47歳専業主婦、貯金100万円。子どもの教育費に将来1600万円必要?どう準備すればいい?

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2022年12月01日 20:11  All About

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体調を崩して3年前から会社を辞めて家業を手伝っている47歳の専業主婦。不足を売電と不動産の賃料でカバーしているものの貯蓄ができないことに不安を感じているといいます。FP深野康彦さんがアドバイスします。

このままで教育資金と老後資金、貯められますか?

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。

今回の相談者は、体調を崩して3年前から会社を辞めて家業を手伝っているという、47歳の専業主婦の方。給与だけでは生活費が不足するため、売電と不動産の賃料でカバーしているものの、貯蓄ができないことに不安を感じているといいます。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。

相談者

Qさん(仮名)
女性/自営業・専業主婦/47歳
九州/持ち家・一戸建て

家族構成

夫(50歳/会社員)、子ども(7歳)、犬

相談内容

正社員だった私が体を壊して専業主婦になってから、贅沢しているつもりはないのに貯金が全くできなくなりました。それどころか、不動産購入や投資、月の不足分で取り崩しているので貯金が減ってしまいました。

将来、教育費などで1600万円必要との情報を聞き、年齢的に教育資金と自分たちの老後費用など貯められるのか不安です。保険の見直しも含めて良いアドバイスをください。

夫の収入は平均ですが、残業のある時は30万円ほどになる月もあります。他に、太陽光売電収入(導入費用は住宅ローンに含まれています)が月平均4万円、また不動産を購入(資金は貯蓄と不足分400万円は保険を担保に借入)し、その賃料が月5万円入りますが、これらで月の不足分補てんと保険の借入返済中です。

家計収支データ

Qさんの家計収支データは図表のとおりです。
相談者「Q」さんの家計収支データ


家計収支データ補足

(1)不動産について
相談者コメント「専業主婦を3年したあと、実家の家業を手伝う形で自営していますが、思うように売り上げが伸びません。購入した不動産は自営をしようと思いきって購入しましたが、家族の反対により10年定期の貸地にすることにしました。その間に売却か自営の店舗を建てるか、改めて検討することにしています」

(2)住宅ローンの内容
・物件価格(太陽光設備込み):1300万円
・諸費用:50万円
・頭金:0万円
・借り入れ期間:20年
・金利のタイプ:10年固定1.1%
・毎月の返済額:6万500円
・ローン残高:600万円(繰上返済後)

(3)クルマの買い替えについて
2〜3年の間に2台とも買い替え予定。予算1台150万円程度。その場合、年利2%程度のローンを組むか、残価設定で購入も視野に入れています。

(4)食費について
外食月2回1万5000円含む。晩酌のビールや子どものヨーグルトやケーキ、お菓子などの嗜好品、洗剤やごみ袋、トイレットペーパー等の衛生用品を含む。子どもに国産品を食べさせたいとの思いから高額になりがちとのこと。

(5)加入保険について
[夫]
・終身保険(80歳払込終了、死亡200万円、入院1万円)=毎月の保険料1万円
・団体定期保険(60歳まで5年毎更新あり、死亡3000万円)=毎月の保険料9000円
・団体医療保険(75歳まで5年毎更新あり、入院8000円)=毎月の保険料3000円
・がん保険(終身保障終身払い、入院1万円、診断一時金100万円)=毎月の保険料1500円
・医療保険(終身保障終身払い、入院5000円)=毎月の保険料3000円
・個人年金保険(60歳から10年確定、年金額108万円)=毎月の保険料1万円
・定期支払金付き外貨建終身保険(死亡保障300万円)=一時払い済

[相談者]
・終身保険(終身保障終身払い、入院1万円、がん特約2万円、診断一時金100万円、先進医療特約付)=保険料7500円
・養老保険(満期100万円)=全期前納済
・個人年金保険(60歳払済10年確定年金額36万円)=保険料1万円

[子ども]
・学資保険(17歳満期200万円、途中祝い金40万円を含む)=全期前納済
・学資保険(17歳満期130万円、途中祝い金20万円を含む)=全期前納済
・学資保険(17歳満期150万円、途中祝い金50万円を含む)=保険料7000円
・定期保険(保険期間10年、死亡300万円、入院5000円)=保険料6000円

(6)教育費の内訳と希望進路
習い事代として1万6000円など。進路については中学までは公立校、高校は本人希望により私立も検討したい。その後大学も本人希望により行きたいところへ進学を予定。ただし、遠方になる場合は自宅を賃貸(目安5万円)か売却(土地代のみの目安600万円)し、家族で移住も考えている。

(7)ボーナスの主な使いみちについて
保険会社からの借入金返済80万円、自動車税5万円(2台分)、車検費用(2台)年10万円、残りは予備費として通帳に入れたまま、補てん等で不明。

(8)夫の退職金と再雇用について
退職金制度はあり、おそらく200万円ほど。再雇用制度もある。ただし、きつい仕事のため、身体のことを考えると働くなら減収しても別の職場のパートでというのが本音とのこと。

(9)相談者の働き方
相談者コメント「子どもが小さいので、あと1年は自営して月10万円、純利益が見込めなければ、働きたいと思っています。しかしながら、正社員になっても地元は賃金が低いため、フルで働く魅力をあまり感じていません。また給与が一定を超えると地代収入があるので扶養を外れてしまいます。ただ、やはり子どもと老後を考えると少なくても雇われた方が確実ではないかとも感じています。どちらがいいのかわかりません」

ちなみに正社員でも手取り10万〜12万円、ボーナスなし(介護職ならボーナスあるかも)。パートなら手取り4万円(10時〜15時)といったところ。

(10)公的年金の金額
「ねんきん定期便」では夫は月額13万円ほど、相談者は7万円ほど。

FP深野康彦の3つのアドバイス

アドバイス1:あと10年、家計を見直し貯蓄ペースを上げる
アドバイス2:老後まであと10年、貯蓄ペースを上げる
アドバイス3:必要な保障は割安な保険で確保する

アドバイス1:あと10年、家計を見直し貯蓄ペースを上げる

まずは、教育資金から見ていきましょう。

すでに用意されているのが、3本の学資保険。満期金の合計が480万円。大学にかかる費用は私立文系なら400万円、私立理系なら540万円ですから、大学費用はほぼ準備できていることになります。

問題は、可能性があるという私立高校に進学した場合。平均でかかる費用は300万円ほど。学資保険の祝い金を充てても足りません。

また、外貨建ての終身保険を教育費に回すつもりとのことですが、為替によっては必要な時期に元本割れというリスクがあります。本来なら解約か払済保険にしたいところですが、内容を見る限り、すでに保険料は一時払い済みと思われます。場合によっては、高校の学費が不足した時点で多少元本割れしても、外貨建て終身の解約返戻金でカバーしていくことになるでしょう。

アドバイス2:老後まであと10年、貯蓄ペースを上げる

では、老後資金はどうでしょうか。すでに一時払いされている個人年金保険の年金総額が1080万円。加えて、退職金が200万円。計1280万円、これがまずベースとなります。

現在の貯蓄は100万円。それと、毎月の貯蓄ペースは月5000円のiDeCoだけとなります。これだけだと年間6万円ですから、夫婦2人の老後資金を積み上げるためにも貯蓄ペースを上げたいところ。

そこで毎月の家計収支を見ると、まだ1万7000円の黒字ですが、それが貯蓄に回っていないわけですから、実際はいただいたデータ以上に支出していることになります。少額と思うかもしれませんが、年間にすれば20万円超。それが何なのか、必要な支出なのか、しっかり確認しておきましょう。

データにある支出内容については、通信費など工夫もされていますが、まだ削る余地はあると思います。

やはり目立つのは食費と保険料。しかし、「子どもに国産品を食べさせたい」という理由でこれ以上下げることができないのなら、他の支出を削る必要があります。何を削るかは、Qさんの世帯にとって優先順位が低いものとなります。

保険についてはあとで触れますが、こちらも見直すことで2万円以上は保険料コストを下げることができます。合わせて家計全体で、月6万円を貯蓄に回すことができれば年間で72万円。

定年まであと10年しかありません。それを考えれば、いきなり6万円はハードルが高いかもしれませんが、そのくらいの貯蓄意識は必要でしょう。

年間72万円で、10年間で720万円。ただし、ボーナスから支払っている、不動産を購入するために利用された生命保険の契約者貸付の返済80万円。利息等の詳細は不明ですが、残高から考えて、あと4、5年で完済できるのでは。

その後、返済分をすべて貯蓄に回せば、60歳までに400万〜450万円は貯まるはず。予定されているクルマの買い替え(2台分、250万円と想定)の費用をここから差し引くと、結果的に定年時の貯蓄は900万円前後。

これに先の1280万円を加算した2100万円がQさんの世帯の老後資金であり、現実的な目標といえるでしょう。

アドバイス3:必要な保障は割安な保険で確保する

では、これで老後は大丈夫でしょうか。それなりの額でありますが、気になるのが住宅ローン。ご主人が63歳になるまで続きます。それまでは、生活コストはまだ月30万円程度になりますから、ある程度収入がないと、先の老後資金もすぐに減ってしまいます。

ポイントは公的年金支給となる65歳までは収入を得て、老後資金を減らさないこと。

ご主人が再雇用制度を利用して働くことには前向きではないようですし、健康が最優先ですから、体力的にきびしいのであれば、アルバイトでも構いません。とにかくできるだけ長い期間働くことが有効な老後対策です。

そしてもうひとつの対策は、Qさん自身も働くということ。正社員であっても給与水準が低い、その割に長時間拘束される、加えて扶養から外れるといった、フルタイム勤務のデメリットもあげられています。

しかし、仕事内容、通勤等で働くことが可能ならば、結果的に確実かつ安定的に現状より収入アップができる、正社員を選ぶべきだと考えます。仮に手取りが10万円であっても、8万円収入が増えますから、それだけで貯蓄が年間100万円近く増えます。厚生年金加入によるメリットも小さくありません。

と同時に、ご実家の自営の中身は不明ですが、収入をあまり見込めないなら、店舗用に購入し、現在賃貸収入を得ている不動産についても、早めに売却する方が賢明でしょう。

今後、老後まで10年、住宅ローンに加え、不動産の購入代金の支払い(契約者貸付)もあります。さらに今後賃料が安定的に入る保証もありません。手放せるリスクはできるだけ手放す。家計的に身軽になる。これも老後対策の重要な要素です。

最後に保険ついて。ご主人とQさんの加入されている終身保険は払済保険に。今はとにかく現金、貯蓄を増やしたいので、割高な保険料の保険商品で保障を確保すべきではありません。

また、ご主人加入の団体定期保険は、まず死亡保障が過大。

保険料が半分戻ってくるとのことですが、それは約束されていることかどうか。また、5年毎の更新でどの程度保険料がアップするのか。それらが不明ですが、解約されて、新たに死亡保障1000万円、保険金間10年の定期保険に加入してもいいのでは。ご主人の年齢なら、保険料は月4000円台前半です。ご主人加入の医療保険もどちらかを解約していいでしょう。

もうひとつ、お子さんに掛けている定期保険。基本的に、お子さんに対して死亡保障は不要です。かかる医療費も、保険ではなく、貯蓄や毎月の家計から捻出すると考えるべき。

しかも、満期金があるようですが、大きく元本割れするため貯蓄性もありません。もしも払済保険が可能ならそうするか、解約返戻金の金額によりますが、元本割れの額(支払った保険料に対する満期金の差額)とあまり変わらないようであれば、解約してもいいかと思います。

相談者「Q」さんから寄せられた感想

教育費や老後について、漠然とした不安があり、やみくもに投資等を始めてしまっていたのですが、今回相談したことで、確保できている部分とそうでない部分があることやその他のムダがわかり、とても参考になりました。

今後は、アドバイスいただいたように家計をしっかりと把握し、リスクを減らしながら収入アップすることを考えていきたいと思います。

今回、相談するにあたり自分ではそれなりに支出の把握をしていたつもりでしたが、深野先生のご指摘の通り、まだまだ把握できてない支出があることを痛感しました。いつかまた家計改善の必要があると感じたら、今回のアドバイスを再確認して修正していきたいと思います。

教えてくれたのは……深野 康彦さん

マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。

取材・文:清水京武
(文:あるじゃん 編集部)

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