一瞬目を離したら、子どもがボタン電池をゴクリ→一刻を争う誤飲問題 「本当に開けにくい」パッケージを開発したメーカーに聞いた

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2022年10月02日 09:10  まいどなニュース

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ほんの少し目を離したすきに…(イラストはイメージです)

子どもたちの電動おもちゃやキッチンタイマー、腕時計、電卓など日常生活で使うさまざまなもので使用されているコイン形リチウム電池やアルカリボタン電池、酸化銀電池。小さな子どもが誤って飲んでしまうと、健康に重大な被害をもたらしてしまい、死に至ることも。

【写真】以前の開けやすかったパッケージから、開けにくいものへと変更

最近も、幼い我が子がコイン形リチウム電池を誤飲したことに保護者が気づき、救急車で搬送後、入院治療を行った体験について発信したSNS投稿に大きな関心が寄せられました。

口に入れたら、あっという間に食道内で溶解

投稿では、常日頃、コイン形リチウム電池(以下、電池)の扱いに気を付けていたものの、電池交換後、ちょっと目を離した瞬間に、いつもは触らない飾り棚の上に保管していた電池を探り当て、パッケージを手で開けての誤飲だったことを記しています。

口に入れる瞬間は見ていなかったものの、ゴクリと何かを飲み込む様子やケースの中にあるはずの電池がどこを探しても見当たらないことから即座に119に救急車を要請。

病院到着後のレントゲンでくっきり電池が食道に留まっていることが判明しました。体内に入った電池は放電し続け、溶解して粘膜に張り付き食道穿孔など時間が経つほど重篤な症状になるとドクターから告げられたそうで、誤飲から約45分後には内視鏡手術開始となり、電池を摘出。

摘出された電池は誤飲してから45分という短い時間の経過にも関わらず、表面が錆びて溶解した状態に。食道に穴はなかったものの、電池の腐食が付着した「腐食性食道炎」と診断されました。

1週間の絶飲食を経て、退院し、元気に過ごしているとその後を綴っていますが、「子どもの手の届くところに危険物は置かないで」「電池誤飲は、内臓の炎症が広がるから吐かせようとしないでください。すぐに救急車を!」と呼びかけました。

メーカーも開けにくいパッケージで誤飲防止策

電池の誤飲事故は、毎年のように起こっており、発見や処置が遅れた場合は死亡するケースも報告されています。政府広報オンラインや消費者庁では注意を促しています。

危険なものを子どもが触る場所に置かない、など保護者が注意を払う必要がありますが、前述の投稿者の子どものように未開封の製品パッケージから中身を取り出し飲み込んでしまうことも。

コイン形リチウム電池やアルカリボタン電池・酸化銀電池を製造・販売するパナソニック株式会社では、誤飲防止のために2017年より順次、これらの電池パッケージを乳幼児が開けにくい仕様に変更しています。しかし、今回の事件の際は、誤飲防止の対処がされていない以前のパッケージのもので、だれでも気軽に手で開けられるものとなっていました。

同社広報部は取材に対し、「投稿の誤飲事故に関しましては保護者の迅速なご対応により、お子様がご無事で何よりです。弊社では、電池のパッケージにおきまして、手で開封しやすいようパッケージに切り込みをしていたミシン目を撤廃し、ハサミを使用しないと開封できない構造にしました。同時に、指定されている表示に加え、大きく目立つようにパッケージの表面に誤飲に対する注意喚起をしています」と回答。

電池本体に付けた、乳幼児の手の届かない場所に置くように注意を促すマークは、同社の社員が自身の子供の寸法を実際に計測し、「小さな大人の絵」との誤解を受けることなく、パッと見て子供と分かる形状に工夫を凝らしています。実際に、ハサミがなく、大人が約10分以上かけて手で開けようとしたもののなんともならず諦めたというツイートを通じて、「本当に開かない」ということも話題になりました。

子どもが飲み込まないように、電池本体に苦味を付けるなどの工夫は採り入れられないのか?との質問には「電池を誤飲してしまったときに体内で進行する化学反応を停止・または遅延させる技術が求められる訳ですが、これは非常に難しく、現在化学反応速度の評価法を定める議論が国際規格の中で議論されるとともに、電池メーカー各社において、反応速度を下げるための新たな技術の研究開発が進められている状況です」と答えてくれました。

また、同社では小形の電池を使用する製品で、以下の項目を採用し、子ども・高齢者の誤飲防止対策を行っています。
◎工具なしでは交換及び着脱ができない構造
◎ふた・カバー等を開けるのに2つのアクションを必要とする構造(例:押しながらスライド、ロックを解除しながら回す等)
◎ふた・カバー等を開けるのに一定角度以上回転しなければならない構造
◎保持力及び抜去力が一定以上である構造

「電池誤飲はおそろしい」小児科医も注意喚起ツイート

子どもの誤飲についてのツイートには、多くの人が反応しましたが、医療の現場に立つドクターなど医療従事者もTwitterで意見を述べています。

長野県佐久医師会・佐久市による「教えて!ドクター」プロジェクトチームの一員として、子どもの病気やけが、子育てについて発信する、教えてドクター佐久@無料アプリ配信中♪(@oshietedoctor)さんも注意を促す投稿をしています。

「ボタン電池誤飲がニュースに。特にリチウム電池は電圧高いし大きく食道に引っかかりやすく危険。誤飲の約4割は、むき出しの電池ではなく、機器から蓋を外して子供が取り出してます。つまり有効な予防は「蓋が外れないようにする」。ボタン電池誤飲がいかにヤバいか、以前のベーコン実験画像を再掲」

その実験画像に写っていたのは、人体に見立てたベーコンの上に置いたリチウム電池、酸化銀電池、アルカリボタン電池。開始数分で、リチウム電池は周囲が泡立ちはじめ、放電でできた水酸化物でベーコンが黒ずみ始め、それを追うようにほかの電池も同じような反応に。120分後には、溶解してしまって真っ黒にベーコンが変色しています。これが体内だと思うと恐ろしい限りです。

ボタン電池の誤飲は一刻を争います。小さな電池では、餅などのように「息ができない」など分かりやすい症状がありません。もしも、状況で判断して「疑わしい」と思ったときは様子を見るのではなく、即刻、救急車を要請してください。

また、誤飲する恐れがある人を持つご家族は、簡単に取り出せるパッケージの電池ではなく、誤飲対策がおこなわれているパッケージをご準備ください。

(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・宮前 晶子)

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このニュースに関するつぶやき

  • 鼻の穴●●や耳��に入れる可能性もありますのでボタン電池などは子供の手が届かないところへ。ピーナッツ類も危険。
    • イイネ!11
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