セーブ王2回、球宴選出4回も…ワールドシリーズとは未だ無縁な“悲運の守護神”

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2022年10月17日 17:30  ベースボールキング

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マーク・メランソン
◆ デビューして最初のチャンスは2009年

 メジャー実働14年間で732試合に登板。37勝40敗262セーブ、防御率2.94──。

 これはダイヤモンドバックスに所属するマーク・メランソンのメジャー通算成績である。




 これまでセーブ王に2度輝き、オールスターにも4度選出されるなど、メジャーでも指折りの守護神と呼べる存在。

 しかし、これだけの実績があるメランソンでも、いまだワールドシリーズとは縁がない。


 メランソンがメジャーデビューを果たしたのは、ヤンキース時代の2009年だった。

 若手有望株の一人として、1年目はメジャーと3Aを行き来。シーズン終盤の9月にもメジャーで何度かチャンスを与えられたが、4試合中3試合で失点を喫し、シーズン終了を待たずにマイナー行きを言い渡された。

 今となってみれば、もしこの時にチャンスをつかんでいれば、ヤンキースの世界一をベンチから見届けることができていたかもしれない……。


◆ 守護神として定着も頂点には遠く

 2010年はシーズン途中にアストロズへ移籍。当時のアストロズは今と違って低迷期の真っただ中だった。

 ただし、層の薄さもあってメランソンはメジャーに定着。2011年には106敗を喫したチームの中で守護神を任され、20セーブを挙げる活躍を見せた。

 同年オフにはトレードで常勝軍団のレッドソックスに移籍。勝利の方程式を担う一人として活躍が期待されたが、防御率6.20と散々な成績に終わり、わずか1年でパイレーツへと放出されてしまった。

 ちなみに、レッドソックスはメランソンを放出した翌年にワールドシリーズを制覇している。


 その後、パイレーツに移籍したメランソンは前年からうってかわって成績も安定。守護神の座を勝ち取ると、2013〜2016年にかけて3度もオールスターに選出される活躍を見せた。

 2016年の途中には優勝を争っていたナショナルズにトレードされ、ポストシーズンでもチームに貢献。ところが、地区シリーズでドジャースに敗れ、ワールドシリーズの大舞台には届かなかった。


◆ 今季も“前所属”チームが快進撃

 メランソンが2017年から2019年途中にかけて所属していたのはジャイアンツだった。

 当時のジャイアンツは2010年、2012年、2014年と隔年で世界一に輝いていたが、メランソンが加入した当時はちょうど低迷期に差し掛かった頃。3シーズン全てでチームは負け越している。

 その2019年途中に移籍した先はブレーブス。2020年までの1年半を過ごし、2年連続でポストシーズン進出を果たしたが、2019年は地区シリーズ、2020年はリーグ優勝決定シリーズ止まりだった。

 こうして迎えた2021年は、1年契約を結んだパドレスでプレー。自身は39セーブを挙げて2度目のセーブ王に輝いたが、チームは負け越してポストシーズン進出を逃している。

 ちなみに、この年の世界一に輝いたのは、前年まで所属していたブレーブスだった。


 パドレスとは1年で別れを告げ、メランソンは昨季オフに再建中のダイヤモンドバックスと2年契約を結ぶ。

 しかし、37歳で迎えた今季は防御率4.66と不振に陥り、チームも低迷。一方で、昨季所属していたパドレスは今季ポストシーズンで快進撃を続けており、ワールドシリーズ進出まであと4勝に迫っている。


 そのキャリアを振り返っても分かるように、メランソンはシーズン途中のトレードで優勝争いをしているチームに移籍する機会も多く、何度もポストシーズンを経験している。

 にもかかわらず、なぜかワールドシリーズとは無縁。ニアミスも少なくない。


 メランソンはこのまま“悲運”の守護神としてキャリアを終えるのか、それとも最後の最後にチャンスは巡ってくるのか。

 2年契約の2年目となる来季、まずはしっかりとチームの信頼を勝ち取りたい。


文=八木遊(やぎ・ゆう)

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