ほめる」に上手下手なんてないと気づかされます。たった一言であっても、人から「いいね」とう気持ちを伝えてもらったら、やっぱりうれしいものです。


 ただ世の中には「ほめられるのが苦手」「ほめられ慣れない」という人もいますから、「いやいや……」と謙遜したり、「そんなこと言っても、何も出ませんよ!」「とんでもない、私なんて」などと、照れ隠しで否定されたり、警戒されたりというときもあります。




 そういうときは、食い下がったり意固地になったりせず、「そうですか〜?」とニコニコしながら、やさしく包み込むような気持ちでその反応をまずは受け止めます。せっかくほめたのに……と慌ててシュンと引っ込めると、それこそお世辞に聞こえてしまうので、悠然と。


 相手が照れたり、ちょっとぶっきらぼうになったり、ひたすら恐縮したりと、何かしら反応しているのは、こちらの言葉が届いた証拠と解釈して、アタフタしません。


■「補足ぼめ」や「時間差ぼめ」でほめバリエーションを増やす


 もし、相手が「いやいや、本当にほめられる意味がわからないんだけど……」という様子なら、もう少し細かいところを説明してみます。


 ラジオのインタビューでも、こういったことはたまに発生します。そのときは、相手が気づいていないであろう角度からさらに細かい感想や情報を付け加えていきます。


 例えばこんなふうに。


ゲスト:これといった趣味はないんですけど、休日は、銭湯巡りをしてるんですよ。
私:わぁ、素敵ですねえ。
ゲスト:いやー、地味ですよ……。
私:そんなことないですよ。海外のガイドブックに載るほど、日本独自の文化ですし。サウナだって流行ってるじゃないですか。銭湯で音楽イベントや映画イベントをやっていたり、おしゃれなリノベ(リノベーション)銭湯も増えてるみたいですし。


「いいね!」と思った理由を、主観と客観をまぜて補足していくと、相手も「そうなのかな、素直にほめられちゃっていいのかな」と安心して、さらに話を深めてくれたり。


 ただ、こちらが畳みかけるように重ねると、焦ってフォローしている印象になりますので、ここは慌てず自分のいつものペースで。


 最初に顔を合わせたとき、とっさに言葉が出なくて、ほめるタイミングを逸してしまっても大丈夫。17節で「好意は先出し」とお話ししましたが、実際は「先出ししたかったけど、タイミングがつかめずにできなかった!」という事態もよく起きます。




 そんなときの挽回策として、「時間差ぼめ」はいかがでしょうか。


 例えば、会話がふと途切れたときや別れ際に、


<今日ずっと気になっていたんですけど、そのカバンおしゃれですね>


 と時間差で伝えるのもひとつの方法です。「今日ずっと気になっていたんですけれど」とクッションとなる言葉をはさんでから伝えると「とってつけた感」もなく、自然に好意が伝えられます。


 また、何度か会っている人ならば、


<毎回、お話がおもしろくて時間があっという間に過ぎます>
<○○さんっていつお会いしても姿勢がキレイですよね。何か意識されているんですか。>


といった、「前から思っていたんだけどほめ」も使えます。相手も、「いつもそんなふうに思っていてくれたんだ」と、関心を持たれていたことにうれしくなるはず。


■照れるなら疑問形や「ほめツッコミ」


 自分の気持ちをストレートに伝えるのはやっぱり照れる、ハードルが高いと感じるなら、おすすめしたいのが「疑問形」にする方法です。


 例えば、


<人からよく、『おしゃれ!』って言われませんか?>


「○○って言われませんか?」と疑問形にすると、不思議と口にしやすくなります。言われた相手も返事をしやすいというメリットも。


「いやいや、若い頃の服を捨てられなくて……」などと返されたら、「どんなおしゃれなお店で買っているのかと思いましたよ。体型も変わっていないんですか?」などと、その人から出てきた新しい情報がまたタネになり、会話を続けられます。


 もうひとつ、使いやすいのは「ほめツッコミ」。「かわいい」「カッコいい」「美しい」など、あまりにもまっすぐすぎて照れてしまうことも、ツッコミにすると伝えやすくなります。


 クレイジーケンバンドの横山剣さんをゲストにお迎えしたとき。


 百戦錬磨で音楽業界を渡ってこられたアーティストとしての迫力、ダンディなビジュアルに反して、「飼っている犬はチワワです」「実はお酒飲めないんです」と、意外でかわいらしい素顔をたくさん見せてくれました。




 思わず口をついて出たのが、「ちょっと待ってください、ギャップがずるいです!」。


 相手の魅力ポイントをよい意味での「ずるい!」のツッコミ視点で表現するのです。ツッコミだと相手の笑いも誘いやすく、聴覚的にも、「いかにもお世辞」にはならないので、相手にも一緒に「ワハハ」と笑いながら受け取ってもらえます。


■そこに、下心はあるか?


 ほめとお世辞の違いは、下心があるかないか。


 お世辞は、言うほうも言われたほうもなんとなくギクシャクしてしまいます。なぜなら「願わくば、相手の機嫌をとって、自分の思うようにコトを運んでやろう」という打算と、「見えすいたことを言って……警戒しなきゃ」という感情がぶつかり合ってしまうから。


「ほめ」は、ただただ「いいな」と思った相手のポイントを自分の素直な言葉で伝えること。それ以上でもそれ以下でもありません。


 たどたどしくても本心から出た言葉であれば、何も心配することはありません。そもそも見返りを求めないので、相手もお世辞だと誤解せず、受け取ってくれます。


 やっぱり照れるかもしれませんが、「伝えてよかったな」「素敵な言葉をもらったな」と自分も相手も記憶に残るやりとりは、お互いちょっとした気恥ずかしさを乗り越えた先にあるのではないでしょうか。そんな気持ちを共有するからこそ、2人の間に特別な絆が生まれると思うんですよね。


【ここまで聴いてくれたあなたへ】
「ちゃんと私を見てくれていたんだ!」とうれしくなったのは、
どんなほめ言葉でしたか?


(構成/小川由希子)



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