セリエA第8節が10月1日に行われ、ミランが敵地でエンポリと対戦した。
ミランは前節開始前までは4勝2分と負けなしをキープしていたものの、同じ成績で並んでいたナポリとの“首位決戦”で敗北。ナポリは今節既に勝ち点「3」を積んでいることから、これ以上引き離されないためにも勝利が必要不可欠な試合となる。
9月のインターナショナルマッチウィークで、ミランの“守護神”に君臨しているGKマイク・メニャンが負傷。この日はGKチプリアン・タタルシャヌがゴールマウスを守ることに。その他のスターティングメンバーには、サンドロ・トナーリ、ラファエル・レオン、オリヴィエ・ジルーらが入っている。
試合は序盤からミランがボールを握り、押し込む展開に。20分にはレオンが得意のドリブルで左サイドを破り、相手DFを引きつけてファーサイドへグラウンダーのパスを送る。フリーになっていたアレクシス・サレマーカーズは右足で狙い澄ましたシュートを放つも、ボールはわずかにゴールの左へ。続く23分にはボックス手前でボールを受けたサレマーカーズが右足で強烈なシュートを狙うも、相手GKに防がれた。
ミランは試合の主導権を握り続けたものの、33分にアクシデント。サレマーカーズが負傷のためプレー続行が不可能となり、ラデ・クルニッチとの交代を強いられた。39分には接触などがない場面でダヴィデ・カラブリアが右太もも裏を押さえて倒れ込んでしまい、ピエール・カルルと交代に。ミランは前半だけで2度の交代回数を使ってしまった。
スコアレスで折り返した後半、序盤はエンポリの時間が続く。それでもミランは得点を与えずに乗り切ると、60分を過ぎた頃から再び自分達の時間を取り戻す。64分には距離のあるフリーキックをトナーリが狙ったものの、ディフレクションしたボールはGKの好セーブに阻まれる。69分にはアーリークロスから最終ラインの背後へ走ったジルーがフィニッシュまで持ち込むも、シュートは威力がなくGKにキャッチされた。
前半にケガで2名を失ったミランは72分、シモン・ケアーも足を痛めた仕草を見せ、セルジーニョ・デストとの交代でピッチを後に。直後の74分にはエンポリにビッグチャンス。サム・ラマースのスルーパスでネディム・バイラミが抜け出すと、GKと1対1のチャンスを迎える。右足で狙ったシュートにはタタルシャヌが反応し、ゴールを許さない。
苦しんだミランだったが、79分に遂にゴールをこじ開ける。右からのスローインを収めたレオンが前を向き、ボックス右から中央へと折り返し。フリーになっていたアンテ・レビッチがダイレクトでネットを揺らし、ミランが先手を取った。
このままミランの勝利かと思われたが、エンポリはまだまだ終わらない。後半アディショナルタイム、ペナルティエリア手前でバイラミが倒され、フリーキックを獲得する。キッカーを務めるのはバイラミ。右足でややドライブ回転のかかった一撃を叩き込み、土壇場でエンポリが同点ゴールを記録している。
しかし、ミランは同点弾を許した直後のキックオフでチャンスを作り出す。左サイドからシンプルにアーリークロスを放り込むと、クルニッチが打点の高いヘディングでファーサイドへ繋ぐ。フリーとなっていたフォデ・バロ・トゥーレが冷静に押し込み、同点となってから1分もしないうちにミランが勝ち越しに成功した。
残された時間で前にでたエンポリだったが、ラストプレーでミランがスピーディーなカウンターを披露。最終ライン背後を独走したレオンがループシュートを沈め、“息の根を止める”3点目を記録した。
試合はこのままタイムアップ。両チーム好機を作りながらなかなかネットを揺らせなかったものの、終わってみれば合計4得点が記録された。昨シーズンのセリエA王者が勝負強さを見せ、均衡した一戦を勝ち切っている。
次節、ミランはミッドウィークのCL・チェルシー戦を挟み、8日にユヴェントスをホームに迎える。一方、エンポリは9日に敵地でトリノと対戦予定だ。
【スコア】
エンポリ 1−3 ミラン
【得点者】
0−1 79分 アンテ・レビッチ(ミラン)
1−1 90+2分 ネディム・バイラミ(エンポリ)
1−2 90+4分 フォデ・バロ・トゥーレ(ミラン)
1−3 90+7分 ラファエル・レオン(ミラン)