水谷豊×寺脇康文「相棒」対談 右京が何度も亀山に言いたくなった言葉とは?

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2022年11月30日 17:00  AERA dot.

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左から水谷 豊(みずたにゆたか)/ 1952年生まれ、北海道出身。68年にドラマ「バンパイヤ」で初主演。以降、「傷だらけの天使」(74年)、「熱中時代」(78年)などに出演。2000年からはドラマ「相棒」シリーズが大ヒット。17年、主演映画「TAP THE LAST SHOW」で監督としてもデビューを果たした。寺脇康文(てらわきやすふみ)/ 1962年生まれ、大阪府出身。84年、「スーパー・エキセントリック・シアター」に入団し、俳優デビュー。94年、岸谷五朗と演劇ユニット「地球ゴージャス」を結成。映画、ドラマなど、幅広く活躍。2023年度前期のNHK連続テレビ小説「らんまん」への出演が決定している。(COVER STAFF 撮影/舞山秀一 ヘアメイク/浅見順子(WEST FURIE)スタイリング/斎藤真喜子 アートディレクション/福島源之助+FROG KING STUDIO 衣装協力 水谷豊/ピースクラウン、フレックスジャパン、(株)マルゴ、(株)フカシロ、INSpiRAL、JAEGER-LECOULTRE[時計]寺脇康文/TOYS McCOY PRODUCT、CASIO[時計])
 杉下右京(水谷豊さん)と亀山薫(寺脇康文さん)が初めてコンビを組んだ「相棒 警視庁ふたりだけの特命係」のスタートから22年。やがてドラマは「相棒」という国民的な人気の連続ドラマとなった。寺脇さんがドラマを離れて14年がすぎたこの秋、スタートした「相棒season21」では、薫が移住していたサルウィン(架空の国)から帰国。右京と薫の、ファン待望のコンビが復活した。その二人がドラマ「相棒」を語るスペシャル対談です。


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──第1回で、実家が営む酒蔵の酒を手に挨拶にきた薫を、右京が冷たくあしらうシーンが印象的でした。当時のお二人の心境は?


寺脇:そうなんです。新潟ですから、うち(亀山)の実家は(笑)。


水谷:右京がなぜ警察で働いているかというと、事件を起こした犯人を見つけ出したいという正義感の一点のみ。それ以外の価値観って、そもそも持っていない人なんですね。だから亀山くんがお酒を持ってきてくれたから、よくしてあげようとか、そういうことが一切ない。え? そのシーンで、僕、目薬さしてました? そうでしたそうでした(笑)。「亀山くんも、過去の特命係のメンバーのように、長続きしないんだろうな」と思っている……そんな心境を想像しながら、目薬をさしていたと思いますね(笑)。


──22年も続く国民的ドラマになるという手応えは当時ありましたか?


水谷:2時間の警察もの、最初、そう聞いて台本を読んだんですが、これがすごくおもしろかった。ただ、いままであまり経験したことのないタイプのドラマでしょう。僕としてはどれだけ見る人に伝わるかは、未知数なところもありました。


寺脇:僕なんかは、こんなに長く続くとは夢にも思っていな……いえいえ、もちろんできるだけ長くやりたい気持ちはありましたよ。こんなに演じていて楽しいドラマもないですし。とにかく一作一作、全力でやろうということしかなかったですね。



──右京のキャラに惹かれる男性が多いのも、ヒットの要因かと。


水谷:相棒が始まったばかりのころ、家に来た宅配便のドライバーが僕に気がつきまして。「『相棒』おもしろいですねー。でも妻が言うんです。『水谷さんはあんな冷たい人じゃなかった。だから相棒は見たくない』って」と。まあ、右京のタイプで、誰にでも好かれようとは思いませんが、そこまで嫌われてしまったかと。その一方で、右京はうまくやったな、とも思いましたよ。そこがまた魅力の一つでもあるのですから。右京は正しいことを言ってる。ただ、時や場所を、構わず言ってしまうだけで……。


寺脇:ええ、その辺が、社交性ゼロですから。


水谷:ね? 亀山くんにそう言われちゃうくらいですから(笑)。


寺脇:一方、亀山は亀山で、社交性はありすぎるくらいあるんで。だから、どっちも足りないものがあって、それがじわじわと混ざり合っていくという、その過程がおもしろいことはたしかです。


──亀山の卒業後の「相棒」を寺脇さんはどうご覧になっていましたか?


寺脇:それぞれぜんぜん人間性が違う存在でいいなと思って見てました。実は僕は、卒業したときに、もう亀山として戻ってくることはないと何となく思っていましたから、あたたかい目でね(笑)。ほかの相棒頑張れ!と思って、強い仲間意識を持ちながら。


水谷:とにかく4人に共通するのは、名前が「か」で始まって、「る」で終わるというだけで、中身はぜんぜん違いますからね。ただ、世の中のすべてのものには終わりがあるように、「相棒」にも終わりがいつかくる。その前にいつかは亀山薫再登場っていうのはイメージがあったんですよ。で、そろそろ亀山くんに来てもらいましょうと。いや、亀山くん、よく来てくださいました。


寺脇:こちらこそよく呼んでくださいました。


──寺脇さんが「相棒」を離れてから14年。変わったことは?


水谷:撮影が始まってからも、まだ口には出していないですけど、何度も亀山くんに言いたくなった言葉があって。「君、相変わらずですね」とね。例えば事件の捜査で、聞き込みに行ったりする。と、つい調子に乗るところがあるんですよ。相手を気分よくさせるためでも、そこまでサービスしますか?みたいな。そういうところって、本当に相変わらずですね。実はこの「君、相変わらずですね」が、楽しいところだったり、ホッとするところでもあるんですけどね。


寺脇:本当に薫は変わらないっすね(笑)。ま、右京さんも、ですけど。実際、薫のセリフではもうありましたよ。こっちがこんなに焦ってるのに、右京さんが冷静、という場面で「相変わらずだな……ったく!」と。


(取材・構成/福光恵)

※週刊朝日  2022年10月28日号より抜粋


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  • 歴代相棒の か で始まって る で終わるは脚本家の方が狙っていたわけではなく途中で他の人から指摘されて偶然そうなっていたと気付いた。だったら3代目だっけか名前の法則に従った
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