「お客様の中でお医者さまはいらっしゃいますか?」飛行機や新幹線で耳にするドクターコール どんな医者も躊躇する

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2022年10月07日 15:30  まいどなニュース

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東海道新幹線の車内(oka/stock.adobe.com)

 私が医者になって3年目、東京で開かれる日本外科学会総会に参加するため、金曜20時京都駅発の新幹線に乗りました。発車後10分ほど経った頃「お客様の中でお医者さまはいらっしゃいますか」と車内放送が流れました。乗客の急な体調不良とのこと。さてどうしたものか。

【写真】約4割の医師が「燃え尽き症候群(バーンアウト)になったことがある」と回答

 ちょっと待てよ。自分は外科学会総会に参加するため、この新幹線に乗っている。しかもこの列車は博多発。同じように明日から学会に出席する教授・助教授クラスの大物外科医が何人も乗っているはず。研修医に毛が生えたような自分がノコノコ顔を出しても、邪魔者あつかいされるだけだろうと、もういちど車内放送が流れるまで行かないことにしました。

 それから10分ほどで再び車内放送が流れました。身体が緊張する私。「急病のお客様を病院に搬送するため、次の岐阜羽島駅に緊急停車いたします」やっぱり、偉い外科の先生が乗っておられたんだ。ところが車内放送はまだ続きます。「お集まりいただいた大勢の(・・・)お医者さま、ありがとうございました」あぁ行かなくてよかった。逆に恥をかくところでした。

 飛行機や新幹線でドクターコールが流れた時、どんな医者も躊躇(ちゅうちょ)します。自分の手に負えなかったらどうしよう。誤診したらどうしよう。不安がよぎります。でも何も行動しないと、あとでずっと後悔が続くでしょう。

 新約聖書には「善きサマリア人の法」というのがあります。急病人を救うために善意でできる限りのことをしたのなら、失敗しても責任を問わないという教えです。米国ではこの考えが法律化されていますが、日本ではまだ議論の途中で、法律として立法化されていません。その辺り、早く何とかして頂きたいと思うのですが。

◆松本 浩彦 芦屋市・松本クリニック院長。内科・外科をはじめ「ホーム・ドクター」家庭の総合医を実践している。同志社大学客員教授、日本臍帯プラセンタ学会会長。

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