あれほど「富士山が見える観光スポットに寄りたい」と言っていたから声をかけたのに……見向きもしません。車内に不穏な空気が漂います。俺は話題を変えました。
結局お昼は麻衣が寄りたかった大型サービスエリアではなく、その先の小さいパーキングエリアでとることに。チャイルドシートで寝ていた優太を起こし、3人で車から降ります。こぢんまりとした食事スペースはメニューがそれほど多くなく、俺はカツカレー、麻衣はうどんを選んで優太と分けることにしました。
優太にうどんを食べさせていた麻衣が突然泣き始めました。俺が麻衣の行きたい場所をことごとく却下したから……? でも人目もはばからず涙を見せるほどショックだったなんて。俺たちはひとまず食事を終わらせ、車に戻ることにしました。俺はいったい麻衣にどう声をかけたらいいのでしょうか。
【第5話】へ続く。
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