首都直下地震から命を守る対策 揺れによる建物の破壊と火災に備えて準備すべきこと

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2022年11月27日 08:00  AERA dot.

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東京都「地震に関する地域危険度測定調査(第9回)」から(AERA2022年11月28日号より)
 東京都は9月上旬、首都直下地震による被害想定を公表した。地震発生時の建物倒壊や火災の危険度を地域別に評価している。では、地震のリスクに向き合ったうえで、どのように備えればいいのか。2022年11月28日号の記事を紹介する。


【表】東京の危ない町、安全な町は?「首都直下地震危険度ランク」はこちら*  *  *


 地震から身を守るにはどうすればいいか。政府の中央防災会議委員を務めた常葉大学大学院の重川希志依(きしえ)教授(防災教育)によると、首都直下地震で命を失う主な要因は、地震の揺れによる建物などの破壊と火災。この二つに対する対策をしっかりと取ることが重要となる。


 建物の破壊に備えた耐震化について、地域危険度測定調査部会で部会長を務めた、東京都立大学の中林一樹名誉教授(都市防災学)は次のように話す。


「建築基準法が改正されて81年に『新耐震基準』になりましたが、すでに40年以上が経過しています。さらに被害を減らすには、木造住宅への耐震基準をより厳しくした『2000年基準』に合わせた耐震改修も必要です」


 総合危険度が「1」や「2」であっても、地震で揺れる。家具の固定、落下物への備えも必要だ。とりわけ就寝中は無防備な状態なので、寝室には大きな家具などは置かないようにしたい。特にマンションは高層階ほど揺れるので、家具は固定しガラスには飛散防止フィルムを張ったほうがいい。


 火災への対応も忘れてはいけない。中林名誉教授は言う。


「地震による出火の原因の6割は、地震の揺れに伴う電気機器からの出火です。避難する際は、ブレーカーを落とす。また、大きな揺れを感知すると自動的に電気を止める感震ブレーカーも効果的です」


■自助なくして共助なし


 火災が起きたら、延焼を防ぐためにも初期消火が大切。普段から隣近所と火災への対策を相談しておきたい。


 大地震が起きたら冷静ではいられない。だからこそ、重川教授は(1)自分の命は自分で守る(2)皆で助け合い互いの命を守り合う──という防災教育が子どもの時から大切になると指摘する。



 例えば、子どもだけで家にいて地震で火災が起きた場合、大声で周りの大人たちに助けを求め、床をはうように姿勢を低くして煙のないほうに逃げることが必要だ。こうした知識を、防災訓練などを通して子どもたちに教えておけば、火災による犠牲を減らすことができる。


「そして、学校での避難訓練も全員が一斉に決められた避難場所に避難するだけでなく、逃げ遅れた人がいないか、けがをした友だちがいないかなど声をかけ合いながら避難する訓練を行うことが大切です。そうすることで、お互いの命を守る防災力を身につけることができます」(重川教授)


 中林名誉教授も「自助なくして共助なし」と話す。


「行政の最大の課題は、マンパワーが足りないことです。そのため、例えば備蓄があっても運ぶ人員も車両もありません。しかし、住民一人一人が自分たちでできる自助で被害を軽減し余力が生まれれば隣人にも目を向けることができ、地域全体での共助が生まれ、さらに公助を有効に活用することもできます」


(編集部・野村昌二)

※AERA 2022年11月28日号より抜粋


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