キーを“横一列”に並べて分かりやすく――GoogleのGboardチームが「棒キーボード」を開発 自作可能

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2022年10月01日 10:32  ITmedia Mobile

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GoogleのGboard開発チームが横長キーボードを披露

 Googleのスマートフォン向けキーボード(文字入力)アプリ「Gboard」の開発チームは、さまざまな“風変わり”キーボードを披露し、市販はしないものの、自宅でも作れるように「設計図」「回路図」「ファームウェア」などをオープンソースとして公開している。2022年もご多分に漏れず、「Gboard 棒バージョン」という新たなキーボードを公開した。



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●2022年は「棒キーボード」



 説明するまでもなく、キーボードはPC、スマートフォン、タブレットやゲーム機などで文字を入力するために使うデバイスである。タッチパネルを備えるスマホやタブレットでは一般的に、物理的なキーボードの代わりにタッチ操作に対応するキーボードアプリ(「仮想キーボード」ともいう)を使うことが多い。



 先述の通り、Gboardの開発チームはチャレンジングなキーボードを複数披露してきた。いずれも市販はされていないものの、自作するための各種ソースファイルは公開されている。代表的なものは以下の通りだ。



・2016年:物理フリックキーボード



・タッチ操作前提のキーボード特有の「フリック入力」を物理的キーボードで再現



2018年:物理手書きバージョン



・物理キーボードで文字の形を“なぞる”ことで文字入力が可能



・物理キーボードとの間に挟む軌跡を認識するコンバーターを開発



・学習データを差し替えることでさまざまな文字種を認識可能



・Webサイトでひらがなと英数字を認識できる試用版を公開している



2019年:スプーン曲げバージョン



・金属製のスプーンの下部に曲げセンサーを取り付けて、スプーンの曲げ具合で入れたい文字を判定



・入力できるのは基本的にアルファベットのみ



・曲げる角度が大きいほど、後方の文字が入力される



2020年:湯呑みバージョン



・湯飲み(円筒)の回りに物理キーを配置



・キーを押すと、その表面に書かれたすしネタの感じが入力される



・標準のキー配列は「SSI(スシ)配列」を名乗る



 今回登場する「棒バージョン」は、名前から察せられる通りキーを横一列にズラッと並べた物理キーボードである。一般的なPCで使われるキーボードは、いわゆる「アルファベット順」「五十音順」にキーが並んでいるわけではなく、数列に渡ってキーが配置されているため、キー配列が頭に入っていないと探し出すことすら難しいという課題がある。



 そこでGboard開発チームはキーを探す方向を1方向だけにすればいいと考え、全ての文字キーを横一列に並べるキーボードを開発したようだ。配列は「1次元QWERTY(一般的なアルファベットキー配列を1列化したもの)」の他、「ASCIIコード配列(純粋なアルファベット順)」「いろは歌(かな文字をいろは歌に準じて並べたもの)」「絵文字」など、さまざまなものに対応できる。



 このキーボードのメリットとして、横長ゆえに腕のストレッチがしやすいこと、2人で“連弾”を楽しめること、遠い場所にあるスイッチを押すための「押し棒」として使えることなどが挙げられている。



●なぜ「4月1日」じゃなく「10月1日」に披露?



 従来、Gboard開発チームの意欲的なキーボードは「4月1日」に発表されることが多かったが、今回は「10月1日」に発表された。これは「101キーボード」にちなんでいるという。



 101キーボードは、かつてのPC「IBM PC/AT」用に開発されたキーボードで、その名の通りテンキーを含めて101個のキーが搭載されている。このキーボードの配列は、現在でも北米/南米や日本を除くアジアで広く使われている(最近ではWindows用のキーを追加した「104キーボード」となっている)。



 ここからは筆者の余談だが、101キーボードに対して、日本で広く使われている日本語キーボードは「106キーボード」(Windows関連のキーを追加すると「109キーボード」)と呼ばれる。世界から見ると、この106キーボードを使っているのは日本だけであり、日本はキーボードの世界ではある意味で“特殊”なのである。その特殊さは、最近の外国メーカー製のノートPCのキーボードを見ると察せられるかもしれない。


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