海外メディアも大絶賛の『宇宙要塞ソロモン』ほか“名モデラー”を続々輩出…25回を迎えた『オラザク選手権』の功績

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2022年12月03日 07:00  ORICON NEWS

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第24回(2021年)『全日本オラザク選手権』大賞 『決戦-Decisive battle- 宇宙要塞ソロモン』 制作・画像提供/まんねん工房氏 (C)創通・サンライズ
 モデラーにとってコンテストでの入賞は大変名誉なこと。なかでも1998年に始まった『全日本オラザク選手権』(ホビージャパン主催)は、ガンプラモデラーの目指す“頂”のひとつとなり、作品のレベル向上に大きく貢献。名モデラーを続々輩出している。現在発売中の『月刊ホビージャパン』では、最新の第25回の入賞作が発表されているが、ORICON NEWSでも過去に入賞モデラーに取材を敢行。ここでは、第1回と第24回の入賞モデラーへのインタビューを再構成してお届けする。

【歴代受賞作】「“神作”しかないっ!」時代による技術や作風の違いも…「オラザク選手権」大賞受賞作集

■ジオラマ作品での『オラザク』大賞受賞は10大会ぶり「ジオラマ人口を増やしたい」

 昨年の『第24回全日本オラザク選手権』で大賞を受賞したまんねん工房さん(@hide94373)の『決戦-Decisive battle- 宇宙要塞ソロモン』。本作を見た海外メディアからも“ヤバい奴”と大絶賛で紹介されるなど、モデラーとして注目を集める同氏だが、そもそも制作のはじまりは、自身の意思ではなく、出された“お題”へのアンサーだったと語る。

「ある方から『ビグザムの格納庫を作ってほしい』という、お題を頂いておりました。正直、ビグザムをカッコいいと思ったことは人生で一度もなく(笑)、乗り気しなかったのですが誰もやってないという事もあり、本気で考えてみようと思いました。制作開始後、放置(笑)など、紆余曲折を経て、4年かけて一応完成形になりました。作り終えた今では、ビグザムも好きになりました(笑)」

 制作を機に好きになったというビグザム。圧倒的な威圧感が大きなインパクトを残す作品だが、そこにはこだわった。

「ビグザムの巨大感にはこだわりました。フィギュアはそれを表現するための対比で置いています。本作だけでなく、ガンプラモデラーとして、重量感、巨大感、空気感、質感を表現することにこだわって取り組んでいます」

 そんな本作で描かれたのは、「宇宙要塞ソロモン」。もともとの小惑星を、一年戦争前にジオン公国が軍事用に改装して宇宙要塞にしたものだが、どのようなストーリーをイメージしたのだろうか?

「ソロモン決戦の直前を描いています。ドズル中将が、パイロット達相手に演説で鼓舞している時に、整備兵によってビグザムの整備、点検が進められています。ドムは、偵察から帰還してきているさまです。
 ビグザムはこの段階では規格外の試作機ですので、整備の為の特別な専用ハンガーも無いと想像しましたので、基地に平置きで整備しています。ソロモンは資源採掘小惑星を基地にしたという設定ですので、天井には岩の部位も作っており、採掘跡を思わせる情景にしました。また、モビルワーカー(作業用ロボット)が作業しているのも、そういった理由です。
 実は、この作品を作っている最中は、ドズルの演説はビグザムの足元で行う予定でした。写真では上手く写りませんが、ドムの背後のハッチが半開き状態でして、その先には宇宙の星々が見えています(蛍光発光で表現)。これをやったために格納庫全体が無酸素状態になったので(笑)、ドズル演説は部屋でやってもらう事になりました。誰だかわからなくなるので、ドズルにはノーマルスーツを着せられません。まぁ、整備士が忙しく動いているビグザムの足元で演説などやられたら邪魔でしょうから、これが自然なのかと思います」

 細かい考察を経て、緻密でありながら迫力も表現。モビルスーツ単体ではなくジオラマ作品での『オラザク』大賞受賞は、第14回以来というからより価値も高い。まんねん工房さん自身は、もっとジオラマに興味を持ってほしいと、作品を作り続けている。

「ガンダムは、世界観まで含めて最も衝撃を受けた映像作品。ガンプラは、それを眼前に再現する為の一番のツールです。
 ジオラマを作るのは大変だというのもあるのですが、それゆえに敷居が高いという誤解があり、ジオラマ人口が減っている事を残念に思っております。某、雑誌の大会カテゴリーでも、ジオラマ部門が無くなってしまったので、寂しい限りではあります。皆さんに、ジオラマにも興味を持って頂ければ、モデラーの方々も制作される方が増えるという流れがおきると思うので、そのきっかけの一部にでもなれたら幸せです」

■24年前の「オラザク」佳作が、今年SNSで再注目「親子2代で作品を見てくれた人も」

一方で、今から24年前「第1回大会全日本オラザク選手権」で佳作を受賞したのが、悠太ぱぱさん(@JtBbCPZKQ6IGTDJ)の作品『バイバイ セシリア』。本作は、新たに始まるガンプラのコンテストでの入賞を目指し、制作したものだという。

「子どもの頃から読んでいた模型誌『月刊ホビージャパン』で、ガンプラコンテストの開催が発表され、大賞作品は表紙になると知り、コンテスト用に制作しました」

 「オラザク」を見据えて作品のアイデアを発想。まだ誰もやっていないアイデアを形にしようと計画した。

「当時ガンプラの“クラッシュジオラマ”はたくさんの方が素敵な作品を作っていました。ただ、それらは地面に横たわる物ばかりで…。劇中で宇宙戦闘もあったので、まだ見たことのなかった宇宙空間を漂うジオラマを形にしたいと思いました。ただ、無重力をどう演出表現するか、苦労しました。真鍮線をゆるやかに曲げたり、死角になる部分に真鍮線で漂う部品を固定するなど、試行錯誤しました。やはり20年以上前の作品なので技術の未熟さが目立ちますが、(一番のポイントである)浮遊感は表現出来たような気がします」

 そんな本作は、今年SNSに投稿したところ、3000件を超えるいいねを獲得。24年の時を経ても、色あせない作品であることを証明した。

「ツイッター上で、『#最近フォローした方は知らない過去作を晒す』というタグが流れてきまして。過去に何度か公開していたのですが、大昔の作品を再度載せてみました(笑)。
 SNSで公開したら、プロのモデラーさんやたくさんの方々から『この作品覚えています!』などうれしいコメントを頂きました。ある方からは、『子どもの頃、父が買った本を見て覚えています!』と、親子で私の作品を見てくれていたことは忘れられません」

 SNSで気軽に自身の作品を発表。モデラー同士での情報交換やプロとの交流を生かして、クオリティーの高い作品を生み出すなど、競い合うようにレベルが上がっている現代のモデラー。一方で今こうした作品を作り出せるのも、先人モデラーたちが積み重ねてきたアイデアや技術という基礎があるからこそ。いまやベテランの域に達しているが、今も作品を作り続けている悠太ぱぱさんは、現在のガンプラブーム、そしてモデラーのレベル向上を、どう見ているのか?

「ここ数年、急激に模型というかガンプラを作る方が増えましたね。SNSを利用することで、素晴らしい技術の公開やプロモデラーの方とも交流出来るようになりました。以前では想像出来ないことばかりです。また、制作技術の発達も目覚ましく、デジタル造形の普及など驚きの連続です。本作では、確か1/100の船のキットの水兵さんを加工して、小さな人形にヘルメットやバックパックを自作して、ジオン兵に見えるように作るのが大変でした。制作当時は便利なディテールアップパーツは売っていなかったので。
 私の作品は今の『オラザク』参加者の方々の作品とは雲泥の差があり、皆さん素晴らしい作品ばかりです。その一方で、私としては自分に出来ることを表現して楽しんでいければ良いかと思っています」

 ベテランになっても謙虚な姿勢を崩さず、現代のモデラーへのリスペクトを忘れない同氏。最後に自身にとっての「ガンプラ」はどんな存在かを聞いた。

「広大な世界観を自由に表現出来る、無限の可能性をもつものだと思っています。これからも周りに流されず楽しく作っていきたいと思います」

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  • この写真の作品はユーチューブに作者が上げている。細部まで本当に凄い。狂気と狂喜の塊りだ。かつての酔狂は自由を得た。今月はどれを崩そうかな♪
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