福西崇史がカタールW杯で目に焼き付けたい選手は?「10代の若手選手に期待。その中でもベリンガムに注目です」

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2022年11月27日 11:21  週プレNEWS

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W杯の注目選手をフカボリ!


不動のボランチとしてジュビロ磐田の黄金期を支え、2006年開催のドイツワールドカップには、日本代表の中心メンバーとして出場。日本サッカーが世界水準へと飛躍していく瞬間をピッチの中央から見つめていた福西崇史。 

そんな福西崇史が、サッカーを徹底的に深掘りする連載『フカボリ・シンドローム』。サッカーはプレーを深掘りすればするほど観戦が楽しくなる! 

第44回目のテーマは、カタールワールドカップの注目選手。連日熱戦が続くカタールW杯で目に焼き付けるべき注目選手は誰か? 福西崇史が語る。

 * * *

カタールワールドカップが始まりましたね。ぼくは開幕から1週間ほど現地カタールに滞在していました。日本代表戦はもちろんのことですが、各国代表の試合をスタジアムで生観戦してワールドカップを堪能できました。

カタール大会は8つの会場で行われていますが、これまでのワールドカップと大きく違う点は、すべてのスタジアムがドーハから1時間足らずで行けるということ。このため、スタジアムをハシゴしてグループリーグを連チャンで観戦することが可能なんですね。

都市間の距離が遠かった過去の大会では、こうした観戦は不可能でした。でも、今大会は1日に最大4試合をスタジアムで生観戦できる。この利点を生かして、ワールドカップの数多くの試合をこの目に焼き付けることができました。

そんな今大会のグループリーグでぼくがもっとも楽しみにしている対戦カードは、グループEのスペイン対ドイツ戦です。もちろん日本代表の試合は楽しみですよ。でも、日本戦は楽しみな面だけではありませんからね。それに比べると、他国同士の試合というのは純粋にファンとしてサッカーを楽しめるんですよね。

この2ヵ国は、日本代表とグループリーグで対戦することばかりに注目されてしまったのは仕方ないとは思うのですが、優勝経験国2ヵ国同士が直接対戦する、これは見逃せません。グループリーグは全部で48試合が行われますが、ワールドカップ優勝経験国同士の対戦となると、この試合しかありませんしね。

しかも、グループリーグ初戦の結果は好対照でした。スペイン代表はコスタリカ代表を7-0で危なげなく退けましたが、ドイツ代表は日本代表に逆転負け。グループリーグ突破に向けて苦しい状況のドイツ代表が、このスペイン戦でどう巻き返すのか。

グループリーグ2戦目というのは、強豪国のコンディションは初戦よりも上がってきます。初戦よりもさらにいいパフォーマンスになることは間違いないですし、優勝経験国がグループリーグで姿を消すことが決まるかもしれない一戦になっただけに、興味は増しましたね。

しかも、両国とも世界が注目する10代の選手がいます。スペイン代表のペドリ(バルセロナ)は11月25日に20歳になりましたが、ガビはまだ18歳。ドイツ代表にも19歳のジャマル・ムシアラ(バイエルン)と18歳のユスファ・ムココ(ドルトムント)がいる。すでにクラブでは中心選手として活躍し、ここからの4年間はサッカー界の中心的存在になって不思議ではない彼らが、初めてのワールドカップでどんなプレーを見せてくれるのかにも注目しています。

10代のプレイヤーで言えば、前回大会は19歳だったキリアン・エンバペ(パリ・サンジェルマン)がフランス優勝の原動力になり、そこからの4年間は世界のトップに駆け上がりました。今大会も先に挙げたスペインのふたりをはじめ、注目の10代プレイヤーは数多くいますが、そのなかで注目しているのがイングランド代表のジュード・ベリンガム(ドルトムント)です。

2020年に17歳でA代表にデビューし、2021年のEUROも経験しました。今大会も初戦のイラン戦にスタメン起用されると先制ゴールをマークするなど、持ち味を十分に発揮しましたね。

ベリンガムのなにが凄いかと言えば、推進力のあるドリブルや高いボール奪取能力はもちろんなんですが、それ以上に目を見張るのが、味方を動かすプレーができること。まだ19歳ですよ。それなのにプロの世界で十数年も飯を食い、幾多の修羅場をくぐり抜けてきたようなプレーをするわけです。

味方を動かすというのは、単にパスで動かすだけではないんですね。立ち位置だったり、ボールの出しどころだったりなど、ボールのある・なしに関わらず、ベリンガムは味方を上手に動かしながらサッカーをやっているんです。こういうプレーを経験のある選手がしても驚かないんですが、ベリンガムにはまだそこまでの経験値はないわけです。サッカー観が抜群に秀でているんでしょうね。

サッカーの技術は教えられながら身につけていくことはできますが、サッカー観は教えられたからといってそう簡単に備わるものではないですからね。経験がなくても味方を使うことに長けているベリンガムが、今回のワールドカップで経験値を高めることで、今後はどういう成長曲線を描くのか。こればかりは予想もつきませんが、過去の偉大な選手たちを遥かに超えるスケールの選手へと育っていく可能性はあるなと思っています。

このほかにも、オランダ代表にA代表経験のないままメンバー入りしたMFシモンズ(PSV)や、コスタリカ代表にも18歳のMFのベネット(サンダーランド)などがいます。ワールドカップの期間中でも見違えるほど成長するのが若い選手の特長でもありますからね。彼らがこの舞台でどういう輝きを放つのかも楽しみにしていますし、次回大会には日本代表にも、10代でメンバー入りする選手が現れてもらいたいと思っています。

構成/津金壱郎 撮影/鈴木大喜

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