「コロナ禍で拒食症が増加したまま高止まり」の事実が明らかに。わが子の食欲と体重の低下に要注意!

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2022年12月01日 10:31  ママスタジアム

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2020年に起こった新型コロナウイルスによる前代未聞の出来事は、人々の生活を一変させ、私たちに大きな混乱をもたらしました。約2年半たった今もなお続く新型コロナウイルスの流行。流行前と日常が変わり大人のみでなく、子どもも不安やストレスを抱えがちでしょう。お子さんの心の健康が気になるママもいるのではないでしょうか。

子どもの心の実態調査。「コロナ禍で”神経性やせ症”が増加したまま、高止まり」



そんななか「2021年度コロナ禍の子どもの心の実態調査」が国立成育医療研究センターにより行われ、「摂食障害の”神経性やせ症(神経性食欲不振)”が、コロナ禍で増加したまま高止まり」という調査結果が発表されました。

神経性やせ症(別名:神経性食欲不振症)とは摂食障害のひとつで、極端な食事制限をしたり、過剰な食事の後に吐き出したりして、正常体重より明らかに低い状態になる疾患です。特徴としては極端な痩せ願望や肥満恐怖があること。実際はやせているのに自分では太っていると感じること、低体重が及ぼす体への影響の深刻さが認識できないことなどが挙げられ、心身両面からの専門的治療が必要になってくるそうです。

この神経性やせ症について、新型コロナウイルス流行前の2019年度と、流行後の2020年度・2021年度を比較したのが当調査です。新型コロナウイルスの流行に見舞われた2020年度に、神経性やせ症の初診外来患者数(図1)は1.6倍、新入院患者数(図2) は1.5倍に増加し、2021年度も減少することなく、高止まりしたままの状態であることが明らかになりました。

【図1】神経性やせ症 初診外来患者数 (有効回答数24 医療機関・25 診療科)


コロナ禍の神経症やせ症 初診外来患者数


【図2】神経性やせ症 新入院患者数(有効回答数19 医療機関)


コロナ禍の神経症やせ症 新入院患者数

コロナ禍によるストレスが背景?


新型コロナウイルス感染症の流行による生活環境の変化によるストレス、感染への不安、休校や学校行事の減少が、子どもの心に大きな影響を与えた恐れがある。加えてコロナ太り対策のダイエット特集の報道やSNSの情報などに、子どもたちが過剰に反応した可能性も考えられる。国立成育医療研究センターは神経性やせ症の患者増加の背景を、このように推察していました。

また神経性やせ症はダイエットや食欲不振などをきっかけに発症し、多くの場合が発症前に心理的、社会的にストレスを経験していると言います。新型コロナウイルスが流行する中で子どもたちが受けたストレスが、発症の引き金となった可能性があるのかもしれません。また極端な痩せ願望や肥満恐怖を特徴とする神経性やせ症は、10歳から19歳に多く、患者の約90%が女性だそうです。ただでさえ思春期と呼ばれる時期をふくむ多感な頃に、コロナ禍によるストレスにさらされた子どもたち。外出制限でストレスの発散をしづらい環境、人に会えない閉塞感、SNSで飛びかう不安にさせるような言葉などが、子どもの心に影響したのではないか? ということは想像にかたくありません。心が弱れば、例えば「自分は太ってる」などの潜在的にあった悩みが、表面化、深刻化しやすくなってしまうのかもしれませんね。

経験者は語る。過度なやせ願望やダイエットに潜む危険


ママスタコミュニティには、深刻なほどに食事制限をしてしまう子どもの姿や、過度なダイエットの恐ろしさ、万が一わが子に摂食障害が疑われた場合の対応などを伝える投稿が寄せられています。神経性やせ症と診断を受けたか否かについては触れられていませんが、少なくともその可能性を感じさせる経験談をご紹介します。お子さんの万が一のときのための予備知識として、ぜひ参考になさってください。
『高1の娘が足が太いのが悩みで、食後に吐くことを繰り返していたようです。摂食障害の可能性があるようで、学校のカウンセラーのすすめで精神科を受診する予定です』
『娘が高3のとき過度なダイエットで、髪が抜けるようになり毛量が半分ほどに……。今は発毛外来に通っています』
『現在26歳の娘は、学生時代に極端なダイエットをして生理が止まり、身体を壊して子どもを産めなくなった。当時は周りがいくら諭してもダイエットをやめられなかった。今になって後悔してる』
『体型をからかわれていた娘が、高校で過度なダイエットをして半年で20kg痩せた。その後はきちんと食べるようになったんだけど、成人式で友達の鼻を明かしたいと、大学でまたダイエットを始めた。痩せすぎは綺麗じゃないと注意したけど聞く耳をもたず、結局成人式では褒められずにガリガリと言われ大泣き。今も精神的に不安定で、受診すべきと思うんだけど拒否される』
『私自身拒食を経験したことがあって、摂食障害の子どものママにはお子さんを受けとめてほしい。太っていると自己嫌悪しているかもしれない分、減量を否定されると悲しいはず。まずは「痩せるために頑張ってるんだね」と認めてあげて。病院には、見た目の問題じゃなく「あなたの体が心配だから」という理由で連れて行ってほしい』
『うちは栄養指導やカウンセリングを受け、摂食障害を勉強することで拒食が落ち着いた。注意するより、進んでカウンセリングを受ける姿を褒めた。体型以外で悩みがある可能性もあると思う。友人関係とかに気をつけるといいかも』
お子さんの切羽詰まった気持ち、親の辛さ、どちらもが伝わってくるコメントが寄せられました。行き過ぎたやせ願望などがもたらす、心身の両面における健康問題の深刻さを痛感します。神経症やせ症の症状としては、痩せや栄養不足により無月経、脱水、低体温、毛髪脱落などがあり、不安障害などの精神疾患が合わせて起こることも。また大変ショッキングなことに感染症などの身体合併症、自殺などにより命を落とすケースもあるようです。もしもわが子がこの病におかされたらと思うと胸が痛くなりますね。

新型コロナウイルスの流行が続く今、親ができることは?



神経性やせ症は本人が病気を認められずに、医療機関での受診が遅れることが多い病気。家庭で子どもの食欲や体重の減少に気を配り、深刻化する前にまずは内科や小児科などのかかりつけ医を受診することが重要です。また情緒的な不安定さがあらわれる病気のため、身体面の変化のみでなく、わが子の心の状態を親が注意深く見ていくことも大切なのではないでしょうか? 新型コロナウイルスの流行が続き、心が塞ぎがちになる人もいるかもしれません。だからこそ、子どもがストレスを発散できる場をつくったり、親子でのコミュニケーションを増やしたりするなど、親としてできることを意欲的に取り入れていきたいものですね。
【調査概要:2021年度コロナ禍の子どもの心の実態調査】
調査協力:子どもの心の診療ネットワーク事業 拠点病院機関・オブザーバー協力機関 計30病院(31科)
調査手法:アンケート送付による
調査エリア:全国
調査時期:2022年4月〜5月末
調査対象者:20歳未満の患者
参考:国立成育医療研究センター|2021年度コロナ禍の子どもの心の実態調査 摂食障害の「神経性やせ症」がコロナ禍で増加したまま高止まり
参考:厚生労働省|e-ヘルスネット「摂食障害:神経性食欲不振症と神経性過食症」
文・みちはら宵子 編集・きなこ

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