『THE FIRST SLAM DUNK』物語は“痛み”にフォーカス 井上雄彦「関わるならそういう視点で」

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2022年12月03日 10:11  クランクイン!

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『THE FIRST SLAM DUNK』監督・脚本の井上雄彦のインタビュー公開
 映画『THE FIRST SLAM DUNK』公開を前日に控えた12月2日、公式サイトにて本作の監督・脚本を務める井上雄彦がインタビュー(前編)を公開。映画監督としての初めての創作に踏み切った理由、原作『SLAM DUNK』完結後のファンへの思い、そして本作の内容にも通じる現在の視点や価値観について語った。

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■『SLAM DUNK』完結は読者&アニメ視聴者を「悲しませた」 井上雄彦が監督・脚本を担当した理由

 本作は、「週刊少年ジャンプ」(集英社)にて1990年から1996年まで連載されたバスケットボール漫画『SLAM DUNK』を映像化するアニメ映画。高校バスケを題材に選手たちの成長を描いた原作者・井上自ら監督・脚本を務める。

 今回、井上が新作の監督・脚本を担当した理由については「“なんで?”って思いますよね。魔が差したんですかね」と笑ながらも、プロデューサーの熱意が理由のひとつだと明かす。最初は断っていたが、数年かけて企画書やパイロット(先行して製作された映像媒体)を何度も持ち込まれたことで、最終的に「YES」を出したそうだ。

 オファーを受けた理由はこれだけれはない。自身の中にも、ファンに「喜んでもらいたい」という気持ちがあった。「世の中の人、自分にとっては読者だったり、アニメの視聴者だったり、『SLAM DUNK』を見てくれてた人たちがいて。で、割と予測しない形で終わってるじゃないですか。自分としては物語的にはああいう形で終わりたくて、思った通りに終わったんです。でも、世の中的には驚きをもって、人によっては悲しまれた人もいらっしゃったと思うんです。やり切ったという気持ちが大きいんですけど、その一方で悲しませた、そういう人もいたなっていう気持ちがあった」。

 原作単行本が累計1億部を突破したときは、自ら広告主となって新聞6紙に広告を掲載、廃校を借りて登場人物の10日後を描くイベントを開催。さらにイラスト集や単行本の完全版・新装再編版を出すなど、これまでファンへの感謝をたびたび形にしてきた。

 本作の監督・脚本を担当した理由も、そんなファンへを喜ばせたいという気持ちも大きかった。「何か新しく描くことでちょっとでも喜んでもらいたいというのがあって。その都度、喜んでくれる顔を見てきたので。喜んでもらえるのであれば、という気持ちがあったと思います」と語っている。

■ストーリーは“痛み”にフォーカス「自分が関わるならそういう視点でやりたい」

 仕事は、「とりあえずやりたいことを抜き出していく。ザクザクと山を何個か置いていく」ところから始めたという井上。本作のストーリーラインを考えるにあたり、連載中と現在の視点や価値観の変化が大きく影響していると明かす。

 「『SLAM DUNK』を描いていた時、自分は20代で。23歳から29歳の6年間だったんですけど。マンガ家としても描けば描くほどうまくなっていく、そういう時期なんですよね。体力もあるし、無理も無理と思わないような時期で、ずっと右肩上がりの一直線なんですよ、価値観が。で、主人公は身体が大きくて、ものすごい能力を秘めている。無限の可能性がある主人公だった。あの時はその物語がすごいハマったと思うんです」と語る井上。連載当時は、自身の漫画家としての成長期と、可能性を秘めた主人公の物語が「ハマった」という。

 しかし、連載終了から26年が経って視点や価値観がだいぶ変わったようだ。「変わったというか…増えたんですね。痛みだったり、うまくいかないこともいっぱいあるよなって、みんなそうだと思うけど自分も経験して。痛みを抱えていてとか、痛みを乗り越えてとか、そういう存在の視点で描きたかったんです。みんなそうじゃないですか。無限の可能性を秘めている人ばかりじゃないので。みんな痛みと共に生きている。そういう視点で今の自分だったら描けるんじゃないかなと。そういうところにスポットを当てたい、フォーカスしたい。自分が関わるならそういう視点でやりたいというのがありました」。

 公開前に明らかになることはなかった映画『THE FIRST SLAM DUNK』のストーリー。そこには、井上の“新たな視点と価値観”による「ファンに喜んでもらいたい」「痛みにフォーカスしたい」という思いが反映されている可能性が高い。

 映画『THE FIRST SLAM DUNK』は本日12月3日より公開。

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  • 山王戦+宮城の沖縄故郷エピソード(亡くなった兄ソータを絡めた家族話)でした。ラストは宮城と沢北がアメリカに行っての対峙+エンドロール後、ソータの写真が置かれたリョータ団地リビングの挿し絵。
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