近藤真彦とラジオ番組で話をしていた鈴木おさむ 思わず泣きそうになった“マッチ”の熱い言葉とは

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2022年09月29日 17:30  AERA dot.

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放送作家の鈴木おさむさん
放送作家・鈴木おさむさんが、今を生きる同世代の方々におくる連載『1970年代生まれの団ジュニたちへ』。今回は、ファンがライブに求めることについて。


* * *


 たまにアーティストの方が「あの曲はもう歌いたくない」とか言って、ライブでファンが一番聞きたい曲を歌わなかったりするときがあります。または、歌っても変なアレンジになって、「それじゃない感」を感じたり。とてもガッカリします。


 ファンだってライブに行くのは毎回じゃない。しかも、年を重ねてきて結婚や出産をしたりすると、なかなか自分の時間を見つけにくい。その中で時間とお金をやりくりして行ったライブで、その人のこだわりで聞きたいヒット曲を聞けないのは、アーティストのこだわり以上に、サービスの上に成り立つエンタメとしてどうなんだろうと思ってしまう昨今。


 月〜金曜の朝8時から放送されている文化放送の「おとなりさん」というラジオ番組があり、水曜を僕がパーソナリティーとして担当させて頂いているのですが、なんとマッチこと、近藤真彦さんが生出演してくれたのです。


 僕の曜日は、80年代・90年代を中心に、自分で毎回選んだ曲を30分以上かけるコーナーがあるのですが、ダメもとでマッチさんに声をかけてくれないかとお願いしたところ、来てくれたのです。


 マッチさんは1980年にデビューしました。僕が8歳の時でした。4歳年上の姉が毎週、たのきんトリオ(田原俊彦、野村義男、近藤真彦)とアイドルらが出演していたバラエティ番組「たのきん全力投球!」を見ていたので、僕も「おもしろいお兄さんたちだな」という感覚で見るようになりました。


 姉が田原俊彦さんのレコードを買い、僕は自分のお小遣いでマッチさんのレコードを買いました。自分のお小遣いで初めて買ったレコードがマッチさんの「スニーカーぶる〜す」だったと思います。やんちゃなイメージのマッチさんが小学生の僕にはすごく格好よく見えました。かなりレコードも買いました。映画も見に行きました。



 アイドルでデビューしたマッチさんでしたが、レコード会社をソニー・ミュージックレコーズに移籍したころからアイドルからアーディストに変わっていきます。「愚か者」のヒットでそれは確実になりました。


 マッチさんは僕にとっての永遠のヒーローなんですよね。そんなマッチさんが番組に来てくれて、自分で選んだマッチソングをマッチさんに説明している。あの頃の自分に言ってあげたい。


 マッチさんから明かされるマッチソングの伝説。「ブルージーンズメモリー」という曲では、曲中に「さよならなんて言えないよ バカヤロー」とセリフを叫ぶシーンがあるのですが、実はあそこは「好きだ 好きだ 大好きだー」だったらしいのですが、マッチさんが「これは恥ずかしい」と言って、変わったものが「バカヤロー」なんだと。


 昔の曲の話を避けることなく全力でしてくれるマッチさん。


 マッチさんは現在、ライブツアー中。今回は今まで行かなかったような場所も回っている。


 そしてセットリストは、聞きたいヒット曲ばかりだと。「ハイティーン・ブギ」のB面、山下達郎さん作曲による名バラード「MOMOKO」も歌っているのだとか。それを歌うと、ファンの人が無言になっているのだとか。


 無言じゃない。泣いているんですよ。号泣している人もいるでしょう。


 マッチさんは番組で言いました。「懐メロって言われたっていいんだよ! 懐メロでいいじゃん! ライブでそれを聞きにきてくれた人たちが、昔のこと思い出したりして、また次の日から頑張れるんだから」と。なんかその言葉聞いて泣きそうになりました。それです。それを求めているんです。


 当時10代だったファンは、50代になっている人が多いでしょう。人生、生きていると、悲しいことやしんどいことが多くなっていきます。そんな中、行くライブで、あの頃の思い出を引っ張り出して、パワーをもらえる。


 僕の永遠のスター、マッチさんは、58歳になっても格好いいマッチさんだったな。


 


鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。パパ目線の育児記録「ママにはなれないパパ」(マガジンハウス)、長編小説『僕の種がない』(幻冬舎)が好評発売中。漫画原作も多数で、ラブホラー漫画「お化けと風鈴」は、毎週金曜更新で自身のインスタグラムで公開、またLINE漫画でも連載中。「インフル怨サー。 〜顔を焼かれた私が復讐を誓った日〜」は各種主要電子書店で販売中。コミック「ティラノ部長」(マガジンマウス)が発売中。


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