タロンガ動物園で暮らすライオンたち(画像は『Independent.ie 2022年11月2日付「Visitors rushed to safety as five lions escape from enclosure at Sydney zoo」』のスクリーンショット) オーストラリアのシドニーにある動物園で、ライオン5頭が展示エリアから脱走した。動物園は一時閉鎖されることとなり、園内は緊迫した空気に包まれた。動物園の広報担当者によると、すべてのライオンが保護され、ケガ人は1人も出なかったという。『The Washington Post』などが伝えている。
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オーストラリアのシドニーにあるタロンガ動物園で11月2日、オスのアフリカライオン“アト(Ato)”と子ライオン4頭が展示エリアから逃げ出した。
当時のタロンガ動物園では「うなり声といびき(Roar and Snore)」という宿泊体験プログラムを開催していた。このプログラムは、サファリスタイルのテントで動物の鳴き声を聞きながら一晩を過ごすというものである。5頭のアフリカライオンが逃げ出したことで、プログラムの参加者は早朝に動物園のスタッフによって起こされ、急いでその場を離れることとなった。
プログラムに参加したマグヌス・ペリさん(Magnus Perri)が地元メディアに語ったところによると、動物園のスタッフは「テントから出て逃げてください。今すぐ来て、持ち物は置いていってください」と言いながら、テントエリアへ走ってきたという。ペリさんは「最初は訓練だと思ったが、すぐにもっと深刻な問題があることに気づいた」と明かしており、「何か」が外に出てきてそれが「ライオン」と気付いた瞬間に恐怖を感じたそうだ。スタッフは参加者全員を安全な場所に誘導して避難させた。
動物園側の説明によれば、ライオンは展示エリアに隣接する場所に入り込み、そこはプログラムの参加者が宿泊するテントから約100メートル離れていたそうだ。
ライオンの展示エリアの周囲には二重の柵が設けられていた。ライオンたちは1つ目の柵を乗り越えており、入り込んだ場所は高さ約183センチの2つ目の柵に囲まれていた。動物園の事務局長であるサイモン・ダフィーさん(Simon Duffy)は「ライオンが展示エリアに隣接する場所やタロンガ動物園の外に出たことは一度もありません」と話したが、実際のところライオンは3メートル以上の高さまでジャンプするケースもあるという。
幸いにも5頭のライオンのうち4頭は落ち着いて展示エリアに戻り、残りの1頭は麻酔を施されてから戻されたとタロンガ動物園は声明で述べている。
また同園はライオンの展示について「100%安全」であることを確認するために、さらなる検査が行われるまで閉鎖されたままでいることを明かした。
今回のライオンの脱走に、Twitter上では「動物園でテントでの宿泊をいいアイデアだと思ったのは誰?」、「脱走? それともブランチにお出かけ?」、「動物は柵の中で暮らすのではなく自由になるべき」といった辛辣なコメントが多数あがっている。
ちなみにタロンガ動物園で動物が脱走したのは、今回が初めてではなかった。2021年1月には、チンパンジーが一時的に柵の外に座っているのが目撃された。しかしこのチンパンジーは、今回の大半のライオンと同様に自ら囲いの中に戻ったという。
画像は『Independent.ie 2022年11月2日付「Visitors rushed to safety as five lions escape from enclosure at Sydney zoo」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 H.R.)