“弱点”を補える選手は誰だ? ドラフト補強ポイント【日本ハム・ロッテ・楽天】

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2022年09月29日 18:00  AERA dot.

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健大高崎・清水叶人
プロ野球のドラフト会議まであと約3週間となり、各球団の動向や候補選手についての報道も多くなる時期となってきた。今年は本命らしい本命は不在という印象で、近年多かった事前の1位指名公表も少なくなることが予想されるが、各球団どんな選手を狙うべきなのか。補強ポイントと、その選手がチームにマッチするかという点から探ってみたいと思う。今回は現在パ・リーグのBクラスに沈んでいる日本ハム、ロッテ、楽天の3球団だ。


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【日本ハム】


 5位に大差をつけられて最下位に沈んだ日本ハムだが、先発投手は伊藤大海、上沢直之、加藤貴之と安定した3人が揃い、野手も清宮幸太郎、万波中正、今川優馬が二桁ホームランを記録するなど全体的に戦力は底上げされた印象を受ける。その中で補強ポイントを挙げるとすれば、リリーフの強化、将来の正捕手候補、近藤健介の後継者などとなりそうだ。


 まず補強ポイント関係なく推したいのが二刀流で注目を集めている矢沢宏太(日本体育大・投手兼外野手)だ。投手としては即戦力としては物足りないものの短いイニングであればストレートとスライダーである程度抑え込める可能性はあり、野手としてはプロでもトップクラスの足と肩を備えている。そして何より投手、野手両面でまだまだ能力の底が見えないというのが大きな魅力だ。ビッグボスからは野手の方が良いという発言もあったが、やはり二刀流に挑戦してもらいたいという声も多い。外野手でメインとして出場し、リリーフでも起用するという新たな形の二刀流も検討してもらいたいところだ。


 リリーフは層が薄いだけに比較的早く使える投手を複数狙いたいところだが、2位以降でおすすめしたいのが橋本達弥(慶応大)、小孫竜二(鷺宮製作所)の2人だ。橋本はスピードに加えてカットボール、スプリットという絶対の武器があるのが大きな魅力。小孫は短いイニングでのストレートの勢いはアマチュア全体でも上位で、今年は安定感を増している。2位のウェーバーが早いことから、1位候補にもなっている益田武尚(東京ガス)をリリーフ起用を想定して獲得するというのも面白そうだ。



 捕手は年齢構成を考えれば将来性のある高校生を獲得したい。4位以降で狙えそうな選手で面白いのが清水叶人(健大高崎)だ。甲子園の出場こそなかったものの、関東では屈指の打てる捕手として評判で、夏の群馬大会でも打った瞬間に分かる一発を放っている。宇佐見真吾の後継者として期待できる素材だろう。


【ロッテ】


 2年連続の2位からAクラス入りが苦しくなっているロッテ。今年の成績を見ると長打力不足が課題だが、ドラフトですぐに解消するのは現実的ではない。また、今年は山口航輝が大きく成長し、二軍でも西川僚祐や山本大斗が結果を残してきているのはプラス材料だ。ポジション的には若手まで見た時に気になるのが二遊間だ。


 セカンドは中村奨吾がFA権を取得しており去就が不透明な状況。期待の大きかった平沢大河が伸び悩み、その後も選手を獲得しているが、有力なレギュラー候補は見当たらない。昨年も2位で池田来翔を獲得しているが、できれば将来性のある高校生を狙いたいところだ。一方の投手は佐々木朗希を筆頭に若手に楽しみな選手が多いが、リリーフ陣の高齢化が目立ち、若手は左の本格派も少なく、そのあたりを補強しておきたい。


 1位を投手にするか野手にするかで悩むところだが、今年は左投手の有力選手が少ないためまず真っ先に確保しておきたい。最有力候補として推したいのが曽谷龍平(白鴎大)だ。明桜時代は無名だったが大学で大きく成長した大型左腕で、軽く投げているようでも145キロを超えるストレートは勢い十分。課題だった制球力も向上しており、三振を奪う能力も高い。他球団との競合も考えられるが、まず狙いたい選手である。


 2位で残っていればぜひ狙いたいのが大型ショートのイヒネ・イツア(誉)だ、攻守とも粗削りだが、運動能力の高さは抜群で、今年の高校生内野手の中でもスケールの大きさはナンバーワンと言える存在である。少し時間はかかるタイプに見えるが、高校2年から3年にかけて急激な成長を見せているところも大きな魅力だ。守備力と早くから戦力になることを重視するのであれば友杉篤輝(天理大)を推したい。小柄だがフットワークの良さは大学球界でも随一で、積極的な走塁と高いミート力も光る。うまくいけば今宮健太(ソフトバンク)のようなショートになれる可能性は十分だ。



 リリーフタイプの投手では日本ハムのところでも挙げた橋本達弥(慶応大)、小孫竜二(鷺宮製作所)ももちろん候補だが、手薄な左腕ということで面白いのが林優樹(西濃運輸)だ。高校時代は完全な技巧派だったが、社会人でストレートが見違えるほど力強くなった。高校卒3年目という若さも魅力で、3位以降で残っていればぜひ狙いたい投手である。


【楽天】


 ここ数年大型補強を繰り返しながらなかなか優勝に届かない楽天。実績のある選手を多く集めたことでレギュラー陣が高年齢化しているが、特に気になるのが投手陣だ。先発で最も若いのが早川隆久で、それ以外は軒並みベテランと言える年齢となっており、若手の有力候補も多くない。リリーフは抑えの松井裕樹が健在で、他にも若手がそれなりにいるだけに、将来先発の柱になれるような投手を狙いたいところだ。一方の野手も気になるポジションは多いが、特に気になるのがショートだ。小深田大翔と山崎剛は来年揃って28歳となり、その下の世代になると有力なレギュラー候補が見当たらない。最低でも1人はショートの選手を指名しておきたいところだ。


 優先順位を考えるとやはり投手ということになる。できれば高校生の大物を狙いたいが、今年は明確なナンバーワンと呼べる高校生投手がいないだけに、筆頭候補はロッテと同じく曽谷龍平(白鴎大)としたい。同じサウスポーでも早川とは少しタイプが違い、まだまだ成長が見込めるというのも大きな魅力だ。曽谷は競合も考えられるだけに次の候補も考えたいが、そうなったら思い切って高校生の門別啓人(東海大札幌)を狙うのも面白いだろう。アベレージは140キロ台前半だが、力を入れると145キロを超え、高校生のサウスポーにしてはコントロールも安定している。甲子園出場経験はないものの、総合的に見て高校生の左腕ではナンバーワンと言える存在だ。


 曽谷、門別のどちらかが指名できても、もう1人スケールの大きい投手は確保しておきたい。そこで2位の候補として挙げたいのが安西叶翔(常葉大菊川)だ。サイド気味のスリークォーターから投げ込むストレートはコンスタントに145キロを超え、数字以上の勢いが感じられる。今のチームにいないタイプの投手というのも推したいポイントだ。



 3位以降では野手の補強ポイントであるショートのレギュラー候補を狙いたい。ロッテでも挙げたイヒネ・イツア(誉)、友杉篤輝(天理大)以外の候補としては戸井零士(天理)も面白い。180cmの大型ショートで、守備に関してはもう少しスローイングの強さが欲しいが、フットワークとハンドリングは高校生離れしたものがあり、丁寧なプレーが光る。打撃も無駄な動きのないスイングで、パンチ力も十分だ。高校生のショートの候補は少ないだけに、3位あたりで狙っている球団も多いだろう。(文・西尾典文)


●プロフィール
西尾典文 1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。


このニュースに関するつぶやき

  • Bクラスの3チームの補強ねぇ・・・。ま、ハムは新庄が「優勝は目指さない」というか、今思えば「この戦力では優勝は無理!」というアピールかとも(笑)。ゆえに続投は有り。>続く
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