リノベのプロがやさしく解説「リノベの七不思議」 第4回 中古マンションのリノベーションって、いくらでできるの?

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2022年11月30日 13:02  マイナビニュース

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大学でまちづくりや設計を学び、ワンストップリノベーションサービス「リノベる。」で累計約700組の住まいづくりに寄り添ってきた小野寺七海さん。住宅購入の先にある人生も見据えた住まい方の提案を通じて、お客様にとっての「らしい暮らし」と、CO2排出量を抑えた環境にも優しい住まいづくりを推進しています。



連載にあたり、マイナビニュースの読者のみなさま約500名にリノベーションに関する疑問についてアンケートを実施し、沢山のご質問をいただきました。第3回の「中古住宅の寿命と性能」に関する話題に続き、第4回は「リノベーションのコスト」についてお話しします。


リノベーションの予算はどのくらいあればいいか教えて下さい

(40代・男性・会社員)



○リノベる 小野寺七海さんからの回答



憧れのアイランドキッチン、大きな土間、コンクリートむき出しの壁……オーダーリノベーションは夢が広がる分、予算が気になりますよね。


リノベーションは、見える範囲の内装はもちろんのこと、見えない部分、つまり水道やガスといった配管などのインフラや、断熱といった住宅の機能・性能に関わる部分も改修する、住まいの選択肢です。そのため、数十万円からできるリフォームとは、結果的に規模も金額も違ってきます。



ちなみに、ワンストップのオーダーリノベーションサービス「リノベる。」の中古マンションリノベーション費用の平均価格は、全国平均で約1,200万円です。一方で、真っ白なキャンバスに絵を描くように、一から作り上げていく理想の住まいだからこそ、予算も青天井になってしまうのでは……という心配もごもっともです。



そこで今回は、お客様から多くいただく予算にまつわる疑問の中から、2つの質問についてお話し出来ればと思います。合わせて、コストコントロールのヒントもご紹介しますので、ぜひ参考になさってください。


【2大質問】

【1】何をするとどれぐらいの費用がかかるの? どんどんこだわりが出て、最終的にとても高額になってしまうのでは……?

【2】予算設定はどのように決めれば良いの?


【1】何をするとどれぐらいの費用がかかるの? どんどんこだわりが出て、最終的にとても高額になってしまうのでは……?



リノベーション費用をコントロールするポイントは、ずばり「メリハリ」です。



”どんな時に幸せを感じるか”、”これからどんな時間を大切にしたいか”を整理して、大切なポイントにはこだわり、それ以外はシンプルにしていくことで費用をコントロールすることができます。



例えば、お料理好きのご夫婦は良いグレードのキッチンにすることでよりコミュニケーションが豊かになったり、ボードゲームが趣味のご家族は肌触りの良い無垢床にすることでより長く時間を過ごせるようになったり、お仕事で毎日忙しい方は、朝、気分があがるよう洗面所にお気に入りのタイルを貼ったり……これからの暮らしに想いを馳せて、お金をかける場所を決めていくことで、あなたにとって唯一無二の住まいを実現しましょう。



逆に、こだわりの少ない部分はシンプルにしていくことが大切です。銭湯に行くのが好きだからお風呂は低いグレードのもので十分という方もいるでしょうし、できるだけ同じ素材にして効率的に材料を使うことでコストコントロールをすることもできます。部屋を分ける間仕切りの枚数を減らしてコスト削減を叶えると同時に、お互いの気配を感じながら暮らすことだってできるかもしれません。



連載の第二回「リノベって、そもそも、何をどうしたらいいんですか……?」でお話ししたように、ご自身やご家族がどんな時に幸せを感じるかという「価値観」とじっくり向き合うことこそ、コストコントロールに有効な手段なのです。



【2】予算設定はどのように決めれば良いの?

まず言えるのは、最初から最低予算で組むのは危険、ということです。理由は2つあります。



一つ目は、リノベーションはスケルトン(コンクリートなどの建物の構造体のみの状態まで解体)にして、初めてわかることがあるからです。



アスベストなどが、その一例です。かつては防音材、断熱材、保温材などで使用されましたが、その繊維を吸引することで肺がん等の健康被害を引き起こす可能性があり、現在は原則製造等は禁止、昭和50年には原則使用禁止となった素材です。専有部にアスベストが見つかった場合には特別な処理方法が必要となり、これにはコストが発生します。



中古マンションは物件によって条件も状態も違います。そのため、バッファの予算はしっかり組む必要があるでしょう。



二つ目は、伸びしろの必要性です。物件選びや住まいづくりを通してイメージが鮮明になるからこそ、お金をかけるべきポイントへのこだわりやその深度も深まる可能性もありますよね。これからの大切な暮らしを営む場だからこそ、妥協はしたくない。そんな気持ちになるのも当然です。そんな時のために、ギリギリの予算で組むのではなく、バッファを設けることをお勧めします。



リノベーションは、「暮らしの質」と「物件の機能・性能と価値」を刷新することができます。そのため、予算についてはリノベーションのプロに相談しながら検討するのが良いでしょう。



最後に、コストコントロールの一つの方法として「部分リノベーション」をされたお客様のストーリーをご紹介します。


部分リノベーションとは、使える設備などを残してリノベーションをする方法のことです。



20代で中古マンションを購入してリノベーションをされたH様。お婆様の嫁入り道具だったという茶箪笥から発想を広げて、暮らしをつくりあげました。39.67屬鬟錺鵐襦璽爐砲垢襪海箸如◆嵳達を呼べる居酒屋のような心地よい空間」を実現しました。



もともと、物件探しの段階では部分リノベーションは想定していなかったそうです。「ライフスタイルコーディネーターさんから提案があるまでは、部分リノベーションという発想はありませんでした。どうしたら予算を抑えつつ理想のリノベに出来るか? を検討してる中で出たアイディアでした」



選ばれた物件はキッチン、トイレ、バスルームはリフォームされた状態だったためそのまま活用し、コストコントロールを実現されました。「キッチンなどを選ぶ手間が省けたので、他の部分を考える事に集中できました」と、副次的なメリットもあったそう。



さらに、コストコントロールのために、こんな工夫もされました。


・扉をあまり使わないようにする(1箇所のみ)

・塗装ではなく壁紙にする

・床を剥がさずその上にフローリングを貼る


上記写真はベッドルーム兼収納スペースです。空間をカーテンで仕切ることで、扉などの建具費用を削減し、ベッドの機能だけでなくフレキシブルな収納を叶えました。「部分リノベーションというとやれることに制限がでるのでは? と思われるかもしれませんが、メリハリを効かせることで出来ることが増えました! 」と嬉しい感想をお聞かせくださいました。



暮らしの中で大切にしたい時間や場所と、シンプルでよい場所を見極める。オーダーだからこそ必要なメリハリを意識して住まいづくりを楽しんでいただければと思います。



小野寺七海 おのでらななみ リノベる株式会社 コンセプトデザイン本部 営業推進部 部長。今年度、27歳で歴代最年少部長に就任し、累計4,000戸超の実績を持つワンストップリノベーションサービス「 リノベる。」にて、ミッションである「日本の住まいを、世界で一番、かしこく素敵に。」の具現化に向け邁進している。 この著者の記事一覧はこちら(小野寺七海)
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