娘が産まれると、また義両親と以前のように交流が戻ってしまいました。「女の子か」と残念がっていた義両親でしたが、初孫はやはりかわいいのか、娘のことを大切にしてくれています。しかし次第に、「男の子を産め」攻撃がはじまります。ある日、義両親と義兄家族で食事をしていたとき、義母が娘に耳打ちをしていました。おそらく義兄にも、義母の発言は聞こえていたでしょう。当時義兄夫婦は不妊治療をしていました。義兄にだってその発言にはきっと思うところがあったはず。それなのに何も言わない義兄にガッカリしました。結局娘は何のことかわからず、トイレから戻ってきた夫の前でモジモジするだけでした……。
その年義姉は不妊治療の末に妊娠し、無事男の子を出産します。義両親にとっては念願の男の子の孫です。
義母が喜ぶ横で、無表情の義姉。勇気をだして「私たち、なにかと気苦労が多いですよね(苦笑)」と話しかけましたが、義姉は「うん……」と答えるだけ。まるで、「この家に関わる人間には誰一人心を開かない」と決めているかのようでした。
【第4話】へ続く。
|
|