JR西日本、北陸新幹線でAIによる「着雪量予測モデル」本運用を開始

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2022年12月01日 18:41  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
JR西日本は、同社の取り組むデジタル技術開発のひとつとして、2019年12月の社長会見で検証中と発表していた、AIを用いた「着雪量予測モデル」について、12月1日から北陸新幹線で本運用を開始すると発表した。


北陸新幹線では、車両の台車部分に付着する雪が一定量以上見込まれる場合に、糸魚川駅上りホームで雪落とし作業を実施している。この雪落とし作業の実施発動は気象予報をもとに決定していたが、結果として車両に雪が付着していないケースもあり、不要な作業者の配置に加え、作業実施のための運転規制により列車遅れが発生するなど、利用者に迷惑をかける場合もあったという。

そこで、雪落とし作業の実施発動をより高精度化すべく、SIGNATEのデータ分析コンペティションを活用して社内外から募集したAI予測モデルをもとに、「着雪量予測モデル」を構築。JR西日本のデジタルソリューション本部データアナリティクスと連携し、業務実装に向けた検証を進めてきた。


2020〜2021年度の試験運用で、雪落とし作業の実施を適切に発動したことに加え、このモデルが車両への着雪を見逃したことはなく、従来と比較して発動の精度向上を確認できたという。これを受けて、今冬の12月1日から本運用を開始。本運用により、不要な雪落とし作業の実施を抑制して人件費を削減するとともに、糸魚川駅を通過する列車の臨時停車を減らし、北陸新幹線の安定性を維持するとしている。(木下健児)
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