風邪をひいた→気にせずお風呂に入る、は問題? 悪化する説・むしろ早く治る説の真偽は…

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2022年12月02日 20:51  All About

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風邪の時もお風呂に入って大丈夫でしょうか? 以前は「風邪が悪化するから入浴してはいけない」と考えられていましたが、最近の研究では軽い風邪なら入浴した方が早く治るという報告もあります。

風邪の時もお風呂に入るべき? 悪化する説・治る説はどちらが正しいのか

「風邪をひいた時はお風呂に入らない方がいい」なんて言われた経験はありませんか? 実際に、風邪をひいた時の入浴については、医師の間でも意見が分かれるテーマです。

しかし、近年様々な研究によって、風邪の引き始めや軽い風邪であれば、むしろ入浴をしたほうがいいのではという報告も上がってきています。その理由について、わかりやすく解説します。

「風邪の時にお風呂に入ると悪化する」と言われてきた理由

これには諸説ありますが、日本における在宅事情が関わっていると考えられます。現在のように一般家庭にお風呂が普及してきたのは1960年代で、それまでは銭湯などに通う方法が一般的でした。

家庭にお風呂があった場合でも、居間などから離れた屋外に浴場が設置されていました。そのため、特に冬場は入浴後に急激に湯冷めを起こす可能性があったのです。

急激な湯冷めは、当然風邪を悪化させる原因になります。こういった事情が先人達の知恵として風邪の時のお風呂は避けられてきたのでしょう。

風邪でもお風呂に入るメリット……湯気と血流改善による免疫力向上

では、風邪のときにお風呂に入ることにはどのようなメリットが考えられているのでしょうか。それは「免疫力の向上が期待できる」というものです。

免疫には様々な要素がありますが、入浴で得られる効果の1つに、鼻や喉の粘膜の線毛の動きが活発になることがあげられます。粘膜は線毛細胞という細かな毛が生えている細胞があり、毛の動きが外から入り込んできたウイルスなどを捕まえて体外へ除去してくれたり、痰の排出などにも関わっています。

お風呂の湯気によって鼻や喉の温度、湿度が高くなり線毛の動きが活発になることで、痰や鼻水を出しやすくなり風邪の症状緩和に効果があると考えられます。

また、別の研究からは入浴によって「唾液中のIgA抗体が上昇する」という報告もあります。IgA抗体というのは、粘液中に含まれる免疫物質で、鼻や喉、また目などからウイルスや細菌が入り込むのを阻止してくれます。これにより風邪症状の緩和や、また普段も風邪の予防に効果があると考えられます。

さらに、免疫細胞は体の中を血流に乗って病原体がいないか絶えずパトロールをしていますが入浴によって血流が改善すれば免疫細胞の流れもよくなります。また、入浴をすると良い睡眠が取れますが、良い睡眠は免疫力アップにつながりますのでその点でも免疫にはプラスに働くでしょう。

このように、風邪のときでも入浴にはたくさんのメリットがありますし、湯冷めの心配の少なくなった現代ではむしろお風呂に入るほうがいいのかもしれません。ただし、どんなときでもお風呂に入ればいいというものでもありません。風邪のときの入浴の注意事項についても、ご説明します。

高熱時や体調がつらい場合、入浴を控えることも大切

私たちが以前行った高齢者を対象にした研究では、入浴前の体温が37.5℃以上の場合は、入浴によって逆に体調を崩してしまうリスクが急激に高くなるという結果が出ました。

また、お湯の温度が高すぎる場合も身体にとって負担になってしまいます。風邪でお風呂に入る時は、37℃程度の微熱で比較的体調が良いときに限り、またお風呂の温度も40℃程度までにしておきましょう。

さらに、普段から注意していただきたいことですが、入浴中は意外と汗をかきますので脱水に気をつけ入浴前後の水分補給と長風呂をしすぎないように意識してみてください。

また、単に咳や鼻水、微熱などの風邪症状があるだけでなく、自覚症状として何となく体調が悪い、つらいと感じる時は、無理をして入浴をする必要はありません。風邪のひき始めや他の病気のなり始めの可能性もあるので、発熱の有無だけで判断せず、無理な入浴は控えましょう。

なお、コロナワクチン接種後も入浴を控える必要はないということになってはいますが、自分で体調が悪いと感じる場合は念のため入浴をお休みするのがよいでしょう。

入浴の効果は風邪の時だけでなく、元気な時の風邪予防にも一役買います。これから寒くなる季節ですから、普段はシャワーだけで済ましているという方も、ゆっくりとお風呂に入ってみてはいかがでしょうか?

早坂 信哉プロフィール

お風呂・温泉の正しい情報を伝える 温泉療法専門医。浜松医科大学准教授、大東文化大学教授 などを経て、2015年より東京都市大学人間科学部教授(現職)。一般財団法人日本健康開発財団温泉医科学研究所所長も兼任。
(文:早坂 信哉(医師))

このニュースに関するつぶやき

  • せき込むときは風呂の湯気で発作が出るのでやめたほうがいい。熱のあるときも熱プラス風呂で体温急上昇して体力消耗して悪化につながる。
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