
冬に太るのはなぜ? 「冬に太りやすい」は実は誤解
冬は太りやすい季節だと思っていませんか? 冬は寒さから服も重ね着をして過ごすため、薄着で過ごす夏と比べて、モコモコした印象をもたれがちです。また、夏はちょっと体を動かすだけでも汗をかきやすいのに対し、冬は動いても汗をかきにくいため、「エネルギー代謝が落ちる季節だから、太るのはしかたがない…」と思っている方も少なくないでしょう。
ところが体を維持するために必要なエネルギーである「基礎代謝」は実は季節によって変動があり、一般的に暑い夏よりも寒い冬の方がより多くのエネルギーを必要とすることがわかっています。
寒い外気温から体温を奪われないように、体内で熱を産み出そうとする働きが強くなることが原因の一つです。寒さで体が震えることは誰しも経験があると思いますが、これは体が震えることで筋肉を収縮させてエネルギーを産み出し、体温を維持しようと働くためです。
基礎代謝量が増える時期なのに「毎年冬になると太る」「体重が増えてしまう」という場合は、他の原因が考えられます。
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「摂取エネルギー > 消費エネルギー」の生活が続いてしまうと、余ったエネルギーは体脂肪として蓄積されてしまい、太ってしまいます。
「冬に太る」失敗を回避! 寒い季節にやせやすくなる方法
基礎代謝量が増えやすい時期なので、普段の活動量や運動量を増やすことで、体脂肪をエネルギー源として燃焼させ、消費エネルギーを増やすことが期待できます。寒さによって体を動かすことが億劫に感じるかもしれませんが、防寒対策を行った上でぜひ積極的に体を動かすようにしてみましょう。今まであまり運動をしてこなかったという方は、座りっぱなしを解消するために適度に立ち上がって軽く体を動かしてみる、その場でかかとの上げ下げ運動する「ふくらはぎのトレーニング」を行うといったことから始めると良いでしょう。
慣れてきたら自体重を使ったスクワットを行うようにすると、下肢やお尻など大きな筋肉を刺激して収縮させるため、消費エネルギーも大きくなります。
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冬太りに効果! 筋トレと有酸素運動の合わせ技
筋トレでは加齢とともに減りがちな筋肉量を維持・増やすことを目的として行いますが、筋トレとあわせて行いたいものがウォーキングやジョギングに代表されるような有酸素運動です。有酸素運動は長く続けないと効果が現れないというものではなく、短い細切れの時間を積み重ねることでも体脂肪燃焼などの運動効果が期待できるものです。普段の生活の中で、なるべく歩く時間を増やすことから始めてみましょう。
寒い日や雨天時など屋外での運動がむずかしい場合は、室内で有酸素運動を実践することも可能です。短い動画を見ながら、もしくはテレビCMの間は立ち上がってその場で足踏みを実践してみましょう。
何度も繰り返しているうちに体は温まり、「ちりつも」効果でエネルギー消費量を増やすことができるでしょう。
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西村 典子プロフィール
20年以上に渡り、スポーツ現場でのトレーナー活動に従事する日本体育協会公認アスレティックトレーナー。NSCA公認ストレングス&コンディショニング・スペシャリスト。選手へのトレーナー活動だけでなく、幅広い年齢層を対象としたストレッチ講習会やトレーニング指導経験も豊富。スポーツ傷害予防や応急処置などの教育啓蒙活動も行い、毎日の健康づくりに役立つ運動に関する情報発信を精力的に行っている。(文:西村 典子(アスレティックトレーナー))