W杯で三笘薫、田中碧らが躍動 日本代表の“供給源”となったJリーグ川崎の凄さとは

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2022年12月04日 18:00  AERA dot.

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Jリーグでは川崎でプレーした日本代表の三笘薫
 サッカー日本代表がワールドカップ(W杯)が開催されているカタールの地で躍動している。


【写真】「ケガがなければ…」日本代表の歴史を変えられた“未完の逸材” グループリーグでは第2戦のコスタリカには0対1で敗れたものの、初戦のドイツ戦に続き、第3戦でも世界屈指の強豪であるスペイン相手に2対1で逆転勝ち。2つの“ジャイアントキリング”を成し遂げ、2大会連続となる4度目の決勝トーナメント進出を果たした。


 前評判を覆し、勝ち上がれた要因となっているのは、海外のクラブでプレーする選手(26人中19人)が増え、技術やメンタルの面で強豪国に負けなくなった部分も大きいだろう。だが海外組の選手たちも、もれなくJリーグでプレーした経験を持つ国内で育ったプレイヤーでもあるのも事実である。


 特に今回のメンバーでは、ここ最近Jリーグで圧倒的な強さを見せている“川崎フロンターレ勢”が目立つ。コスタリカ戦で先発したDF山根視来、スペイン戦で先発したDF谷口彰悟の2人は今シーズンもプレー。海外組でもGKの川島永嗣(ストラスブール)、DFの板倉滉(ボルシアMG)、MFの三笘薫(ブライトン)、守田英正(スポルティング)、田中碧(デュッセルドルフ)は過去に在籍した選手だ。


 他にも川崎では出場こそなかったものの、シュミット・ダニエル(シントトロイデン)は大学時代に特別指定選手として登録され、久保建英(レアル・ソシエダ)は同チームの下部組織でプレーするなど、今や代表への立派な“供給源”となっている。


 板倉、田中などユースからトップチームに昇格した選手に加え、大卒の選手など、様々なバックグラウンドを持つ選手を“代表クラス”に育てることができる理由はどこにあるのだろうか……。


「育成組織の充実度は日本トップクラス。アカデミーに入ると一番下U−10の小学3年生から基本技術を磨くのはもちろん、自らの長所を探して生かす方法を考える。また実戦を重ねて経験値を上げることを重視。試合出場を求め、高校、大学で1度チームを離れた後、戻ってくる選手も多い。選手を育てるという目的に向けての方法がしっかりしている」(サッカー専門誌ライター)


 板倉はU−18キャプテンとしてリーダーシップを発揮。三笘は下部のカテゴリー時代から卓越したドリブルの技術を披露。田中は「背番号10」を任され将来のエースとして期待されていた。まさに川崎のアカデミーが生み出した成功例たちだ。


「スカウティング能力が素晴らしく、カテゴリーに関係なくしっかりチェックしている。かなり前から大学生にも注目してきた。中村憲剛は関東リーグ2部の中央大でプレーしていた小柄選手だったが、日本を代表する選手にまでなった。近年は大卒や在学中の強化指定選手からプロで活躍する選手も増えたが、そのはしりと言えるかもしれない」(サッカーエージェント会社関係者)


 川崎は大卒の選手が活躍するケースが多いのも特徴だ。最近では各大学が強化、育成に力を入れるようになり、大学生年代で実力が飛躍的に伸びる選手が増えた。谷口(筑波大)、守田(流通経済大)など、大学生の逸材を見つけ出すスカウティング能力も優れているという。


「下部組織やトップチームで伸び悩んだ場合、積極的に他チームへ修行に出す。また適材適所で他チームの選手を補強する力にも長けている。『川崎へ加入したら戦力になれるか? 選手自身にプラスになるか?」を見極める編成担当の眼力に驚かされる」(サッカー専門誌ライター)


 川島は名古屋時代は出場機会が少なかったが、川崎への移籍をキッカケに日本代表の常連になった。山根も湘南から移籍後にその才能を本格的に開花。川崎への移籍を機に日本代表にまで成長した選手は多い。


 そして、今後も日本を代表するクラブとして君臨するという声も多い。


「本拠地の川崎市は東京、大阪、横浜などに比べると小さい。ベッドタウンとして発展しているが、商圏としては狭くなるので世界的なビッグクラブになるまでは行かないだろう。しかし育成、強化のビジョンがしっかりしているので、国内の強豪チームで居続けるのではないか。Jリーグでのタイトルの先にはACL(アジアチャンピオンズリーグ)も控えている。国内やアジア圏では確固たる地位を築くことは十分可能」(スポーツマーケティング会社関係者)


「ユース世代から育て上げた選手も多く、海外移籍しても移籍金が常に入ってくるメリットは大きい。川崎なら海外へ行きやすいとなれば、良い選手も集まってくる。仮に移籍で選手が入れ変わっても、国内タイトルを取り続けることで地元ファンは応援し続ける。クラブと地元の理想的な関係が出来つつある」(サッカーエージェント会社関係者)


 また、先述したとおり、現在の代表チームでは海外組が注目されているが、川崎勢を含め元を辿れば全員“元Jリーガー”。カタールでの日本代表の躍進によって、Jリーグの価値も改めて再認識されている。


「間違いなくJリーグの価値は上がった。未来の海外組が国内で見られるので観客動員につながるはず。長期の放映権獲得に高額を費やしたDAZN(ダゾーン)には、視聴者増に向けて追い風が吹くだろう。国内の若手選手への注目も高まり、早い時点で海外移籍する選手も増えるのではないか。これまで日本人選手が活躍してきたドイツ・ブンデスリーガーは可能性が高い。何と言っても日本はドイツに勝っていますから(笑)」(サッカーエージェント会社関係者)


 12月6日の午前0時には、「新たな景色」史上初となるベスト8進出をかけ、クロアチアと対戦する日本代表。その試合ではまた、“川崎勢”が原動力となり、勝利を掴むことができるのか。来年30周年を迎えるJリーグとともに成長してきた選手たちの戦いに注目したい。


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  • 結果的にどんな競技でも(仕事もそうだけど)育成力がモノを言う事になるね→お手軽に移籍&FA(転職〜ヘッドハント)等の補強だけでは長期的に見て「地力」にならん�ͤ��Ƥ��
    • イイネ!7
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