蔵書はなんと3万冊! 文豪ゆかりの老舗温泉旅館が「泊まりたい」と話題、蔵書について話を聞いた

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2022年10月06日 20:22  ねとらぼ

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壁一面の書架からソファや椅子や何から、格調高くて良いムード(画像提供:しをはらさん、以下同)

 約3万冊もの蔵書を誇る、図書館のような旅館「創業大正十五年 蓼科(たてしな) 親湯(しんゆ)温泉」(長野県茅野市)が、宿泊客のツイートがきっかけで注目を集めています。書架も家具もエレガントでムード満点だし、延々読書に浸ってしまいそう。宿に蔵書の由来などを聞きました。



【画像】本がずらりと並ぶ「岩波文庫の回廊」



 同館は大正15年(1926年)創業の老舗。地元の茅野市が文人ゆかりの地であることから、ラウンジで膨大な書物を提供しています。この「みすずLounge&Bar」では、みすず書房の書籍をはじめとする多数の本を収蔵。お酒を片手に楽しめます。



 岩波文庫の特集スペース「岩波文庫の回廊」も名物の1つ。茅野市から程近い、諏訪市出身の岩波書店創業者、岩波茂雄の功績をたたえる展示もあります。



 蓼科の地で詩を詠んだ伊藤左千夫や、新婚旅行で同館を訪ねた太宰治など、ゆかりのある文人にまつわる展示も。当時の掛け軸や宿帳が並ぶ様は、100年近くにも及ぶ歴史を物語ります。



 Twitterユーザーのしをはらさんは9月下旬に同館に宿泊し、「1泊2日で読み切れるわけないやろがーい!」と絶叫しつつも歓喜。温泉もそこそこにラウンジへ張り付き、読書にふけっていたそうです。



 しをはらさんがTwitterで「最低でも2泊いや3泊は欲しい」「壁がすべて本棚なんですよ信じられない」と興奮気味に語ったことから、同館は広く知られることに。「これは天国」「こんな夢のような温泉がこの世に」「湯治と称してこもりたい」と話題を呼び、岩波文庫公式アカウントからも称賛の声が上がりました。



 編集部は蓼科 親湯温泉を取材し、この空間が出来上がった経緯など、詳細を聞きました。



―― 3万冊もの蔵書を設置したきっかけを教えてください



蓼科 親湯温泉 当館は文人たちに長く愛された宿です。江戸時代は地元の湯治場としてひっそりと存在するだけでしたが、明治にアララギ派で有名な伊藤左千夫が蓼科 親湯温泉にて、「蓼科山歌」を詠んだことがきっかけで世に広まることとなりました。それから文人が訪れるようになり、多くの作品が生まれました。太宰治も新婚旅行で当館をご利用いただいております。そういった背景から、今の蓼科 親湯温泉を作るきっかけとなった文人たちの書物を館内に置いております。



―― 館内の「みすずラウンジ」や「岩波文庫の回廊」は、みすず書房の社主が茅野市、岩波文庫の創業者も諏訪市の出身であることと関係はありますか?



蓼科 親湯温泉 まさにその通りです。同じ地元出身の方々が出版事業を通して日本の文学と哲学に多大な功績を残し続けていることを誇りに思い、その名を冠したスペースを創りました。



―― 蔵書はどのように選定したのでしょうか。先ほどの2社以外の本も取り扱っていますか?



蓼科 親湯温泉 書架には社長が読んだ本を随時陳列しておりまして、蓼科にまつわる文学の歴史と、地域の出版創業者と、本好きの社長が自宅から持ってきた約1万冊が合わさって生まれた世界です。本と映画しか友だちのいない社長が、自宅では再現できない「こんな書斎をつくりたい」をホテルにて具現化した空間なのです。



―― 蔵書について、宿泊客からの評判はいかがでしょうか



蓼科 親湯温泉 本が好きな方にはもちろんのこと、普段本に触れる機会が少ないお客様にも、手にとっていただいたり写真を撮られたりと好評です。



―― 蔵書以外で力を入れている取り組みがありましたら教えてください



蓼科 親湯温泉 当館に縁のある10人の文人たちをイメージした客室「蓼科倶楽部」のほか、大人のくつろぎを存分に楽しんでいただけるよう、ラウンジでのウェルカムドリンクや貸切風呂、周りに気兼ねなくご堪能いただける個室レストランの用意もございます。連泊でご利用される方も多いため、そのようなお客様には無料のランチサービスも行っております。


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