今季の学生駅伝で注目すべき10人のランナー。田澤廉、三浦龍司ら各大学のエースの状態は?

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2022年10月05日 18:11  webスポルティーバ

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 まもなく駅伝シーズンが開幕する。10月10日の出雲駅伝、11月6日の全日本大学駅伝、そして来年1月2・3日の箱根駅伝。熱いドラマを盛り上げるキーパーソンは誰なのか。注目すべき10人のランナーをピックアップして紹介する。

田澤廉
(たざわ・れん/駒澤大/4年) 

 常勝・駒澤大の"絶対エース"として君臨。1年時は出雲3区で区間2位、全日本7区で区間賞、箱根3区で区間3位。2年時は全日本のアンカー決戦を制して、6年ぶりの日本一をもたらすと、箱根は2区で7人抜きを演じて、13年ぶりの総合優勝に貢献した。

 昨季は全日本7区で4位から一気にトップを奪い、チームは連覇を達成。12月の10000mで日本人学生最高&日本歴代2位となる27分23秒44をマークすると、箱根2区では区間歴代4位の1時間6分13秒でトップを独走した。今季は4月の5000mを13分22秒60(日本人学生歴代6位)で好走して、7月のオレゴン世界選手権に参戦。左膝の違和感とレース中の腹痛に苦しみながらも6000m付近までトップ集団に食らいついた。

 今冬は日本記録(27分18秒75)を上回るブダペスト世界選手権10000mの参加標準記録(27分10秒00)の突破を視野に入れながら、チームの悲願である「駅伝3冠」を目指す。

三浦龍司
(みうら・りゅうじ/順天堂大/3年)

 3000m障害で高校記録、U20日本記録、学生記録、日本記録を保持するだけでなく、3000mとハーフマラソンでU20日本記録を持つ。昨夏の東京五輪は3000m障害の予選で日本記録を8分09秒92まで短縮すると、決勝では日本人初入賞(7位)の快挙を達成した。

 今季は4月の金栗記念選抜中長距離1500mを日本歴代2位の3分36秒59で優勝。3000m障害は7月のオレゴン世界選手権で決勝進出に0.74秒届かなかったが、世界最高峰のリーグ戦であるダイヤモンドリーグで快走する。中長距離種目では日本人で初めてファイナルの舞台に立ち、今季ベストの8分12秒65で4位に食い込んだ。

 学生駅伝は地元・出雲の出場はなく、全日本は1年時に1区で区間賞、2年時は2区で区間賞。一方、箱根は1年時に1区で区間10位、2年時は2区で区間11位と苦戦している。ラストの爆発力は日本人で異次元のレベルにある三浦。駅伝でもエースの走りを披露して、チーム目標の「駅伝3冠」にチャレンジする。

近藤幸太郎
(こんどう・こうたろう/青山学院大/4年)

 豊川工高時代は全国大会で目立つ活躍はなかったが、青学大では2年時からレギュラーを確保。全日本2区は区間13位に沈むも、箱根は7区を区間3位と好走した。昨季は4月に10000mで青学大記録の28分10秒50をマークすると、9月の日本インカレ5000mで優勝。学生駅伝はエースとして活躍した。

 出雲1区で区間賞を獲得して、全日本7区は駒澤大・田澤廉と18秒差の区間2位。箱根2区は田澤との差を56秒で食い止めて、チームの総合優勝に貢献した。今季は度重なるケガ(箱根後に左踵を疲労骨折、5月に左アキレス腱を負傷)の影響で出遅れていたが、9月中旬の日本インカレ5000mを13分50秒37で連覇。9月24日の絆記録挑戦会5000mで日本人トップとなる13分43秒07をマークするなど、調子を上げている。箱根王者・アオガクを「駅伝3冠」に導けるか。

松山和希
(まつやま・かずき/東洋大/3年)

 学法石川高3年時の全国高校駅伝1区を区間2位で走ると、大学でも駅伝で実力を発揮する。1年時は全日本2区で区間7位と好走。箱根は花の2区に抜擢されると、日本人1年生歴代2位となる1時間7分15秒の区間4位で走破した。

 昨季は故障の影響でトラックシーズンは精彩を欠き、出雲は不出場。全日本は7区で区間13位と低迷したが、箱根2区で再び快走する。1時間7分02秒の区間5位(日本人2位)で12位から8位まで順位を押し上げた。

 今季は6月の全日本予選会の最終組(10000m4組)で日本人トップを奪うなどトラックでも存在感を放っている。タフさだけでなくスピードが加わり、どんなレースにも対応可能。3年連続となる2区が濃厚な箱根だけでなく、出雲と全日本でも活躍を見せるだろう。

丹所健
(たんしょ・けん/東京国際大/4年)

 1、2年時の箱根駅伝は1区を担い、区間13位と同14位。昨季は5000m13分46秒17、10000m28分19秒17の自己ベストをマークすると、9月の日本インカレ5000mで3位に食い込んだ。

 そして駅伝シーズンで快走を連発する。出雲は3区でトップを奪って、チームに初栄冠をもたらした。全日本は故障明けのため6区にまわったが、区間賞・区間新。箱根は3区で区間歴代2位(日本人最高)の1時間0分55秒で区間賞に輝いた。今季は故障が続き、出遅れていたが、7月のホクレン・ディスタンスチャレンジ網走大会10000mを28分01秒24の自己ベストで走破。アグレッシブな走りが持ち味で、最後の箱根は地元を走る2区で勝負したい気持ちが強い。箱根2区と3区で区間記録を保持するイェゴン・ヴィンセント(4年)と丹所のWエースは破壊力十分。「三大駅伝優勝」というチーム目標に向けて突っ走る。

吉居大和
(よしい・やまと/中央大/3年)

 仙台育英高3年時にインターハイ5000mで日本人トップに輝くと、全国高校駅伝で日本一を達成。大学1年時はトラックの5000mで快走を重ねた。7月にU20日本記録を15年ぶりに塗り替えて、9月の日本インカレを完勝。12月の日本選手権で3位に食い込み、U20日本記録を13分25秒87まで短縮した。

 しかし、注目を浴びた箱根駅伝は3区で区間15位に沈んだ。昨季は2月から米国のバウワーマン・トラッククラブで"武者修行"を経験。トラックシーズンは走りが噛み合わなかったが、全日本1区を区間2位(区間新)で走るなど、徐々に調子を上げてきた。練習の一環で出場した12月の日体大長距離競技会10000mで28分03秒90の自己ベストをマークすると、箱根1区で衝撃の走りを見せる。10劼27分58秒で通過して、2007年に佐藤悠基が打ち立てた狹狙發龍茣峙録瓩26秒も塗り替えた。

 今年も1月下旬からバウワーマン・トラッククラブに合流。故障の影響もありオレゴン世界選手権には届かなかったが、7月のホクレン・ディスタンスチャレンジ千歳大会5000mで13分31秒03をマークしている。「全日本で優勝、箱根で3位以内」というチーム目標に向かって、持ち味の爆発力を発揮したい。

葛西潤
(かさい・じゅん/創価大/4年)

 関西創価高3年時に全国高校駅伝1区で区間7位と活躍。大きな期待を背負って、創価大に進学した。ルーキーイヤーから主要大会に参戦して、箱根は1年時が6区で区間16位。2年時は3区を区間3位と好走して、チームの往路Vに貢献した。

 昨季は故障が長引いたが、11月の10000mを28分43秒40で走り、箱根では1区(区間15位)を務めた。今年は2月の日本選手権クロスカントリー(シニア10辧砲韮屋未貌ると、3月に10000mで28分21秒72の自己ベスト。4月の日本学生個人選手権10000mを制して、同種目のワールドユニバーシティゲームズ(大会は延期)の日本代表に内定した。その後は故障もあったが、駅伝シーズンに向けて徐々に調子を上げている。

 チームには、箱根2区を区間2位と好走したフィリップ・ムルワ(4年)と、箱根の10区と4区で区間賞を獲得している嶋津雄大(4年)という強力ランナーがいるだけに、目標の「箱根V」には葛西の走りがポイントになるだろう。

平林清澄
(ひらばやし・きよと/國學院大/2年)

 美方高時代に全国大会の活躍はなかったが、5000mで14分03秒41をマーク。1年時は4月下旬の日体大長距離競技会10000mを28分38秒88で走ると、学生駅伝は主要区間に抜擢された。最長6区を任された出雲は14秒前にスタートした東洋大に2劼把匹い弔など、1年生らしかぬ攻めの走りを披露した。全日本は2番目に距離の長い7区で区間3位と好走。12月に入って少し調子を崩したが、箱根は9区(区間2位)で5人抜きを演じている。

 今年は3月の日本学生ハーフでチャンピオンに輝くと、7月のホクレン・ディスタンスチャレンジ網走大会10000mで28分12秒16(チーム歴代2位)をマーク。今冬はMGC出場を目指してマラソンに挑戦予定で、三大駅伝でも見せ場を作ってくれそうだ。

石原翔太郎
(いしはら・しょうたろう/東海大/3年)
 
 倉敷高3年時の全国高校駅伝1区で区間5位と好走。東海大では1年時からインパクトのある活躍を見せてきた。全日本は4区で区間賞を奪うと、順大・塩尻和也(現・富士通)が4年時に樹立した区間記録を32秒も更新。箱根は3区で区間賞の走りでトップに立っている。

 昨季は5月に5000mで13分30秒98(当時・U20日本歴代3位)をマークして、関東インカレ1部10000mでは28分05秒91(当時・U20日本歴代2位)で日本人トップに輝いた。しかし、6月に股関節を痛めると、8月に恥骨結合炎と診断された。その後はレースから遠ざかり、チームは全日本12位、箱根11位と低迷。今季は5月にレース復帰(5000m14分12秒64)すると、7月のホクレン・ディスタンスチャレンジ網走大会5000mで13分29秒21の自己ベストをマークした。2年ぶりの駅伝復帰で、チームを再び上位戦線に押し上げる。

井川龍人
(いがわ・りゅうと/早稲田大/4年)

 九州学院高3年時のインターハイ5000mと国体少年A5000mで田澤廉らを抑えて日本人トップ。黄金ルーキーとして期待されたが、1年時は全日本1区で区間16位、箱根3区で区間14位と苦しんだ。2年時は全日本2区で区間5位、箱根1区で区間5位と成長。昨季は全日本2区を区間2位と好走すると、10000mで27分台に突入した。

 しかし、箱根は1区で区間16位と大きく出遅れ、チームは13位。今季は5月7日の日本選手権10000mで田澤に次ぐ学生2位(総合19位/28分23秒16)、5月下旬の関東インカレ1部10000mで2位に入るなど、安定感が増してきた。

 チームは6月に花田勝彦駅伝監督が就任。箱根は予選会からの出発になるが、全日本と箱根では世代トップの走りを期待したい。

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