本田望結、フィギュアスケートを通して姉・真凜と過ごす時間に涙。「家でもなかなか会えない」

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2022年10月01日 18:41  webスポルティーバ

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スケートが好きで、楽しくて

 9月30日、西東京市。ダイドードリンコアイスアリーナで、フィギュアスケートの東京選手権が幕を開けた。年末の全日本選手権に向けた予選大会のひとつだ。

 女優やタレントとしても活動する本田望結(18歳)が、シニア女子で出場している。

 本田は自身が歌手としてリリースした『Dilemma』で滑った。自らが歌い踊る曲を氷上で滑る、それは表現者としての法悦だろう。黒を基調にしたゴールドの飾りが煌めくゴージャスな衣装で、彼女は音に弾かれたように全身を動かし、曲の世界を表現していた。プログラムコンポーネンツ(PCS)だけで言えば、19.29点で17位と健闘している。

「限られた期間(の練習)で、精一杯は出せたかなと思います。構成を上げないと、点数をもらえないのはわかっているんですが。フリー(スケーティング)に通れるラインとしては、難しいところで......」

 ショートプログラム(SP)の演技後、本田はオンライン取材でそう語っていた。

 スコアは30.96点だった。ジャンプがどれも決まらず、冒頭から2回転サルコウ+1回転トーループになってしまい、2本目、3本目は得点として認められていない。結果、35位で上位24位以内に入れず、10月2日のフリースケーティング進出を逃した。自動的に東日本選手権、そして全日本選手権に進む道も断たれることになった。

 しかし、本田は柔らかい表情で言っている。

「8カ月ぶりの試合になったんですが、また試合に出られ、スケートができて......その楽しさをかみしめながら滑りました。『スケートをしている』って言うには、まだまだです。ただ『やっているだけ』って言われても、仕方ないかもしれません。でも私はスケートが好きで。(大会に)参加できるだけでも楽しいんです!」

"二刀流"の裏側で

 本田は"二刀流"を捨てない。

「フィギュアスケートと女優」

 そのどちらの夢も追いかけている。

 3歳の時にフィギュアスケートを始めたが、役者の仕事に関わるようになったのも、ほぼ同時期だった。女優として、連続ドラマ『家政婦のミタ』(日本テレビ系)などで人気を博し、映画やドラマの主演を勝ち取っている。

 同時にフィギュアスケーターとしても、2016年全日本ノービスで6位入賞後、2017年、2018年に全日本ジュニア出場し、2020年にシニアへ転向した。

 好むと好まざるにかかわらず、彼女は注目を浴びる。東京選手権でも、40人の出場選手の内たった4人のオンライン取材対象になっていた。ただ本人は、単純に好きなことに懸命なのだろう。10代の少女に、「どちらか一本にしろ」と説教する権利は誰にもない。

 おととしのインタビュー、彼女はやりとりのなかで目を潤ませる瞬間があった。

 2019年の西日本選手権ジュニア、本田はあと一歩で全日本ジュニア出場を逃した。ふがいなさか、演技後の表情はタレント然としたにこやかさは消えて険しかったが、囲み取材には競技者としてどこまでも真摯に丁寧に答えていた。そして部屋の隅にあるベンチに座ると、スケート靴をきれいに拭いたあと、大切そうにしまった。

 その光景を振り返り、彼女は当時を思い出したように表情を変化させ、涙声になった。

「自分は感情移入しやすい性格で。皆さん、自分にしかわからないことがあると思うんですよね? 何をやっても、表面上でしか捉えてもらえないことはあって。その人にしたらってこともあるはずで」

 本田はそう言っていたが、感情量が豊富な女性なのだろう。

フィギュアスケートを通じた姉妹の時間

 今回の東京選手権でも、彼女はたかぶりを抑えられなかった。

「練習含め、久々にお姉ちゃん(本田真凜)と滑って、一緒に過ごした時間がすごく楽しくて......」

 本田はそこで突然、言葉を詰まらせた。

「なんか、やめるみたい。まだ続けます! やめない、やめない」

 そう言って泣き笑いになったが、そのあとも涙ぐみ、鼻をすすりながら質問に答えていた。プロとしての芸能活動があるだけに、自ずとスケートの練習時間は限られる。

「望結とスケートができることは少なくて。お仕事で、家でもなかなか会えない。それが(大会前に)1週間、ずっと一緒にスケートをして、頑張ることができてよかった」

 姉である本田真凜の言葉だ。

 ふたつの夢を同時に追う。それもひとつの生き方である。

「お姉ちゃん(真凜)とか、結果だけを見て、決めつけられているのを何度も目にしてきました。自分自身もそうかもしれません」

 そうインタビューで語っていた彼女は結果よりも、リンクに立つこと自体に価値を見出しているのかもしれない。芸能界は生き馬の目を抜く「結果がすべての世界」と言われる。リンクが勝ち負けよりも、全力を尽くせたか、で挑む表現の場だとすれば----。

「学校の試合もあるので、できる限り試合に向けて準備して、スケートを楽しみたいです!」

 本田はにこやかに言った。

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