本田圭佑もいずれ? 日本代表「未来の監督」、日本人限定なら候補になり得る「5人の指揮官」

137

2022年11月30日 18:00  AERA dot.

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

AERA dot.

ジュビロ磐田などを指揮した名波浩氏
 7大会連続7回目のW杯に挑んでいる日本代表。グループステージ初戦でドイツ相手に後半戦から果敢に仕掛けて2対1で歴史的大金星を挙げた森保ジャパンだったが、続く第2戦のコスタリカ相手には立ち上がりからの消極的な戦いが響いて0対1の敗戦。第3戦のスペイン戦が“運命の一戦”となった中、日本サッカー協会が水面下で議論を進める必要があるのが、「次期日本代表監督」を“誰”にするかである。


【写真】「ケガがなければ…」日本代表の歴史を変えられた“未完の逸材”はこちら 大きく分けて「日本人」か「外国人」となる。日本の過去の3度のW杯ベスト16進出の際の監督は、トルシエ(2002年)、岡田武史(2010年)、西野朗(2018年)で日本人が優勢。もちろん優れた能力と経験を持ち、日本サッカーへの知識と理解、就任のタイミングをクリアできる人材がいるならば国籍は問わないが、現実的には適任者は限られており、ハリルホジッチ監督時代の「コミュニケーション不足」も教訓として刻まれている。何より、金銭面が大きな問題で、外国人監督の場合は年俸以外にも様々な費用が必要となる。そして今大会の森保ジャパンに関しても、起用法、采配に対しての反省点があることは確かだが、その中で日本人の強みが「組織力」と「団結力」にあることは再認識したはず。チーム全体でコミュニケーションを密に取りながらの「集合知」で戦うためには、日本人監督の方が適している。


 その上でまず考えるべきは、森保一監督を続投させるか否かになる。今大会開幕前には「一定の結果を条件に続投要請」という報道が一部であったが、この4年間のチーム作り、W杯予選でのストレスの溜まる戦いぶりで集積された不満と批判は無視できない。ドイツを下して一夜にして世間から“手のひら返し”の評価を得たが、続くコスタリカ戦で失態を演じて“三日天下”で批判を浴びることになった。そもそもドイツ戦の前半が「ツイていた」部分が多分にあったことは間違いなく、称賛された5バックへのシステム変更も試合を見ていた多くの者が気付いていたことだ。「現状維持」が結果的に「衰退」に向かうことは数々の歴史が証明しており、日本代表をより強くさせるためには、やはり「変化」と「刺激」が必要。日本人で森保監督以上の適任者がいれば当然、次期日本代表監督として有力な選択肢になる。


 Jリーグの監督としての実績、経験値ならば、長谷川健太氏の名前が真っ先に挙がるはずだ。1965年9月25日生まれの57歳。Jリーグ草創期のスター選手であり、日本代表としてドーハの悲劇も経験した男。ここまで清水で6年、G大阪で5年、FC東京で4年に渡ってチームを指揮し、今年から自身4クラブ目となる名古屋で監督を務めている。試合中の選手交代術に優れた「勝負師」としての評価が高いが、特筆すべきは「安定感」。常に上位争いを繰り広げ、監督通算16年間で2ケタ順位は2回のみ。


 G大阪時代の2014年には国内三冠を達成し、J1通算229勝は西野朗(270勝)に次ぐ歴代2位を誇る。戦術的には堅守速攻を軸としたリアリストで、それ故に長くチームを指揮する間に娯楽性の低さをサポーターから批判されることもあったが、彼が去った後の清水、G大阪の状況が、長谷川監督の能力の高さを改めて裏付けるものにもなっている。仮に日本代表を率いることになれば、しっかりとした守備組織を構築した上で前線からのプレッシング&ショートカウンターという森保ジャパンのドイツ戦に通じたサッカーを展開してくれるはずだ。だが、現実的には今年11月8日に名古屋との契約を更新したばかり。現時点での“健太ジャパン”の発足はかなり困難なものとなった。


 もう一人、ここ数年で一気に“日本人筆頭”に躍り出ている監督が、鬼木達氏だ。1974年4月20日生まれの48歳。現役時代は鹿島、川崎でプレーしたが、知名度を高めたのは指導者になってから。川崎の育成・普及コーチ、トップチームのコーチを経て、2017年にトップの監督に就任すると、1年目でいきなりクラブ史上初のリーグ制覇を達成。以降も主力選手が退団する中で優れたマネジメント力を発揮し、今季までの6年間でJ1優勝4回(2位1回、4位1回)という常勝軍団を作り上げた。その結果だけでなく、「即時奪回」からの攻撃的なパスサッカーは多くのファンを魅了することができ、「5レーン」や「ポジショナルプレー」など戦術的にも欧州の最先端に近いものがある。


 その中で選手としっかりと信頼を構築し、熱い言葉でチームを奮い立たせることもできる。懸念は川崎以外のクラブでの監督経験がないこと。常に“強者のサッカー”を展開してきただけに、立場が逆になった際にどうなるか。肝心の「川崎の強さ」も、前任の風間八宏監督が作り上げたベースがあったからこそであり、代表監督としてどこまで対応力があるのかは未知数だ。だとしても“試したい人材”ではあることは間違いなく、日本代表でも攻撃的なサッカーを展開してくれるはずだ。


 現役時代の知名度とカリスマ性を重視するならば、名波浩氏の名前が挙がる。1972年11月28日生まれの50歳。左足から正確なパスを武器にジュビロ黄金期の中心として活躍し、イタリア・セリエAでもプレー。日本代表では背番号10を背負って1998年W杯フランス大会に出場し、2000年のアジア杯ではMVPを獲得した。2008年を最後に現役から退き、解説者として的確な分析力を披露した後、2014年のシーズン途中にJ2・磐田の監督に就任。2年目の2015年にJ1昇格に導き、4年目の2017年にはJ1で6位という結果を残した。現役14年間で培った「戦術眼」は一流で、高い言語化能力と優れた人身把握術で自らをモチベーターと評する。


 ただ、2018年以降の成績が芳しくなく、磐田を2019年途中に退任(クラブも同年にJ2降格)し、2021年途中から指揮した松本山雅でも結果を残せなかった(2021年にJ2からJ3に降格、2022年はJ3で4位)。だが、戦力不足が低迷の大きな要因であることは間違いなく、多くの選手の中から「選べる」代表監督ならば、名波監督の理想のサッカーを実現できる可能性と期待は大いにあり、戦術面などで足りない部分はアシスタントコーチが参謀役としてカバーすればいい。11月22日に松本山雅の監督退任が発表されたばかりで契約上の支障もない。“名波ジャパン”ならば一般層への発信力もあり、課題である代表チームの人気回復にも効果的なはずだ。


 知名度ならば、“ツネ様”こと宮本恒靖氏も負けてはいない。1977年2月7日生まれの45歳。頭脳派DFとして活躍し、G大阪で2005年のクラブ初優勝に貢献。日本代表としてはW杯2大会に出場し、2002年の日韓大会では鼻骨を骨折した状態ながら“バットマン”として奮闘。類い稀なリーダーシップで長らく日本代表の主将を務め、2004年のアジア杯優勝ではその存在が大きくクローズアップされた。現役引退後、自慢の語学力を武器にFIFAマスター(FIFA大学院)を卒業。2015年からG大阪でアカデミーのコーチ、ユース監督、U−23監督を務めた後、2018年途中にトップチームの監督に就任し、同年の9位から7位、2位と結果を残した。


 しかし、2021年に成績低迷で途中解任。選手とのコミュニケーション不足も指摘されるなど、後味の悪い形でクラブを去ることになり、それ故に監督としての手腕にも懐疑的な見方がある。また、今年3月から日本サッカー協会の理事、会長補佐を務めており、現状は現場の監督よりも日本協会幹部としての道を歩んでいく方針だ。それでも「代表監督=その国の顔」であり、人気面を考えるとビジュアルも無視できない大事な要素。コーチングスタッフの中でしっかりと役割を分担できれば、そのリーダーとして機能する可能性はある。


 さらに、今大会開幕後に一気に“待望論”が持ち上がっているのが、本田圭佑である。1986年6月13日生まれの36歳。日本代表としてW杯3大会連続に出場し、日本人歴代最多の4得点を記録。イタリアの名門ACミランで10番を背負った男でもある。現在、現役選手としては無所属。その中で今大会の日本代表戦で自身初の解説に挑戦すると、元来の独特かつ遠慮のない物言いに加えて、確かな戦術眼を披露。SNSを中心に大きな反響を得た。そして、テレビ朝日の「報道ステーション」に内田篤人氏と共演した際に、「W杯に監督として?」との質問に「できると思いますよ。いつか日本で」と即答し、「世界一を狙っているから代表監督になりたい」と熱い思いを口にした。


 日本代表監督になるためには日本サッカー協会公認のS級ライセンスが必要であり、現時点での監督就任は不可能だが、その制度の改革も含め、そう遠くない未来に“ホンダジャパン”が誕生する可能性はある。選手として多くの修羅場をくぐり抜けたケイスケホンダならば、日本代表を、前例のない形で、違った位置に導けるのではないか。その期待は大いにある。


 日本がW杯に初出場したのが1998年で、そこから20年の間に一気に海外組が増加した。それ故に、世界舞台での経験値が、本来は「選手<監督」であるべきところ、現在の日本は「選手>監督」になっている。その“歪み”を抱えたままの森保ジャパンは、運命のスペイン戦でどのような戦いを見せてくれるのだろうか。


 2050年までのW杯優勝を宣言した「Japan’s Way(ジャパンズ・ウェイ)」実現へ向けて、勝っても負けても、必ず“次”に繋げなければならない。ドイツ戦以上の“歓喜”はもちろん、今後の“指針”になる戦いを期待する。その先に、次期監督に求めるべきものも見つかるはずだ。(文・三和直樹)


このニュースに関するつぶやき

  • とんでもなく失礼な記事 まだ予選やってる最中じゃねぇか 確かに森保氏には不満や采配に疑問符はあるけど、非礼にも程があるわ。 この記事書いた奴バカなの?
    • イイネ!18
    • コメント 2件

つぶやき一覧へ(94件)

ランキングスポーツ

前日のランキングへ

ニュース設定