ROOKIE Racingのスーパー耐久参戦でなぜメルセデスAMG GT3? オーナーとパートナーの思い

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2022年11月27日 14:00  AUTOSPORT web

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2023年のスーパー耐久ST-Xに参戦する中升ROOKIE AMG GT3のカラーリング
 11月25日、ENEOS スーパー耐久シリーズ2022 Powered by Hankookに参戦するROOKIE Racingが2023年の参戦体制を発表したが、水素エンジンを積むORC ROOKIE GR Corolla H2 concept、そしてカーボンニュートラルフューエルで戦うORC ROOKIE GR86 CNF Conceptの2台に加え、なんとST-Xクラスに、メルセデスAMG GT3を投入することになった。ファンにとっても大きな驚きとともに受け止められた体制だが、メルセデス使用の理由を、来季監督兼ドライバーとして参戦することになった片岡龍也に聞いた。

 ROOKIE Racingは、トヨタ自動車の豊田章男社長が自らオーナーを務めるレーシングチームで、2018年にスーパー耐久に参戦を開始。『モータースポーツを起点とした、もっといいクルマづくり』、『世界で戦えるクルマ屋集団を作る』、『モータースポーツ産業を魅力あるものに再興する』というコンセプトを掲げ、スーパー耐久ではトヨタ86、GRヤリス、そして2023年も戦う水素エンジン搭載のGRカローラ、GR86と投入してきた。

 当然これらはすべてトヨタ車であり、開発車両のために設けられたST-Qクラスを活用し、チームが掲げるコンセプトどおり『モータースポーツを起点とした、もっといいクルマづくり』、さらにスーパー耐久で戦う他チームのために貢献できるよう開発をメインにして戦ってきた。

 そんなROOKIE Racingが、2023年からST-Xクラスに、それもトヨタ/レクサス車ではなく、メルセデスAMG GT3を使うという決定は、大きな驚きをもって迎えられた。これについて、来季監督兼ドライバーとして戦うことになった片岡に聞いた。

 チームは2022年から、アジアを視野に入れさまざまなパートナーを迎え入れていたが、そのうちのひとつが、中国の中升集団(ゾンセングループ)。中国でさまざまな自動車メーカーのディーラーを経営しており、トヨタ/レクサス、さらにメルセデスも「世界一売っている」という。

 そんな中升集団のファン・イー会長から、一緒にアジアを視野に入れた活動を行いたい……という希望を受けたのがROOKIE Racingだった。そのため、中升集団がメルセデスAMG GT3を購入し、ROOKIE Racingがあくまでプライベートチームとしてメンテナンスを請け負うというのが、今回の参戦の経緯だ。

 また、もうひとつの狙いとして、スーパー耐久の総合優勝を狙うST-Xを選んだことは「今まで『もっといいクルマづくり』という狙いを中心として戦ってきましたが、今度は『勝つ』ために、コンペティションのなかに真剣に身を置くことで、ROOKIE Racingとして新しい景色を見たいということです」と片岡は言う。またチームのスタッフにも、総合優勝を狙うことで人材を育てることにも繋がる。

 さらにこれまでST-Qの戦いでは、豊田章男オーナーの希望で表彰台には立てるようになったものの賞典外で、“順位”はついていなかった。「今までは、フィニッシュしても“勝ち負けがない”レースを戦っていましたが、オーナーから『プロドライバーたちが頑張って、表彰をきちんと受けるレースで戦って欲しい』という希望もありました」

 中升集団は日本車以外ではアウディやポルシェも取り扱っているが、今回メルセデスを選んだのは中升集団の意向、さらに片岡と蒲生尚弥がメルセデスの豊富な経験をもち、自分たちのレベルを知ることができるということが理由としてある。また、メルセデスAMG GT3が世界で見ても最もポピュラーな車両であるということも選択の理由ではあるという。ちなみに、このチョイスが現在トヨタが開発を進めているGR GT3に繋がるものか言えば、そういうわけではなさそうだ。

「『なぜメルセデスが世界で最も選ばれているのか』ということは学ぶことはあるかもしれません」と片岡は語った。メルセデスAMG GT3は、非常に優れたアフターケアがあり、整備性の優秀さやドライビングのしやすさなど、世界中のチームの評価が高い。ただ「メルセデスAMG GT3自体、設計が比較的古いクルマでもありますからね(編注:AMG GT3は2015年に公開された車両)。車体として学ぶことはないのではないでしょうか」という。

 トヨタ自動車豊田章男社長がオーナーを務めるROOKIE Racingではあるが、あくまでROOKIE Racingはプライベートチームだ。片岡は「GT3とはいえ、そうでなければメルセデスも車両を販売しないはずです」と語った。驚きではあるが、今回のST-X参戦体制は、若手の平良響を迎え経験を積ませるなど、アジアでの展開を視野に入れた、プライベートチームとしての合理的な体制と言えるのかもしれない。

中升 ROOKIE Racing 2023年スーパー耐久参戦体制
車両名:中升 ROOKIE AMG GT3
カーナンバー:14
監督:片岡龍也
ドライバー:TBA/蒲生尚弥/片岡龍也/平良響/TBA

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