板谷由夏、17年ぶりに映画『夜明けまでバス停で』に主演!仕事と子育ての両立で「38歳ぐらいまで記憶があまりない(笑)」

1

2022年10月07日 16:00  週刊女性PRIME

  • 限定公開( 1 )

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

週刊女性PRIME

板谷由夏   撮影/吉岡竜紀

「私が役者を始めて間もないころにお世話になった親鳥みたいな方です。いつかまた一緒にできるように仕事を頑張ろうと思う気持ちがずっと私の中に流れていました。でも、まさか主役とは思っていなかったので最初はびっくりして、おそれ多かったです」

 こう語るのは板谷由夏。“親鳥みたいな方”とは高橋伴明監督。監督の最新作『夜明けまでバス停で』(10月8日公開)で17年ぶりの主演作に挑んだ。高橋監督と組むのは『光の雨』(2001年公開)以来になる。

日常のすべてが「芝居に役立つ」

「監督から起用理由とか何も言われていないです。“板谷〜、やるぞー”“台本、読んだかー”ぐらい。周囲から“板谷さんとやれることに監督がすごく喜んでいましたよ”と聞いたときには“ヨッシャー!”ってなりました」

 現場では監督の声が心地よかったという。

「緊張感も励ましも作品への思いもすべて監督の“よーい、スタート”“カット”の声に凝縮されていて、その声がたまらなく気持ちよかったです」

 作品は、2年前に路上生活者とみられる女性がバス停のベンチに腰かけているところを男性に殴打されて死亡した事件をモチーフにしている。

 板谷演じる三知子は、焼き鳥店で住み込みのアルバイトとして働いていたが、コロナ禍を理由に解雇され仕事と家を同時に失ってしまう。途方に暮れる三知子がたどり着いたのはバス停だった……。

「台本を読んでいるので主人公がどうなるかわかっていても(演じていて)三知子のような状況に置かれると歯向かって戦う、(生活を)軌道修正するエネルギーは湧いてこないと思いました。自分の人生に起きた事柄をただ受け入れるしかなくて、どう立ち上がればいいのかもわからないうちに窮地に追い込まれていった人は多いと思います」

『欲望』以来17年ぶりの主演映画については、

「そんなにたちますか(笑)。今回は、伴明さんと仕事ができることがうれしくてそれにつきます。『光の雨』は強烈でした。ピリッとした空気感がありつつ映画の現場って気持ちいい、楽しい。こういう現場にずっといたいと思いました」

 女優デビューから23年。キャリアウーマンから下町の働き者のシングルマザーなど幅広い役柄を演じている。

「20代のときは何度か挫折しました。でも女優をやめたいと思ったことはないかな。
結婚して子どもができてから、芝居に取り組む姿勢が変わりました。独身のときは自分だけの時間、芝居のことだけを考えていればよかったけど、家庭生活や子育てはそれが分散される。

 でもわずかな隙間を縫って糸みたいな集中力を保って芝居に向かうほうが自分には向いていると気づきました。母をやっていても妻をやっていても子どもの送り迎えでさえも全部が芝居に役立つと思えます。きちんとした日常生活が仕事にもつながっていく。独身のときよりもクオリティーの高い集中ができるようになりました」

自宅で行う“フレッシュ”な趣味

 31歳のときに結婚。子育てと仕事を両立し現在は中学2年生と小学4年生の2人の男の子のママ。

子どもが小さいときは(公私を)切り替える暇もないくらい忙しかった。毎日必死すぎて38歳ぐらいまで記憶があまりないです(笑)。そんななかで3人の子どもを持つ先輩の女優さんに“子どもを育てながら仕事をするのは大変よ。

 でもやりたいと思った仕事は断っちゃダメよ。どんなに大変でも後になってできたと思えるからやりなさい”と。そのアドバイスを聞いてからは、子どもや家庭を理由に、やりたい仕事を断ることはやめようと決めました」

 女優以外にニュースキャスターや映画情報番組のMCなどにも挑戦した。

「('18年に卒業したニュースキャスターの仕事は)体力的には無理していたと思うけど、30代だからできた。今の状況で同じことは絶対に無理です(笑)」

 ファッションブランドを立ち上げるなど活動範囲を広げている。

「やったことがない仕事はやってみようというスタンスです。例えばラジオの長時間生放送やバラエティー番組の司会とか。ふたつとして同じ仕事はないので女優にこだわらず、年齢を重ねてもやりたいという好奇心を忘れずにいたいと思います」

 垣根のない自然体の言動に魅力の一端を垣間見た。

◆趣味は庭いじり

 自宅の庭で初めてじゃがいもを収穫したほかミニトマト、ハーブなどを栽培している。

「夏の時季は2、3日で成長しちゃいました。ミニトマトをパスタソースにしたりします」

 フレッシュ野菜がスタイル維持の秘訣?

「食事でコントロールはします。ジムは苦手。頑張っている姿を人に見られるのが気恥ずかしくて……。体力が落ちているのを感じていて筋力をつけたいとは思っています」

ヘアメイク/結城春香 スタイリスト/古田ひろひこ 衣装/SINME

    ニュース設定