夢しかない!クリスマスグッズ3千点超販売、銀座の書店が貫いた意地 売り場縮小でも守った「お客様本位」

0

2022年11月29日 07:00  ウィズニュース

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

ウィズニュース

東京・銀座の街中に建つ老舗書店では、驚くほど多種多様なクリスマスグッズを販売しています。本屋さんが、どうしてこだわりのアイテムを販売し続けるのでしょうか。=神戸郁人撮影

日に日に寒さが厳しくなり、冬の足音が聞こえてきました。この時期に楽しみなのが、クリスマスです。室内を彩る関連グッズを、10年以上にわたって販売する書店が、東京・銀座にあります。数多くの商品を取り扱い、そのほとんどをスタッフが海外から買い付けるこだわりぶりです。反面、世界との結びつきが強いゆえ、新型コロナウイルスやウクライナにおける戦争により、運営上の打撃も受けてきました。それでもなお、貫き続けているということとは? 関係者を取材しました。(withnews編集部・神戸郁人)

【画像】これぞ眼福!他ではお目にかかれないクリスマスグッズの大群 見ているだけで幸せになれそうな光景

クリスマス気分を高めまくる品ぞろえ
銀座の中心地に建つ書店の名は、教文館(東京都中央区)。1885(明治18)年、米国から派遣された宣教師たちが創業しました。キリスト教系書籍を中心に販売し、店内には児童書専門のコーナーを備えるほか、一般書も多く取りそろえています。

主にクリスチャン向け商材を扱う店舗ゆえ、2008年から続けているのが、クリスマスグッズの販売会「ハウス・オブ・クリスマス」です。毎年秋〜冬の約2カ月間、店内の一部区画に関連商品を陳列。今年の会期は10月28日〜12月25日です。

3階の一角に並ぶのはクリスマスカードやぬいぐるみです。くるみ割り人形といった定番アイテムに、はがきに貼る北欧製のイラスト入りシールや、すずを鋳造したドイツの伝統的な壁掛けオーナメントなど、個性豊かな品々が棚を埋め尽くします。

フロア全体が会場となっている4階に上がると、リースやタペストリーが出迎えてくれます。イエス・キリストの降誕がテーマの人形セット、聖書のエピソードを象徴的に図像化したアクセサリーもあり、見ているだけで心躍る風景です。

さらにシュトレンやレープクーヘン、全国の修道院で生産されたチョコレートといったお菓子まで購入でき、いやが上にもクリスマス気分が高まります。3千点超の商品が一堂に会するさまは、まさに壮観の一言です。

11月上旬、売り場を写した画像がツイッター上に出回ると、大きな反響を呼びました。「なんと愛らしいお店」「全然知らなかった、親子で行くしかない」。現在に至るまで、そのように好意的な感想が飛び交っています。

目が肥えた客に猖槓疇呂韻燭
「クリスマスは、日本社会に最も浸透している、キリスト教のメインイベント。特に気合を入れて臨もうということで、販売会を始めました」。そう言葉に力を込めるのは、教文館の小松譲治店長(58)です。

小松さんによると、ハウス・オブ・クリスマス向けの商品は、ほとんどが欧州などからの輸入品といいます。4階で買えるもののうち、全体の半分ほどが、3階に限るとほぼ全てが該当するそうです。

少しでも、質の高い品を提供したい。そんな思いから、ドイツ南部のニュルンベルクなど、欧州で行われるクリスマス市に書店スタッフを派遣。現地で直接買い付けたものを中心に取り扱っています。

売れ線なのは、アドベントカレンダーや、クリスマスツリーに飾りつけるオーナメントだとか。冬の街並みや民家の食卓をかたどり、柔らかな光を放つ電球を備えたドイツの木彫りおもちゃ・シュビップボーゲンといった、珍しい品も人気です。

「ドイツ以外にイタリアやメキシコ、バルト三国のラトビアなどを含めて、100を超える事業者から仕入れています。銀座のお客様は目が肥えていますから、やはり猖槓志向瓩鯊臉擇砲靴覆韻譴个い韻泙擦鵝そのことは常に意識していますね」

このほか、店内のギャラリーで自作品を公開しているアーティストからも、手製バッジといった商品の提供を受けています。クリスマス期間中は、平時以上に需要が高まるため、作者の売り上げに貢献できる側面があるそうです。

ウクライナ市民援助の機会も
小松さんいわく、販売会は元々、店舗9階にあった大ホールで開かれていました。しかし経営上の理由から、ホールの維持が困難に。昨年、会場を3・4階に移し、売り場を縮小した上で継続する運びとなりました。

その後、新型コロナウイルスが流行。客足が減った上、今年はロシアによるウクライナ侵攻のあおりを受け、国際的な物流コストが高騰しています。増加分を商品単価に転嫁せざるを得ないこともあり、コロナ禍前と比べ、平均して2割ほど高値となっているそうです。

それでも従来並みの品ぞろえを保てるよう、取引先と密に連絡を取り合い、販路の確保に奔走しました。「規模は小さくなったけれども、どこにも負けないくらいの量のアイテム数を誇っている」と、小松さんは胸を張ります。

今回、初めて輸入元となった国もあります。戦禍が続くウクライナです。西部の都市・テルノーピリで、熟練職人たちが手がけた、木製のアドベントカレンダーや降誕祭がテーマの人形を取り扱っています。

「2〜3年前、ドイツのクリスマス市で、ウクライナの商品取扱店と交流を持ちました。同国の工芸品は素朴な作りですが、色鮮やかで美しいんです。少しでも地元民の方々を援助できれば、という気持ちで販売しています」

努力のかいあって、今年もお客さんからの反応は上々だといいます。現状は幼稚園や学校からの注文が多く、これから会期末にかけて、個人客の訪問者数が増える見込みということです。小松さんは、最後にこう語りました。

「ネットショップでもグッズを購入できますが、実際に来店してこそ、品質の良さを分かって頂けると思います。地方にいらっしゃる方も、上京の折には足をお運びください。そして、平和で良いクリスマスを迎えてくださればうれしいですね」

   ◇

ハウス・オブ・クリスマスの特設ページ(教文館公式ウェブサイト内)
https://www.kyobunkwan.co.jp/christmas/

    ランキングトレンド

    ニュース設定