長友佑都、チームのメンタリティを称賛…クロアチア戦に向けては「もう1度気を引き締めて」

　FIFAワールドカップカタール2022・グループE第3節（最終節）が12月1日に行われ、日本代表がスペイン代表を2−1で下した。試合後、長友佑都（FC東京）が喜びを明かしている。

　決勝トーナメント進出のためには最低でも引き分け以上、他会場の結果を待たずに決めるためには勝利が必要な日本代表は、12分と早い時間帯にアルバロ・モラタ（アトレティコ・マドリード）に先制ゴールを許す。それでも、1点ビハインドで前半を終えると、48分に堂安律（フライブルク／ドイツ）、51分には田中碧（デュッセルドルフ／ドイツ）が立て続けにゴールを決め、“奇襲”で逆転に成功した。

　ここまでの全3試合に先発出場している長友は、スペイン戦の逆転勝利について「本当にしびれる、素晴らしい試合をしたと思います」とコメント。「ドイツ戦のように前半で1点取られたんすけど、1点でみんなで我慢して、焦りはなかったです」と話した背景には、チームとしての“意思統一”があった。長友は「そのプラン通りに試合が進んだ」と喜びを露わにしている。

「失点することも想定をして、みんなで話し合えていた。失点した後にみんなのメンタリティがブレて、2失点目をしたら勝負はもう難しくなっていたので。ピッチ内でも『落ち着け』『2点目はないぞ』と声が掛かっていました。森保さんも試合前からこのシチュエーションをしっかりと想定して話してくれていたので、全くブレずに戦えたと思います」

「ブレている選手はいなかったし、全く問題なく戦い続けた。そして、これ以上失点がないように前半は我慢して、後半に攻撃的な選手を投入してドイツ戦のように勝負を仕掛けるというのはチームのプランでした。そのプラン通り、ドイツ戦と同じようになったと思います」

　日本代表は初陣でドイツ代表に勝利しながら、第2節のコスタリカ代表戦では悔しい敗戦を喫した。長友は「髪色がちょっとピンク色に、色が落ちていたので。それで、コスタリカ戦は結果として落としてしまった。これは闘魂が足りないということで、前日に髪を染め直して、闘魂注入して」と“らしさ”溢れるエピソードを明かしつつ、今のチームの強さを「精神的強さですよね。こんな強い代表を見たことがありますか？ワールドカップで」と続ける。過去4大会に出場してきた長友は「ワールドカップは本当に根性の勝負なんです」と話した後、「国と国の戦いで向こうも死ぬ気で来るし、そんな相手に怯まないで、強い気持ちで臨む。本当に、みんな根性があってメンタルモンスターの集まりだと改めて思います」と選手個々のメンタリティを称賛した。

　試合会場となった『ハリーファ国際スタジアム』は、日本代表にとって縁起の良いスタジアムだ。第1節のドイツ代表戦で白星を掴んだだけでなく、AFCアジアカップ2011の決勝戦では優勝を成し遂げている。数々の“歓喜”を味わってきた長友は「このスタジアムは何かがあると。このスタジアムには見守られている感じがするんですよね」と話した。

　5日に控えた決勝トーナメント1回戦（ラウンド16）ではクロアチア代表との対戦が決定した。長友は「前回準優勝で決勝まで行っていますからね。僕もインテル時代に（マテオ・）コヴァチッチ、（マルセロ・）ブロゾヴィッチ、（イヴァン・）ペリシッチの3人と一緒にプレーしているので。非常に世界レベルのクオリティを持った選手たちです。（ルカ・）モドリッチもいますし、相当タレント揃いの良いチームだと思います」と対戦相手に言及。それでも、前回大会の“ファイナリスト”との一戦を前に怯む様子は微塵もない。「自信はあります。絶対に突破できると思います。これはもう過信ではなく、本物の自信なので。ただ、相手は前回決勝まで行った本当に強いチームです。もう1度気を引き締めて、またすぐに試合があるので、切り替えて戦いたいと思います」と意気込んだ。