球団史上初の日本S連覇に挑む高津ヤクルト 勝利を呼び込む投打のポイントは?【夢追うツバメたち】

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2022年10月22日 06:50  ベースボールキング

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日本シリーズでもキーマンとなりそうなヤクルト・村上(右)とサンタナ(左)[写真=別府勉]
◆ 第36回:日本一連覇へのポイントを探る

 プロ野球は22日、日本シリーズが開幕する。ともにリーグ連覇を果たしたヤクルトとオリックスが2年連続で対戦。ヤクルトは球団初の日本一連覇を達成できるか。勝利を呼び込む投打のポイントについて探った。


 日本一を決める戦いに向けて、ヤクルトの4番・村上宗隆は「やってやるぞという気持ち」と話し、去年の雪辱に燃えるオリックスに対して「僕らもそれに立ち向かって、チャレンジャーとして戦っていければなと思います」と、意気込みを語った。

 第1戦の先発はオリックスが山本由伸。昨年の日本シリーズでは7打数1安打4三振と抑え込まれた相手だ。村上は「誰もが認める日本のエースだと思いますし、こういう日本シリーズという最高の舞台で戦えることは光栄です」としながらも、「短期決戦なので、勝てるように頑張ります」と、決意をにじませた。


 球界のエースを中心としたオリックス投手陣をどう攻略するか。高津臣吾監督は、シーズン中も常に次の「1点」にこだわり続けてきた。チーム全員でつなぎ、チャンスで確実に「1点」でも多く得点を重ねていきたい。

 CSファイナルステージで2試合連続アーチを放ちMVPに輝いたオスナは、日本シリーズでもポイントゲッターとしての役割が期待される。

 オスナはCS第1戦での貴重な先制3ランについて「前の打者が全員つなぐ意識で、全員のつなぎたい気持ちがまさにその瞬間伝わったのかな」と、チームに流れを呼び込んだ一発を振り返った。


 打線は、村上の後を任せられる2人の外国人選手がいかに走者を還す活躍ができるか。オスナに加え、昨年の日本シリーズで2本塁打を放ったドミンゴ・サンタナにも注目したい。

 日本シリーズ前の練習では、笑顔で村上とノックを受ける姿が印象的だったサンタナ。シーズン中は、村上について「ムネ(村上)は皆さんご存じの通り素晴らしいバッターなので、彼は絶対結果を残すと思います」と、主砲への信頼感を口にしていた。

 さらに「彼の後を任されるということは自分も打点を稼ぐチャンスもありますし、それ以上に自分の後を打つバッターたちにもいい形でつなげられるように、自分も出塁したいと思っています」と話していた。

 今季は4月上旬に下半身のコンディション不良で途中離脱。米国で左半月板のクリーニング手術を受けた。それでも60試合の出場で打率.275、15本塁打、35打点の成績を残している。

 走者を置いた場面、勝負所での一発が魅力のサンタナ。その打棒で、オスナとともに日本シリーズでの活躍が大いに期待される。


◆ いかに9回のクローザーまでバトンを繋ぐか?

 昨年の日本シリーズは6戦すべて2点差以内の展開だったが、今年も投手陣は「1点」の重みを感じながらゲームに臨むことが予想される。


 第1戦の先発は小川泰弘。今季8勝を挙げ、唯一チームで規定投球回に達したエースは、リーグ優勝を決めた一戦、さらにはCSファイナルステージでも大事な初戦を任されてきた。

 小川は「緊張感のある中でしっかり攻めの投球ができたと思います」と、CSでの登板を振り返り、日本シリーズの登板に向けては「勝つことが一番なので、勝つために最少失点で粘る。しっかり試合をつくった上で後続につなぐということをやっていきたい」と、粘りの投球を約束した。


 小川の言葉通り、リリーフ陣を含め、いかに最少失点で守り切ることができるか。シーズン終盤に貴重な中継ぎ左腕として活躍した4年目の久保拓真は、ブルペン陣について「みんなしっかり何とかスコット(マクガフ)にいい形でつなごうという気持ちを持っていると思います」と話していた。

 クローザーのマクガフまでいかに勝利のバトンをつないでいくか。8回には清水昇、その前を、左腕の田口麗斗や今季リリーフで9勝を挙げた木澤尚文、かつての守護神・石山泰稚らがその役割を担う。


 投打ともに充実したチーム力で、2年連続の大舞台に挑むヤクルト。勝敗を分ける場面ではその力が試される。全員で球団史上初の栄冠をつかみ取る。


取材・文=別府勉(べっぷ・つとむ)

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